2016年3月期 第1四半期 決算説明会

ソフトバンクグループ株式会社(以下「SBG」または「当社」)は2015年8月6日に、2016年3月期 第1四半期(2015年4~6月期、以下「当期」)決算を発表しました。同日都内のホテルで開催した決算説明会の模様をお伝えします。決算説明会の模様は動画配信していますので、ぜひご覧ください。また、より詳細な主要経営指標については、決算データシートなどをご確認ください。

決算説明会の模様

決算説明会には代表取締役社長の孫、取締役の宮内、常務執行役員の後藤、執行役員の君和田、ソフトバンク株式会社(以下「ソフトバンク」)専務取締役 兼 CFOの藤原が出席しました。今回の決算説明会の模様は、当サイトやUstream、Twitter、ニコニコ動画などでも同時中継されました。

決算説明会の冒頭、登壇した孫は、「創業から30数年がたち、いろいろなアップダウンがあった」とこれまでを振り返り、ブロードバンド事業や移動通信事業に参入したことについて、「いずれも困難な挑戦だったが無事に成長させることができた」と述べました。そして、通信においては3度目の挑戦であるスプリント事業に関して、「Sprint Corporation(以下「スプリント」)とT-Mobile US, Inc.(以下「Tモバイル」)が合併することで、米国の通信業界における第3極としてVerizon Communications Inc.やAT&T Inc.と同等に戦えると思い描いていたが、それを諦めることになり自信を失うこともあった。しかし、今は今後の戦略が見えてきた」と自信を見せるとともに、「必ず改善してみせる」と強い決意を表明しました。

業績の発表に移ると、2015年6月に一般販売を開始した世界初の感情認識パーソナルロボット「Pepper(ペッパー)」が登壇し、決算概要、国内通信事業およびインターネット企業の業績について説明を行いました。

決算概要

当期のSBGの連結決算(国際会計基準)は、売上高が2兆1,391億円(前年同期比10%増)、EBITDA[営業利益(償却前)]※1が6,591億円(同16%増)、営業利益が3,436億円(同8%増)、純利益は2,134億円(同175%増)となりました。

純利益の大幅な増加には、インドのEコマースサイト「Snapdeal」を運営するJasper Infotech Private Limited(以下「スナップディール」)やインドのタクシー配車プラットフォーム「OLA」を運営するANI Technologies Pvt. Ltd.(以下「オラ」)などの投資評価益576億円※2を計上したことなどが貢献しました。なお、この評価益を除いても純利益は前年同期比2倍となっています。

国内通信事業

2015年4月1日、ソフトバンクモバイル株式会社(以下「ソフトバンクモバイル」)、ソフトバンクBB株式会社、ソフトバンクテレコム株式会社およびワイモバイル株式会社の国内通信会社4社が経営統合し、同年7月1日には、存続会社であるソフトバンクモバイルがソフトバンクに商号変更しました。ソフトバンクは、成長戦略の強化や経営効率化を図り、「モバイルインターネットNo.1コア企業」を目指します。

国内通信事業の営業利益は2,144億円と、前年同期比で5%伸び、堅調に推移しました。引き続き、売り上げの90%以上を占める主要回線※3の獲得に注力するとともに、ヤフー株式会社(以下「ヤフー」)との連携などにより、新たな顧客体験の提供や成長領域の開拓を推し進め、サービスARPU※4の最大化を目指します。一方で、他社より高い水準となっている解約率に対しては、原因を徹底的に分析し、あらゆる観点から改善に取り組んでいきます。
また、ブロードバンドサービスの契約数について、「SoftBank 光」の累計契約数※5が2015年7月末で54万件となり、今後は「SoftBank 光」を成長の軸としていく方針です。

国内通信事業のEBITDA※6は今年度も増加する見込みです。また、ネットワークの改善が実現できたため、設備投資はピークアウトし、フリーキャッシュフロー創出のステージへと移行します。

インターネット企業の状況

ヤフーの営業利益は491億円と順調に推移しており、特にスマートフォン向け広告※7の売り上げは前年同期比で38%増加するなど大きく成長しました。今後も新しい広告商品を投入していくことで売り上げ拡大を図ります。さらに、ショッピング事業の取扱高※8もEコマースの新戦略が奏功し、前年比で23%増加しました。

Supercell Oyとガンホー・オンライン・エンターテイメント株式会社(以下「ガンホー」)が展開するモバイルゲームでは、スマートフォン向けアプリケーションの売り上げ世界ランキングで、引き続き上位を維持※9しています。

