携帯電話によるムービー・フェスティバル「ポケットフィルム・フェスティバル・in・ジャパン 2009」の開催について

東京藝術大学大学院映像研究科
ソフトバンクグループ

ポケットフィルム・フェスティバル実行委員会(実行委員:東京藝術大学、ソフトバンクグループほか)は、下記の概要で「ポケットフィルム・フェスティバル・in・ジャパン 2009」を開催いたします。本フェスティバルは携帯電話を撮影機材とした作品による映画祭で、日本では今回が2回目の開催となります。

ポケットフィルム・フェスティバルは、携帯電話による映像表現の発展を目指し2005年に「フォーラム・ド・イマージュ(Forum des images)」(パリ市立映像フォーラム)が世界に先駆けて開催し、2008年6月にはその4回目がポンピドゥー・センターで開かれました。日本では、2007年にこのフェスティバルを世界規模で発展させるため、東京藝術大学とフォーラム・ド・イマージュが提携し、横浜で「ポケットフィルム・フェスティバル・in・ジャパン 2007」が開催されました。
今回は、その後フランスと日本以外にカナダ、イタリア、ロシアなどの国でも浸透しはじめた「ポケットフィルム」の優秀作品や新作の上映、そしてシンポジウム等によって構成されたプログラムにより、2009年1月24日(土)~25日(日)に、横浜にて開催いたします。

上映プログラムは、ポケットフィルム・フェスティバルの大きな特長である、携帯電話を用いて制作された作品が大きなスクリーンで上映され、鑑賞するといった形態を中心に予定しております。その他、ゲストを招き「ポケットフィルム」という新しいメディア表現の可能性について、教育、創造、社会といった多様な角度から論じるシンポジウムも開催いたします。

なお、ポケットフィルム・フェスティバルと併せ、東京藝術大学大学院映像研究科の年次成果発表会「Media Practice 08-09」も開催いたします。成果発表会の詳細については、 次ページ をご参照ください。

[ POCKET FILMS Festival in Japan 2009 ]開催概要

開催期間

2009年1月24日(土)~25日(日) 入場無料

会場

東京藝術大学大学院映像研究科 横浜校地馬車道校舎(横浜市中区本町4−44)

主催

ポケットフィルム・フェスティバル実行委員会

共催

フォーラム・ド・イマージュ(Forum des images)

後援

横浜市開港150周年・創造都市事業本部

協賛

ソフトバンクモバイル株式会社、ソフトバンクBB株式会社、ソフトバンクテレコム株式会社、毎日新聞社、株式会社ロボット

協力

シャープ株式会社

実行委員長

藤幡 正樹(メディア・アーティスト/東京藝術大学大学院映像研究科長)

プログラム(東京藝術大学大学院映像研究科横浜校地馬車道校舎3階大視聴覚室)

2009年1月24日(土)15:00~17:00

「キャンパス&ワークショップ 新作セレクション」
内外の大学や公共施設でおこなわれたワークショップなどによって制作された新作を、トークセッションやプレゼンテーションを交えながら上映します。

2009年1月25日(日)11:00~12:00

「ポケットフィルム・フェスティバル・in・ジャパン 2007 秀作セレクション上映」
2007年度ポケットフィルム・フェスティバルのコンペ・スクリーン上映部門の受賞作品と第一線で活躍するクリエイターによるオリジナル作品の上映プログラム ※1 です。

  • 佐橋 龍 「携帯喧嘩」/2007年度コンペプログラム 審査員特別賞受賞作品
  • 掘田 典子 「Images, 2004-2007」/2007年度コンペプログラム 審査員特別賞受賞作品
  • 松山 太一 「LIMITED SPACE」/2007年度コンペプログラム 観客賞受賞作品
  • 伊藤 ガビン 「Digital Shoplifting」/2007年度テーマプログラム
  • エキソニモ 「1.5の夜」/2007年度テーマプログラム
  • 酒井 耕 「完璧な視点」/2007年度テーマプログラム
  • タナカ カツキ 「moviecollage」/2007年度テーマプログラム
  • 永戸 鉄也 「小さい日々」/2007年度テーマプログラム
  • 中原 昌也 「適当な映画」/2007年度テーマプログラム
  • 林家 たい平 「地球 愛 家族」/2007年度テーマプログラム
  • ウィスット・ポンニミット 「手」/2007年度テーマプログラム
  • 前田 真二郎 「surface_D_01」/2007年度テーマプログラム

2009年1月25日(日)13:00~15:00

「シンポジウム1“つながり”の条件──たかがケータイ、されどネットワーク」
ネットワークという連帯組織の意義や可能性を現在の視点から捉え直しながら、携帯電話やインターネットなどネットワーク社会の諸問題に対しての考察を行います。

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パネリスト ※2 村井 純(慶應義塾大学教授)
佐藤 雅彦(東京藝術大学大学院教授)
佐藤 良明(英文学者・翻訳家)
モデレーター ※2 桂 英史(東京藝術大学大学院准教授)

