プレスリリース(旧ソフトバンクテレコム) 2005年

日本テレコム、次世代ICTプラットフォームサービス構想を発表
第一弾サービスとして
「ULTINA On Demand Platform」KeyPlatを提供開始
~次世代ユビキタスネットワーキングと
コンテンツ・アプリケーションの統合化へ~

2005年12月2日
日本テレコム株式会社

日本テレコム株式会社(本社:東京都港区、社長:倉重 英樹)は、ブロードバンド時代の次世代ユビキタスネットワーキングとコンテンツ・アプリケーションの統合化提供へ向け、次世代ICTプラットフォームサービス構想「IRIS」を策定すると共に、ネットワーク技術とITを融合させたICTプラットフォームサービス「ULTINA On Demand Platform」 KeyPlatを開発し提供することになりましたのでお知らせ致します。

また、今後法人向けの主要サービスとして提供する「ICTプラットフォームサービス」に関わる全てのプロダクトは、「ULTINA」(アルティナ)という新ブランド名称で提供致します。

  • ICT = Information & Communications Technology
  • ICTプラットフォームとは、「ネットワークインフラとアプリケーションなどを統合的に制御する機能またはそのインフラ」を指します。

日本テレコムの次世代ICTプラットフォームサービス構想とは?

ブロードバンド通信が社会に浸透しユビキタス社会へ進化する現代では、ネットワーク利用ニーズは多様化・複雑化しています。一元的価値の「モノ」サービスを提供する社会から、個別の多様なニーズから生まれる何かをしたい、実現したい「コト」サービスを提供する社会へシフトしており、企業活動においても、ネットワーク上で提供可能な様々なアプリケーション・コンテンツを柔軟に活用・駆使することで差別化を図り、新しいビジネスニーズが生まれつつあります。ブロードバンド・ユビキタス社会における、ライフスタイル、ワークスタイル、ビジネスモデルは今まさに大きく変わろうとしています。

ICT技術が進展するにつれ、ネットワークニーズの変遷は、回線のみのコネクティビティ確保型から、コンピューティングパワーを包括したより高機能サービスネットワーク融合型へと移行しており、ブロードバンド社会における企業活動のICTのニーズも、ビジネスに必要なリソース機能をブロードバンドネットワークに求める方向へ動き始めています。

日本テレコムでは、このようなニーズに対応するために、「サービス(もしくは機能)とネットワークを融合させ、より高度なサービスとより簡易なインタフェースを提供し、お客様のあらゆるリクエストに応えるICTプラットフォームサービス」をこの構想により実現していきたいと考えています。

このICTプラットフォームサービスとは、利用者がネットワークに接続するだけで、(簡易なインターフェイスで)ネットワーク環境が「自動的に最適化」され、「多機能で高度な」アプリケーションを「いつでも・どこでも」「必要なとき・必要なだけ」利用できるイメージです。オンデマンドでの映像配信や、大容量のデータ共有などのお客様の利用シーンに合わせて、「お客様が意識することなく」自動的に最適なネットワーク回線とサーバ容量が選択され、多彩なアプリケーションを自由に選択できるようなオンデマンドのプラットフォームサービスはその一例です。

この次世代ICTプラットフォームサービス構想では、従来、お客様が個別に構築または調達していたITインフラ(サーバ等のコンピューティング環境も含む)やアプリケーション・コンテンツなどをネットワーク側の機能として取り込み、ブロードバンド回線やデータセンターサービスなどを一体化したプラットフォームとしてご利用いただくことを目的としております。通信事業者として日本で初めて、次世代に向けたICTプラットフォームサービスの形を本構想で提言し、「コンテンツ・アプリケーションなどのサービス」と「高品質・高機能ネットワーク」を融合したSNC (Service Network Convergence)とユビキタス・ブロードバンドインフラの実現を目指しています。

日本テレコムの次世代ICTプラットフォームサービス構想には、以下の3つの特徴があり、それぞれの実現に必要な技術要素はこのように考えております。

1)ITシステムのネットワーク機能化

サーバやソフトウェアで構築してきた「ITシステム」をグリッド技術等の利用により、ネットワーク機能として提供。水道のように「必要なとき」、「必要なだけ」ITシステムを利用できるので、スピーディなITシステム構築と大幅なTCO削減を実現。

関連技術群

  • グリッド技術によるコンピューティングパワーとプラットフォーム・ネットワーク融合
  • Autonomic技術による自律型システム制御  など

2)ネットワーク制御の自動化

アプリケーション(ソフトウェア)からダイレクトに、ネットワークの品質(帯域、優先順位)を制御可能にすることで、アプリケーションに最適なネットワークの状態をダイナミックに選択可能。お客様の状況を判断して、より快適なネットワーク環境と、お客様のニーズに合った高度なアプリケーション開発を実現。

関連技術群

  • RFIDなどを活用したセンサーネットワークによるユーザプリファレンス管理
  • WebサービスとMPLS/GMPLSとの連携  など

3)シームレスなユビキタス環境

固定通信とモバイル通信の融合と統合認証システムにより、シームレスなFMC(Fixed and Mobile Convergence)環境を提供。サービスを中断することなく、どこにいても、通信手段を気にすることなく、サービスやアプリケーションを継続的に利用することが可能。

関連技術群

  • IMS、Mobile IP、WiMAX
  • バイオメトリクス等によるシームレス統合認証プラットフォーム など

日本テレコムは、今後とも、これまで提供してきたネットワークインフラの信頼性と品質の維持・向上を継続すると共に、お客様が利用したい機能・必要な機能・自由度の高い機能などを全てネットワーク上へ搭載し、ネットワークに接続するだけでお客様の課題が解決できるような次世代ICTプラットフォームサービスの実現へ向けて努力して参ります。

日本テレコムの新ICTプラットフォームサービス
「ULTINA On Demand Platform」 KeyPlat とは?