また、Alibaba Group Holding Limited(以下、「アリババ」)が運営する中国最大のEコマースサイト「Alibaba.com」も順調に成長を続けており、取扱高が47兆円に達し、世界最大のスーパーマーケットチェーンであるWal-Mart Stores, Inc.の取扱高51兆円に迫る規模となっています※10。インドのEコマースサイト「Snapdeal」は、取扱高が前年同期比で222%増加するなど急成長を遂げたほか、韓国のForward Ventures, LLCが運営する「Coupang」も取扱高が23億ドルに到達しました。
タクシー配車サービスでは、インドの「Ola」がマーケットシェアを85%まで拡大※11したほか、GrabTaxi Holdings Pte Ltdが運営する、東南アジア最大のタクシー配車アプリケーション「GrabTaxi」の予約数が前年同期比7.4倍になり、急速に成長しています。また、中国のTravice Inc.が提供する「KuaiDi Taxi」は、乗車数※12が前年同期比で3倍となりました。

Pepper 一般販売好調~10月より「Pepper for Biz」開始~

Pepperが業績の説明を一通り終えると、続いて、孫が改めてPepperの状況について紹介しました。
2015年6月20日より一般販売が開始されたPepperですが、6月分、7月分ともに1分間で完売しました。また、10月1日からは「Pepper for Biz」として法人向けモデルの申し込み受け付けが始まり、一般の企業向けにPepperが月給5.5万円※13で派遣されます。それに先駆け、7月からはみずほ銀行の店頭や一部の企業で試験的に導入され接客を開始しています。

スプリント改善に向けた戦略

孫は、米国のモバイル環境について、日本に比べて料金が高く、かつ通信速度も遅かったと指摘し、「3年前に参入し、当初の戦略は3位のスプリントと4位のTモバイルを合併させることだったが、米国当局の承認を得ることができなかった」と振り返りました。「しかし、われわれは諦めなかった。スプリントの改善について徹底的に議論した結果、日本での成功事例を、スプリントで再現できると確信した」と述べ、戦略の説明を始めました。

まず、日本での成功について、ソフトバンクにおいてOPEX(営業費用)を削減し営業利益を向上させた実績と、他社より少ないCAPEX(設備投資)で高水準のスマートフォンデータ接続率に至った推移をデータで示しながら、「このノウハウをスプリントにも展開できる」とし、スプリントの本格改善の鍵として、「OPEXの大幅削減」と「CAPEXの大幅効率化」の2点を挙げました。

孫はスプリントとソフトバンクのデータをグラフで比較し、「スプリントのEBITDAマージン(償却前営業利益率)は買収後反転し始めた。当時のソフトバンクと同様に、OPEXの圧縮によって急速な利益率の改善を目指す。また、少ない設備投資でスプリントのネットワーク品質をNo.1にしていきたい」と改善への意気込みを語りました。

CAPEXの圧縮に関して、次世代ネットワークの設計には、孫自ら陣頭指揮を執ったことを明かし、「スプリントのネットワークエンジニアの提案よりもはるかに少ない設備投資で、競合他社を上回るネットワーク構築の代替案を提示した。当初、彼らは不可能であると反対したが、今は納得し、共に次世代ネットワークの詳細設計とその実行に取り組んでいる」とコメントしました。

携帯端末の販売方法については、ソフトバンクが世界で初めて導入した携帯電話の割賦販売方式と割賦債権の流動化を参考に、スプリントがリース販売方式を開発しました。また、端末販売に必要な資金需要を賄うためにリースファイナンスの仕組みを導入するとともに、現在リース販売を行うための会社の設立を準備中です。

これら施策による純有利子負債の改善と、マルセロ・クラウレのCEO就任以降、純増数が増加していること、解約率が過去最低水準まで低下※14していることにより、調整後EBITDAや営業利益について改善の兆しが出ていると説明した孫は、「改善への光は見えた。スプリントを、必ず改善してみせる」と力強く宣言しました。

自己株式の取得

最後に孫は、現在のSBGの株価について「実力以下で評価されている」と述べるととともに、取得価額1,200億円を上限とした自己株式取得を発表し、説明会を締めくくりました。