2009年1月25日(日)15:30~16:30

「海外フェスティバル新作/秀作セレクション」
世界の携帯映画の動向を伝える、海外の4つの携帯電話映祭からセレクトした受賞作品やコンペ参加作品で構成した上映プログラムです。

  • Festival Pocket Films/フランス
    日本開催のポケットフィルム・フェスティバルの提携映画祭。パリ市立フォーラム・ド・イマージュが携帯電話会社SFRの協賛のもと2005年から開催する、ヨーロッパ最大の携帯電話映画祭。第5回目は2009年6月12日~14日に開催。
  • Mobifest/カナダ(http://www.mobifest.net/)
    カナダ初の携帯電話映画祭。トロント市にて映画祭開催のほか、携帯映画の配給、制作も行う。これまでに3回開催しており、基本的にはモバイルスクリーンでの視聴用に制作された作品をコレクション。また、アメリカでもMobifest LAを開催している。
  • Corto Fonino Film Festival/イタリア
    イタリア初の携帯映画祭。テルニ市にて開催。携帯電話を撮影機材として使用された4分以内の映画作品のほか、コンペティションでは脚本、写真、ジャーナリズム部門を設けている。これまでに3回開催している。
  • Glazz Mobile Cinema Festival/ロシア
    ロシア初のインディペンデントの携帯電話映画祭。コンペティション部門のほか、2008年度からは「Glazz Mobile Films School」という教育的プログラムも設けている。これまでに2回開催している。

2009年1月25日(日)17:00~19:00

「シンポジウム2 “物語”の条件──映像とコミュニケーション」
映像というコミュニケーションにとって物語とは何か。「語り手」の存在感が全体性をもたらすような表現のあり方を論じながら、映像芸術と現代芸術の先端(エッジ)を展望します。

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パネリスト ※2 黒沢 清(映画監督、東京藝術大学大学院教授)
住友 文彦(キュレーター)
藤幡 正樹(東京藝術大学大学院教授)
モデレーター ※2 桂 英史(東京藝術大学大学院准教授)
  • ※1
    「ポケットフィルム・フェスティバル・in・ジャパン 2007 秀作セレクション」上映作品の画像については次のページをご参照ください。
  • ※2
    シンポジウムのパネリストとモデレーターのプロフィールは次のページをご参照ください。

「ポケットフィルム・フェスティバル・in・ジャパン 2007 秀作コレクション」上映作品(一部)

「小さい日々」 永戸 鉄也 「地球 愛 家族」 林家 たい平
「完璧な視点」 酒井 耕 「LIMITED SPACE」 松山 太一
「moviecollage」 タナカ カツキ 「images, 2004-2007」 堀田 典子

パネリスト、モデレーター・プロフィール

パネリスト プロフィール

シンポジウム1

村井 純(むらい じゅん)/学校法人慶應義塾 常任理事・慶應義塾大学教授(環境情報学部)
1984年国内のインターネットの祖となった日本の大学間ネットワーク「JUNET」を設立。1988年インターネットに関する研究プロジェクト「WIDEプロジェクト」を設立し、今日までその代表として指導にあたる。
内閣官房 高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部(IT戦略本部)有識者本部員、内閣官房 情報セキュリティセンター 情報セキュリティ政策会議 委員、社団法人情報処理学会フェロー、日本学術会議第20期会員、現在は連携会員。その他、各省庁委員会の主査や委員などを多数務め、国際学会などでも活動する。
主な著書に、「インターネット」(岩波新書、1995年)、「インターネットII〜次世代への扉〜」(岩波新書、1998年)、「インターネット『宣言』—急膨張する超モンスターネットワーク インターネットがよくわかる入門書」(講談社、1995年)、「インターネットの不思議、探検隊!」(太郎次郎社エディタス、2003年)など。
佐藤 雅彦(さとう まさひこ)/東京藝術大学大学院教授
プランナー/ディレクターとしてさまざまなヒットCMやテレビ番組のコーナー企画などを手がけ、その後プレイステーション・ソフト「I.Q」、NHK教育テレビ「だんご3兄弟」の作詞・プロデュース、「ピタゴラスイッチ」の監修といった、幅広い表現活動を行う。1999年度より2005年度まで慶應義塾大学教授、2005年より現職。研究テーマは、表現方法と教育方法。最新の研究に脳科学の知見に基づくゲーム性の開発など。
主な著書に、「経済ってそういうことだったのか会議」(竹中平蔵と共著、日本経済新聞社、2000年)、「毎月新聞」(毎日新聞社、2003年)、「任意の点P」(美術出版社、2003年)、「佐藤雅彦」(ギンザグラフィックギャラリー、2005年)など。
2007年、映像研究科桐山孝司と「計算の庭」を森美術館にて発表、2008年、「君の身体を変換してみよ」展(NTT/ICC)を佐藤雅彦研究室+桐山孝司研究室により開催。
佐藤 良明(さとう よしあき)/英文学者・翻訳家
専門はアメリカ文学、ポピュラー音楽文化論、メディア文化論。元東京大学教養学部教授。
現代アメリカの文学・文化・音楽を起点にした研究・評論、執筆、翻訳活動を行う一方、大学の英語の授業改革に取り組んできた。
主な著書に、「ラバーソウルの弾みかた——ビートルズから《時》のサイエンスへ」(岩波書店、1989年)「佐藤君と柴田君」(柴田元幸と共著、白水社、1995年)、「J-POP進化論」(平凡社新書、1999年)、「これが東大の授業ですか。」(研究社、2004年)、「ビートルズとは何だったのか」(みすず書房、2006年)など。
主な訳書に、グレゴリー・ベイトソン「精神と自然」(新思索社、1982年)、同「精神の生態学」(同、1986年)、トマス・ピンチョン「ヴァインランド」(新潮社、1998年)、ジョン・レノン「らりるれレノン」(筑摩書房、2002年)など。
NHK教育テレビ「リトル・チャロ カラダにしみこむ英会話」の講師を務める。

