気球無線中継システム

研究内容

災害などで通信障害が発生しているサービスエリアを迅速に復旧させることを目的に、係留気球を利用した臨時無線中継システム(以下「気球無線中継システム」)を開発しています。本気球無線中継システムは、災害時の臨時回線としての利用に備え、2013年より全国の主要拠点に配備しています。

気球無線中継システムは無線中継装置親機(以下「親機」)と無線中継装置子機(以下「子機」)で構成されており、係留気球によって子機を高所に位置させることで、カバーエリアを広げることができます。子機の位置と高度を安定させるためにスクープ(気球下部の風を受ける幕状のもの)付きの扁平型気球を用い、気球の空中姿勢を安定させています。移動通信網への接続には、親機を移動通信網へ直接接続する構成と、通信衛星回線を介して接続する構成があり、通信衛星回線を介する接続構成は周辺に親機がない場所でもサービスエリアを迅速に復旧することができます。

2014年には新たにLTE/W-CDMA対応の気球無線中継システムを開発し、同年11月、宮城県南三陸町において、利用時の通信速度や通信品質およびカバーエリアの広さなどを評価する実証実験を行いました。この実験では、気球を高度約100mに揚げて係留し、半径5km以上のエリアでLTEによる高速データ通信、音声通話ができることを確認しています。

本気球無線中継システムは、船上からの気球係留や、気球を格納した車輛からの気球係留についても実証評価を行い、災害時の臨時回線としてさまざまな環境での利用に備えています。

気球無線中継システム

気球無線中継システムイメージ

気球無線中継システムイメージ

フィールド実証実験の様子

宮城県南三陸町でのサービスエリアとLTEによる高速データ通信・音声通話確認済み地点

南三陸町での実証実験