[注]
  • ※1
    EBITDA=売上高-売上原価-販売費及び一般管理費+減価償却費及び償却費
  • ※2
    投資評価益:FVTPL(Fair Value Through Profit or Loss)の金融資産から生じる利益
    (主にSnapdealを運営するJasper Infotech Private Limited、Olaを運営するANI Technologies Pvt. Ltd.の優先株式)。投資評価益およびアリババ持分法利益には税効果を認識。現金の支出を伴わない
  • ※3
    主要回線:スマートフォン、従来型携帯電話、タブレット、モバイルデータ通信端末。
  • ※4
    ARPU(Average Revenue Per User):1契約当たりの月間平均収入
    サービスARPU=(端末保証サービス収入、広告収入、コンテンツ関連収入など)÷稼働契約数(10円未満を四捨五入して開示)
  • ※5
    「SoftBank 光」の契約数は開通待ち件数、「SoftBank Air」を含む
  • ※6
    各セグメントのEBITDA=各セグメントの(セグメント利益+減価償却費及び償却費-その他の営業損益)
  • ※7
    スマートフォンの広告売り上げはタブレット広告売り上げの一部を含む
  • ※8
    Yahoo!ショッピングとLOHACOの取扱高合計
  • ※9
    出所:App Annie Index 全体ランキング トップ10 (iOS + Google Play)
    ワールドワイド 売り上げランキング(2015年6月)を基に当社作成
  • ※10
    出所:アリババ開示資料を基に当社作成。1ドル=120円で換算、1USD=6.2RMBで換算
    Walmart(全世界):Walmart U.SおよびWalmart InternationalのNet Sales
    Walmartは各年1月期決算
  • ※11
    マーケットシェアは2015年6月末時点
  • ※12
    プライベートカーおよびタクシーの乗車数の合計
  • ※13
    36カ月契約(計198万円)契約期間終了後、本体は返却いただきます
  • ※14
    スプリント・プラットフォームの解約率

質疑応答

主な質疑応答は、次の通りです。社長の孫がお答えしました。

Q. ソフトバンクの成功要因としてiPhoneの独占販売があった。米国ではそれが無く、かつTモバイルとの合併が無くても、日本での成功を再現できるのか。
また、少ない設備投資でNo.1のネットワークをつくることに関して、他社はまねできないのか。
A.

ボーダフォン日本法人を買収して数年経ってからiPhoneを取り扱い始めた。それ以前から黒字、純増数No.1を達成し、営業利益も大幅に増えていた。iPhoneがあったから成功したというのは一部正しいが、全てではない。
また、少ないCAPEXでNo.1のネットワークを構築することに関して、表面的な部分や一部は他社にもまねできるが、当社には細かなノウハウがたくさんある。加えて、スプリントは2.5GHz帯を120MHz幅持っており、他社より圧倒的に多く保有している。当社は日本でも2.5GHz帯を扱っており、上手く使いこなすノウハウがあるので、スプリントにおいて、他社がまねできないNo.1のネットワークを実現できるだろう。

Q. 1,200億円の自己株式取得の実施について、今後も純資産価値と株価に乖離がある場合には、自己株式の取得が選択肢となり得るのか。
A.

自己株式取得の実施は今後もあり得る。ただ、投資の案件が控えている場合は、そちらを優先するなど、その時々のバランスで判断する。今回は、利益剰余金が約1,400億円なので、中間配当の余裕を残して、考えられる上限が1,200億円程度だったため、ルール上の上限まで自己株式の取得を行う。

Q. スプリントのリースファイナンスは、社債がリース債務に移るだけで負債であるということは変わらないのか。
またネットワークについて、データ通信の評価で他社より大きく劣っているが、なぜ改善されないのか。
A.

リース販売による債務が増えるため、リースファイナンスで調達をすることで、有利子負債が増えるのを抑える。これはネガティブだったものをニュートラルにすることで、ポジティブにするわけではない。
本質的な改善策は設備投資等の固定費を削減しながら、No.1のネットワークを構築することである。今回のネットワークは固定費も大幅に減らす設計で、有利子負債を圧縮する構えができた。本質的に改善する手だてが見えたと私は考えている。
データ通信の改善については、おっしゃる通り。既存のスプリントの「Network Vision」プロジェクトは、3Gのネットワークを改善するという程度で、他社を上回る設計になっていなかった。これから本格的に他社を上回るネットワークを設計し、実行していく。今回のネットワークは私の設計だ、という強い気持ちがある。

Q. その他の営業外損益が大幅に増えている。これは、アローラ氏が主導している海外投資に係る金融資産価値の変動の影響だと思うが、それらの投資の中で、貢献が大きい企業はどこか。今後も投資先の見通しが変動していくと思うが、毎回変動益が計上されるのか。
A.

