プレスリリース 2010年

携帯電話を活用した聴覚障がい者向け
「モバイル型遠隔情報保障システム」導入実験の成果をまとめた
特設ページの開設について

2010年5月31日
国立大学法人 筑波技術大学
ソフトバンクモバイル株式会社
NPO法人 長野サマライズ・センター
国立大学法人 群馬大学
国立大学法人 東京大学 先端科学技術研究センター
MCC HubneT

国立大学法人 筑波技術大学(所在地:茨城県つくば市、学長:村上 芳則)、ソフトバンクモバイル株式会社(本社:東京都港区、社長:孫 正義)、NPO法人 長野サマライズ・センター(所在地:長野県塩尻市、理事長:堀内 征治)、国立大学法人 群馬大学(所在地:群馬県前橋市、学長:髙田 邦昭)、国立大学法人 東京大学 先端科学技術研究センター(所在地:東京都目黒区、所長:中野 義昭)、MCC HubneT(所在地:東京都練馬区、世話人:梶谷 知子)は、本日、携帯電話を活用した聴覚障がい者向け「モバイル型遠隔情報保障システム」導入実験の成果と報告をまとめた特設ページを筑波技術大学公式ホームページ内に開設しましたので、お知らせします。

「モバイル型遠隔情報保障システム」とは、聴覚障がいをお持ちの方が学校の講義などを受ける際に、2名の通訳者が連携しながら話者の言葉を要約してパソコン画面に字幕化する「パソコン要約筆記」を、携帯電話を使って遠隔で行うシステムです(図1参照)。6者は、2009年4月より、聴覚障がいをお持ちの方を対象とし、企業や教育機関など、実際に使用が想定される環境下において、本システムの実用化と普及を目指し、導入実験を開始しました。

このたび開設される特設ページでは、2009年4月から2010年3月の間に実施したさまざまな導入実験の結果を、事例なども含めて紹介しています。6者は、これまでに約90回の導入実験を実施し、実際に本システムを体験していただいた聴覚に障がいのある方々や情報保障者に対するヒアリングやアンケートを行い、本システムの有効性と課題について検証を行ってきました。本特設ページでは、統計的なデータから得られたさまざまな結果のほか、本システムを利用するための手順も掲載しています。

これまでの実験により、本システムは、ガイド付きの観光ツアー(図2参照)など、屋内外を問わず移動を伴う状況下でも、本システムのメリットである手軽さや持ち運びやすさなどが活かされ、聴覚に障がいのある方へ情報保障の役割を果たすことが実証されています。

下記より、導入実験の成果をまとめた特設ページをご覧いただけます。

 

6者は、本特設ページを通して、「モバイル型遠隔情報保障システム」が情報保障手段の1つのツールとして広まり、情報保障にご興味のある方々に活用されることを期待しています。

[注]
  • 情報保障:身体的な障がいにより情報を収集することが困難な方に対し、代替手段を用いて情報を提供することにより「知る権利」を保障すること。

図1 「モバイル型遠隔情報保障システム」のイメージ

図1「モバイル型遠隔情報保障システム」のイメージ

図2 ガイド付の観光ツアーなど、移動を伴う状況下での情報保障イメージ

図2 ガイド付の観光ツアーなど、移動を伴う状況下での情報保障イメージ
情報保障を受ける聴覚に障がいのある利用者/遠隔地にいる情報保障者

本導入実験のメンバー

筑波技術大学

聴覚及び視覚障がい者のために創られた国立大学法人で、世界の聴覚及び視覚障がい者の高等教育をリードする大学として、高い評価を得ています。速記による字幕提示手法を15年程前から導入し、聴覚障がい学生の講義保障を実現しています。さらに、遠隔による各種の講義保障システムも構築し、学内や学外で利用しています。

ソフトバンクモバイル

ソフトバンクグループCSR基本方針「あすのインターネット社会へ」に則り、重点テーマの一つに掲げる「夢と志を持つ次世代の育成」に取り組んでいます。なかでも、携帯電話やインターネットが障がい児の学習や自立に果たす役割の可能性に着目し、移動体通信事業者としての独自性を活かした社会貢献活動に取り組んでいます。

長野サマライズ・センター

パソコンなどのIT機器やIT技術を活用して、障がい者・高齢者などの社会参加をサポートする活動を実施しており、「パソコン要約筆記の連携入力」手法を用いて県内の各種教育機関や行政機関において多くの支援実績があります。

群馬大学

聴覚障がい児の教育に関する研究や、大学内での質の高い情報保障を実現しています。また、最近は工学的なシステムを積極的に取り入れ、遠隔地連携入力による講義保障にも積極的に取り組んでいます。

東京大学 先端科学技術研究センター

バリアフリーに関するさまざまな課題に取り組んでいます。さまざまな分野の人々が連携して文理融合型の研究が進められていること、障がいをもつスタッフを多く採用し、当事者の視点を大切にした研究を行っていることが特徴です。

MCC HubneT(エムシーシー ハブネット)

本システムの導入・普及に賛同した情報保障者が集まって設立した団体です。東京を中心に、従来パソコン要約筆記による支援が届きにくかった場所への積極的導入を目指して活動しています。

  • *SOFTBANKおよびソフトバンクの名称、ロゴは日本国およびその他の国におけるソフトバンク株式会社の登録商標または商標です。
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