この構想を具現化したサービスの第一弾として「ULTINA On Demand Platform」 KeyPlatを法人のお客様向けに提供することになりました。「ULTINA On Demand Platform」 KeyPlatは、グリッドコンピューティング技術とブロードバンド回線を組み合わせたICTプラットフォームサービスの一種で、日本テレコムの設備側でお客様Webサイトへのアクセスに応じてコンピューティングパワーを最適になるよう自動的に調整し、高品質なプラットフォームを提供するというものです。お客様のビジネスに必要なネットワークインフラと機能がすでにプラットフォームとして用意されているため、Webサイト構築までの期間を短縮でき、迅速なビジネスを展開することが可能となります。

「ULTINA On Demand Platform」 KeyPlatの特長

ビジネス・グリッド技術を活用してWebサイトに関わる各種リソースをオンデマンドでご利用いただくことが可能です。Webサイトへのアクセスが集中した場合、今まではネットワークやサーバなどのリソース不足がボトルネックとなり、販売機会の損失またはエンドユーザの満足度低下が生じる可能性がありましたが、本サービスではダイナミックに各種リソースを割り当てることができるので、これらの問題が解消されます。

具体的には、サービス利用中にCPUリソースなどのパフォーマンスデータの収集・監視により、一定の閾値を超えると、自動的にネットワークやサーバへリソース拡張の指示が出され、インターネット帯域の増加、サーバリソースの増加を行います。これにより最適な環境が提供され、信頼性向上やビジネス機会損失防止につながります。

本サービスを利用されるお客様には、下記のような数多くのメリットがあります。

  1. 1)お客様のビジネスに必要なリソースをオンデマンドでご利用いただくことで、信頼性向上やビジネス機会損失防止につながります。
  2. 2)プラットフォームの基本サービスとして、データセンターファシリティとブロードバンド回線、各種サーバのほか日本オラクル社の「Oracle Application Server 10g Release2」と「Oracle Database 10g Release2」をライセンス料金込みでご利用でき一括管理が可能となります。
  3. 3)データセンターファシリティやブロードバンド回線、機器監視に至るまで一体化したキャリアサービスにより、機器やソフトウェアは常にプラットフォーム側でマネージメントするため、ユーザ負担による事業リスクの最小化が実現できます。
  4. 4)電気料金や水道料金のように、利用したコンピュータリソースに応じたユーティリティ課金により、お客様のコスト削減につながります。
  5. 5)ICTに関わる全体設備投資コストと初期投資コストを低く抑えると共に、ネットワークや機器の保守運用にかけているリソースをアウトソーシングすることになり、減価償却費などの固定費を変動費化でき、コアビジネスに集中できます。

本サービスは、すでにICT先端企業3社でプレ導入しており、高い評価をいただいております。また、正式提供開始は、2006年1月中を予定しております。

日本テレコムは、今後、このような多様な機能をネットワークで実現する「ICTプラットフォームサービス」を当社の主軸サービスとして位置付け、大手ソフトベンダー等との協業や提携を通じてサービス開発提供してくことで、ICTソリューションカンパニーとしてお客様のビジネスをサポートして参ります。

「ULTINA」(アルティナ)ブランドについて

「ULTINA」は、Ultimate Networking Architectureの造語で、日本テレコムのICTプラットフォームサービスのブランド名です。

Ultimate(アルティミット、アルティメット)には、形容詞として 1)「最高の、究極の」 2)「これ以上細分化できない、根本的な、本源的な」、名詞として「最終結論」「根本原理」という意味を持ちます。

「最高の、究極の」ネットワークを介して、お客様からの「根本の、本質的な」ご要求に真摯に対応することで、ベストな「最終的な結論」を導き出し、それを提供していきたいという日本テレコムの考え方と、そのための社会インフラ(=Networking Architecture)としてサービスを位置づけようとするコンセプトのもと、本ブランドが誕生しました。

「ULTINA」は、ICTプラットフォームサービス及びそれを支えるネットワークインフラサービスによって構成されます。お客様が、回線やストレージサーバなどのICT機器を個別に用意して利用するのではなく、日本テレコムが用意したICTプラットフォームにアクセスしていただくことにより、必要なときに必要なだけ必要な機能をご利用いただけます。これによりビジネスのスピードを加速するだけでなく、TCOの削減とITコストの最適化が図れます。

今後、日本テレコムが現在提供しているネットワークサービスも、今後「ULTINA」のブランド名称で提供して参ります。

ULTINAロゴ

以上

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