毎回変動益が計上されるわけではない。もちろん、投資している会社の価値が上がれば変動益が出てくるが、どの位価値が上がっていくかは分からない。今後も今回のように500億円規模で増えると考えるべきではない。
この1年間、米国やインド、韓国などのアジアで、約10件の投資を行った。私が趣味のような範囲でやっていたころよりペースが上がっているが、インターネットグループとしての価値を高めていくために今後も継続していく方針で、今回のように良い成績のものが増えることを願っている。
考え方としては、例えばわれわれが時価総額3,000億円を有する企業の3分の1の株式を1,000億円で取得したとする。半年、1年後に、われわれ以外の投資家がこの企業に500億円の資本を入れて、その時の時価総額が4,000億円だった場合、われわれの持分1,000億円分の価値が3分の4に増える。差額が時価として洗い替えが起きる。全ての案件が洗い替え方式ではないが、今回はスナップディールとオラがその方式であり、クーパンは洗い替えが入らない方式である。

Q. スプリントについて、未来への自信と市場の評価にはギャップがある。いつ頃その不安は無くなる見込みか。
A.

約2年と見ている。私はいつでも、世間一般の人よりも2年位先を見越して、早めに手を打つようにしているので。

Q. 今回世界初のロボットによる決算発表となったが、感想を聞かせてほしい。
A.

うれしく思う。自分の子どものような感じであり、姿・形から「感情生成エンジン」を搭載し自ら感情を持つというところまで、深く関わってきた。創業以来、私以外のものが、当社の決算発表を行ったのは初めてだと思う。非常に感慨深い。

Q. スプリントの次世代ネットワークとは、具体的にはどういうものか。
A.

キーワードは2.5GHz帯。2.5GHz帯は他の電波より遠くへ飛ばないので、数をたくさん作る必要がある。ただし、スプリントは2.5GHz帯を120MHz幅持っている。車の車線でいうと、他社の10MHzの幅に対して、スプリントは10倍の車線を持っているということになる。この特長を生かし、ネットワークを強力なものにできる可能性がある。

Q. 国内通信において、MNP(番号ポータビリティ)などで若干苦戦しているが、どう盛り返すか。
A.

MNPについて、各社が1万から2万の差で争っているが、それぞれ3,000~4,000万件の顧客数を有していると考えれば、誤差のうちだと思っている。

(宮内)
2015年4月に4社が合併し、すでに統合効果が出てきている。また、「SoftBank 光」「SoftBank」「Y!mobile」の三つのサービスをメインに、ゆるやかに成長しながら、着実に利益を出していく方向性を描くことはできた。「SoftBank 光」で家族を取り込んでいくという点では、量販店などでも非常に多くのシェアをとっている。iPhoneに依存した戦略では難しいと言われていたが、すでに「Y!mobile」とあわせたAndroid™ のシェアも50%を超えるところまできており、もう少し見守ってほしい。

Q. スプリントの次世代ネットワークは、どれくらいの時間軸で普及していく想定なのか。
A.

既存の計画では、スプリントのネットワークエンジニアが5年かかる設計でやっていた。それに対し、私の代替案は約2年で次世代ネットワークを実現できる見込みで、なおかつ設備投資は大幅に圧縮できる。

Q. 参入時、米国市場での「三国志」を想定していたということだが、スプリント改善によりいつ頃「三国志」の状態になると考えているか。
A.

実際は4社あるので、米国の当局が認めてくれない限り4社で戦うつもりだ。米国は世界で最も大きな通信大国なので、順位が何位であれ、スプリントが着実に利益を出せる構えが見えてきた。

Q. スプリントでは、目標としてどの程度の加入者を獲得すれば健全な利益が出ると考えているか。
A.

集計の仕方が異なるが、スプリントはソフトバンクより加入者がすでに多く、ARPUも変わらない。従って、ソフトバンクより売り上げが大きいので、経営の効率さえ改善すれば、いずれかの時期にソフトバンクが出しているような健全かつ定常的な利益を出せるようになるのではないかと感じている。今後、日本と米国が“キャッシュ・カウ(安定した利益を上げる事業)”の両輪になると思っている。

Q. 国内通信の携帯電話契約について、総務省の有識者会議が「2年縛り」の是正案を提言したが、これについてどう考えているか。
また、総務省が料金プラン設計に口を出すことに対し、どう思うか。
A.

そのようなルールになれば、それに従う。そもそも当社は当初2年縛りではなかったが、他の2社がその方式で売っていたので、それに従った。
料金プラン設計への提言については、それぞれの考えがあるので、総務省の考えも尊重する。