シンポジウム2

黒沢 清(くろさわ きよし)/映画監督、東京藝術大学大学院教授
大学在学中から8ミリ映画を撮り始める。1980年度ぴあフィルム・フェスティバルで入賞し注目される。1983年に映画監督デビュー。その後数々の作品を送り出し、1997年には「CURE」を発表、ロッテルダム国際映画祭で注目を浴びる。1999年の「ニンゲン合格」「大いなる幻影」、2000年の「カリスマ」は、ベルリン、ベネチア、カンヌの世界三大映画祭にそれぞれ出品され高い評価を得る。2003年にも「アカルイミライ」がカンヌ・コンペティション部門に出品されている。2008年「トウキョウソナタ」で第61回カンヌ国際映画祭ある視点部門審査委員(JURY)賞。その他の主な作品に「LOFT ロフト」「叫」(2006年)、などがある。海外でしばしば黒沢清特集が組まれるなど、国際的に最も注目されている作家である。
「映画はおそろしい」(青土社、2001年)、「黒沢清の映画術」(新潮社、2006年)など映画批評、ノベライズの著書も多数。
住友 文彦(すみとも ふみひこ)/キュレーター
金沢21世紀美術館建設準備室学芸員、東京都現代美術館学芸員などを経て、現在「2009 国際的芸術祭映像」展(仮称)のディレクター。これまで手がけたおもな展覧会には、「アート&テクノロジーの過去と未来」展(NTT/ICC、2005年)、「Rapt!:20 contemporary artists from Japan」展(共同企画、主催:国際交流基金、2006年、オーストラリア)、「川俣正〔通路〕」展(東京都現代美術館、2008年)などがある。
また共著に、「身体の贈与」「表象のディスクール6 創造」(東京大学出版会、2000年)、「映像の中へ」「21世紀の出会い−共鳴、ここ・から」(金沢21世紀美術館、淡交社、2004年)、「複雑で便利な時代と見えなくなるアート」「21世紀における芸術の役割」(未来社、2006年)などがある。
美術館以外の活動も、NPO法人アーツイニシアティヴトウキョウ(AIT)で副理事を務める。

モデレーター プロフィール

藤幡 正樹(ふじはた まさき)/東京藝術大学大学院教授
アーティスト。東京藝術大学大学院映像研究科長。
1980年代はコンピュータ・グラフィックスのパイオニアとしてSigGraphなどでアニメーション作品を発表。1989年から慶應義塾大学環境情報学部で教鞭を執る傍ら、コンピュータや先端技術を用いた数々の作品やプロジェクトを展開する。1996年には、ネットワークで結ばれた仮想の部屋がテーマの「Global Interior Project 2」でアルスエレクトロニカのインタラクティブ・アート部門、ゴールデン・ニカ賞を受賞。1997年には「Beyond Pages」がドイツZKMの常設コレクションとなる。最近の作品は、「ルスカの部屋」、「モレルのパノラマ」、「Off-sense」などをはじめ、1990年代よりGPSを用いたプロジェクト「Field-Works」シリーズを展開している。
主な著作として、「巻き戻された未来」(ジャストシステム、1995年)、「コンピュータ・グラフィックスの軌跡」(ジャストシステム、1998年)、「アートとコンピュータ」(慶應義塾大学出版会、1999年)など。
桂 英史(かつら えいし)/東京藝術大学大学院准教授
専門はコミュニケーション論/メディア論。データベースやアーカイヴの構築を実践しながら、近代以降の社会思想とメディアテクノロジーが知のあり方に与えた影響を考察している。近年にあっては、コミュニティにおける財と権力の再配分をテーマとして、国内外で、「せんだいメディアテーク」、「芸術表現活動のマルチメディア・アーカイブ化とアーカイヴ構築支援・提供システムに関する研究」、「Sound Community Project」といった数々の新しい公共文化プロジェクトや施設のプランニングやディレクションに携わっている。
主な著書に、「インタラクティヴ・マインド」(岩波書店、1995年)、「メディア論的思考」(青弓社、1996年)、「東京ディズニーランドの神話学」(青弓社、1999年)、「人間交際術」(平凡社、2001年)など。
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