孫 正義 グループ代表挨拶 2017年

入社式あいさつ(骨子)

本日行われた2017年度ソフトバンク株式会社の入社式で、ソフトバンクグループ代表の孫 正義が新入社員390人に向けてあいさつしました。

おはようございます。
入社式は新年度が始まるとてもうれしい日であります。ソフトバンクグループはいつの間にか大きな企業グループになりましたが、まだまだ私の思うところには到達していません。いたずらに時が過ぎた、もっと頑張らなくてはいけないと思います。エネルギーを持った皆さんが仲間に加わることで、私の情熱に新たなエネルギーが追加される気がします。私は桜の花が大好きですが、一輪だけではその素晴らしさを充分に味わうことはできません。たくさんの花が咲いて、さらにたくさんの桜の木が群れとなることでその美しさをダイナミックにしてくれます。一人の夢、一人の願望が一緒になれば大きく咲き乱れます。では、我々にとっての夢とは何か。情報革命を通じて人々を幸せに、これが唯一の共通した夢であります。

米国のシリコンバレーでは、新しいテクノロジー、ビジネスモデルが続々と生まれており、毎月行くたびに、彼らのエネルギーから刺激を受けます。これまでの我々には一歩一歩歩むしか成長の手立てがありませんでしたが、10兆円規模のファンド「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」を設立することを昨年発表しました。志を共有するのに、人種・年齢・性別は関係ありません。思いを共有すれば、すでに同志です。では彼らとどう結合するのか。社員と会社という関係で結合するのか、あるいは取引先という関係で結合するのか。我々は彼らの成果を分かち合い、一緒にリスクを取り、夢を追い、協力していきます。なぜシリコンバレーで多くの企業が芽生え、急成長し、世界を席巻しているのかというと、ベンチャーキャピタルがお金を投じているからです。リスクを取り、夢を一緒に追いかけるというエコシステムができているのです。我々が中心となって全世界のベンチャーキャピタルを上回る規模のファンドを作るということは、世界中で新たな同志的結合を増やしていく構えができたということです。この構えを作ったことで、いつの日か世界で最も尊敬される、価値のある、勢いのある集団になれるのではないかと思っています。

この志は我々の本拠地である日本でスタートしていますから、国内でしっかりと業績を上げて、多くの人々に感謝され、尊敬されるような企業活動をしていかないといけません。加えて、皆さんはソフトバンクグループの中核であるソフトバンクの社員でもあります。国内だけではなく、今後世界中に打って出るあらゆる事業の核に貢献するという高い志を持って、力を発揮してほしいと思います。そのためには英語を欠かすことはできません。また、できるだけ早くいろいろな技術に関心を持ち、それらの知見を得てほしいと思います。マイクロコンピューターの能力は人間の知能を超え、少なくともこの30年、40年の間に、つまり皆さんが現役の間にシンギュラリティーが訪れます。それにより、仕事の定義が変わります。人工知能がロボットに融合され、それがクラウドにつながっていく。24時間365日働けて、人間よりスピーディに、また正確に手足を動かすことができるスマートロボットが社会のあらゆるところに存在する時代がくるのではないか。そうなったとき、人間の仕事とは何か。単純作業はどんどんロボットに置き換えられます。逆に人と人とが心を触れ合わせることは今後もっと大切になり、常に自分たちの仕事を見直し、今後の社会の進展を先回りして考えることが大切になります。人間は概ね自分が意識した方向に育っていきます。強い願望を持って努力し続ける、そういう思いを持つことはとても大切なことだと思います。

我々が情報革命の推進役として、世界中に情報革命を起こすのは何のためか。人々を幸せにするためです。「何のために」を忘れ去ってしまったのでは意味がありません。いろいろな切り口から人々を幸せにするために努力をする、そういう思いを皆さんには強く持ってほしいと思います。今できること、今やらなければいけないこと、今のうちから志しておかなければならないことを強く意識してください。入社おめでとうございます。同志として一緒に頑張りましょう。

(掲載日:2017年4月3日)