Q. スプリントでの2.5GHz帯の活用について、課題はカバレッジエリアだと言われているが、どう考えているか。
A.

800MHz帯を最大限に活用し、カバレッジをよくするのは当然。ただ、それだけでは他社を追い越すことができない。追い越すための鍵が2.5GHz帯にある。

Q. 孫社長は、前回の決算説明会から痩せているように見えるが、体調は大丈夫か。
A.

体調はいたって健康。痩せていると言われてうれしい。

Q. スプリント買収からすでに3年たっており、2年でネットワーク再建ができるならば、もっと早くできたはずだと思う。なぜこんなに遅れているのか。
A.

クラウレ体制にしてから1年。その前はTモバイルとの合併を考えていたので、早い段階で経営陣に手を出すべきではないという判断から、1年余計にかかってしまった。
もう一つは米国のネットワーク設計は現地のエンジニアに任せれば良いと思っていたが、出てきた案があまりにも一般的で、かつ膨大な設備投資を要し、他社を上回る設計になっていなかった。しかも、5年かかるということだったので、我慢できなくなって自ら設計することになった。半年間は私が実質「チーフ・ネットワーク・オフィサー」として意思決定するということで、約2カ月前から着手している。したがって、次世代のネットワークが悪かったら、私が責任を取る覚悟でやっている。

Q. 国内通信について、当期で約47万件純減しているが、今後もこの傾向が続くのか。
また、PHS事業は今後も続けていくのか。
A.

(宮内)
売り上げの約90%を占める主要回線の純増が2万件。一方、PHSやその他の回線で約40万件の純減があったのは事実だが、利益的には問題無い状況である。今後はスマートフォン、タブレットを中心に事業を拡大していきたいと考えている。
PHSについては、病院、ガスのメーターなど需要がある。いずれは徐々に減少していく時期が来ると思うが、現時点では続けていく方針。ただ、現在各社2,700円の音声定額なので、従来のPHSの役割は変わってきている。

(孫)
いずれにせよ、PHSは利益の中で非常に小さい部分となる。

Q. スプリントは2年間で再建を終えるのか。現在までに他社からスプリント買収提案はあるのか。
A.

大幅な改善が見込めるというのが2年後であって、2年で1位になるとか再建が完了するということではない。毎年少しずつ積み上げることでお客さまに実感していただき、いずれ他社を抜く。
買収提案について、買いたいという話は無い。売りたくないと勝手に思っている。

Q. 前回アローラ氏を後継候補に指名されたが、60代で現役を退くと言及していた。今後、どういうタイミングや状況で後継者に道を譲るのか。
A.

まだ分からない。60代でバトンを渡すことは19歳から決めている。60歳から69歳までのどこかで、というのが今の状況。
アローラが後継者の筆頭候補であるのは公言した通りだが、この1年で彼が投資した会社の評価益が500億円なので、彼をM&Aしたと思えば、十分なリターンが出た。ファイナンスやテクノロジーに明るく、投資の才覚もあり、私より10歳若い。その上、世界で最大のインターネット企業の実質No.2として事業経営をしていたので、条件として申し分ない。さらに、人柄や正義感も抜群。
ただ、リレーのバトンは、止まって渡してはだめ。前の人も後ろの人もスピードを上げて渡すのがベスト。彼が私よりも速く走れるようになってからバトンを渡す。

Q. スプリントを2年間で改善するということについて、何か具体的な数値目標はあるか。
A.

今のところはコメントすべきではない。ただし、2年後には大幅に改善する見込みだ。

Q. 電力自由化が来年から始まる。SBパワー株式会社が取り組んでおり、今後の展開や東京電力株式会社との提携について教えて欲しい。
A.

これは新しい取り組みで、鋭意詰めている最中なので、コメントするのは時期尚早。基本的な考え方は通信と電気は現代の人々にとって欠かせない基本的インフラサービスなので、セット販売を行う上で、一番良い組み合わせだと思う。着実に練り上げ、実行したい。
一言付け加えるなら、インドで太陽光発電に積極的に取り組む用意があると発表したが、おそらく日本の規模より大きくなる。日照量は日本の2倍、建設コストは日本の半分ということで4倍効率がよいことになる。政府の補助金等がなくても、他のエネルギーより競争力がある。したがって、インドにおける太陽光発電に対しては熱い思いを持っている。

Q. スプリントについて、2.5GHz帯が武器ということだが、つながりやすさが武器になるのか、あるいは付加サービスが念頭にあるのか。
A.

付加サービスは第2段階。第1段階は他社より遅れているネットワークを一気に改善すること。まず800MHz帯でカバレッジを改善し、2.5GHz帯で他社を上回るキャパシティとスピードを実現する。米国では4社ともネットワークが混雑し、つながりにくい状況だ。特に大都市では非常につながりにくい。われわれは、いつでも大容量かつ高速でつながるネットワークに生まれ変わると思っている。