プレスリリース 2012年

当社によるスプリントの戦略的買収(子会社化)について

2012年10月15日
ソフトバンク株式会社

当社と米国のスプリント・ネクステル・コーポレーション(以下「スプリント」)は、本日、当社がスプリントの事業に対して約201億米ドル(約1兆5,709億円※1)の投資を行うこと(以下「本取引」)について、最終的な合意に至りましたのでお知らせいたします。投資総額のうち約121億米ドル(約9,469億円※1)はスプリントの株主に支払われ、80億米ドル(約6,240億円※1)は同社の財務体質の強化等に投じられます。
当社とスプリント両社の取締役会で決議された本取引は、スプリント株主による株主総会における承認、競争法上の承認、連邦通信委員会(Federal Communications Commission)による承認その他監督官庁の通常の承認、及び表明・保証違反がない等その他の前提条件の充足(又は放棄)が条件となります。
両社は、2013年半ばに本取引が最終的に完了すると見込んでいます。本取引の結果、当社はスプリントの完全親会社となる新スプリント(以下に定義します)の株式の約70%(完全希薄化ベース(ただし、ストックオプションのうち行使価格が下記2.(2)に記載する合併対価である1株7.30米ドルを上回るものについては行使されないことを前提とする。以下同じ))を保有することになり、同社を子会社化する予定です。

[注]
  • ※11米ドル=78円で換算した試算値。

1. 本取引の意義

  • 本取引により、当社グループは、世界最大級の「モバイルインターネットカンパニー」としての事業基盤を確立することができます。両社を合計した顧客基盤は日米市場で最大級※2に、移動体通信事業の売上高は世界第3位※3になります。
  • 当社グループのスマートフォン及び次世代モバイルネットワークに関する知見や既存の大手が存在する成熟した市場において競合してきた経験を、米国市場におけるスプリントの競争力強化に活用することが可能になります。
  • スプリントは、モバイルネットワークの強化、戦略的投資の実行、バランスシートの改善などに投じ、今後の成長のための経営基盤の強化を進めていくための資金として80億米ドルを調達することができます。
[注]
  • ※2Wireless Intelligence、TCAのデータ及び各社開示資料に基づく。米国は2012年6月末、日本は2012年9月末(イー・アクセス株式会社のデータは2012年8月末)。
  • ※3チャイナモバイルやベライゾン・ワイヤレスなど世界の大手通信事業者の開示データ(2012年1~6月期)に基づく。

2. 本取引の方法

(1)子会社設立等

  • 当社は新たに米国子会社Starburst I, Inc.(以下「米国持株会社」)を設立するとともに、米国持株会社の子会社としてStarburst II, Inc.(以下「新スプリント」)を、新スプリントの子会社としてStarburst III, Inc.(以下「合併子会社」)をそれぞれ米国内に設立いたしました。
  • 当社は、本取引発表後速やかに、新スプリントを通じて、新規に発行されるスプリントの転換社債(以下「本社債」)を31億米ドルで引き受けます。本社債の利率は1.0%、償還期間は7年となります。本社債は、下記(2)に記載する合併の効力発生前に本取引にかかる合併契約が終了した場合には、米国監督官庁の承認を条件として、1株当たり5.25米ドルでスプリントの普通株式(転換後のスプリントの普通株式の16.4%(発行済株式数から自己株式数及び消却済株式数を控除したものに対する割合。ただし、一般的な調整条項に服する。上図において同じ))に転換することができ、下記(2)に記載する合併が実行された場合には同一の転換価額でスプリントの普通株式に転換されます。

(2)合併

  • スプリントの株主総会決議及び米国監督官庁の承認を受け、その他の前提条件が充足(又は放棄)された後に、当社は、米国持株会社を通じて新スプリントに対して、約170億米ドルを追加出資するとともに、合併子会社を消滅会社、スプリントを存続会社とする合併を実施し、約121億米ドルがかかる合併の対価としてスプリントの既存株主に支払われます。かかる合併の結果、以下のとおりとなります。
    • スプリントは、新スプリントの完全子会社となります。
    • スプリントの既存株主は、全体として合併対価として、約121億米ドルの現金及び新スプリント株式の約30%(完全希薄化ベース)を受け取ることになります。
    • スプリントの既存株主はスプリントの株式1株当たり、7.30米ドルの現金又は新スプリントの株式1株のいずれかを受け取る権利を有することになります。ただし、対価として選択された現金の合計額又は新スプリント株式の合計が上記の総枠を超過した場合には、スプリントの既存株主間であん分比例の方式により調整されます(この場合、スプリントの各株主は、対価として現金と新スプリントの株式の組合せを受け取ることとなります)。
    • スプリントのストックオプションの保有者は新スプリントのストックオプションを受け取ることになります。
    • 本社債は、スプリント株式に転換され、かかる株式の価値は、当社の追加投資とともに、合併後に米国持株会社が保有する新スプリント株式約70%(完全希薄化ベース)に反映されることとなります。
    • 新スプリントは、米国持株会社に対して、無償にて、5年間、新スプリントの株式約55百万株を1株当たり5.25米ドルで取得する権利(以下「本ワラント」)を割り当てます。
    • 新スプリントはニューヨーク証券取引所に上場し(スプリントを承継する予定)、米国における上場会社となります。
  • 本取引のその他の主要な条件には以下のものが含まれます。
    • 当社が資金調達できないことにより合併が完了しなかった場合、当社はスプリントに対して、違約金として6億米ドル支払わなくてはなりません。
    • スプリントがより好条件の他社提案を採用したことにより合併が完了しなかった場合、スプリントは当社に対して、違約金として6億米ドル支払わなくてはなりません。
    • スプリントの株主総会において本取引が承認されなかった場合、スプリントは当社に対して、当社が負担した費用を75,000,000米ドルを上限として負担しなければなりません。

(3)本取引完了後(完全希薄化ベース)

  • 本取引の完了後は以下のとおりとなります。
    • 当社は米国持株会社を通じて新スプリントの株式の約70%(完全希薄化ベース)を保有し、スプリントの既存株主は新スプリントの株式の約30%(完全希薄化ベース)を保有することになります。
    • 新スプリントは、当社による約170億米ドルの追加出資のうち、49億米ドルを手元に残すこととなり、本社債の発行代わり金である31億米ドルとあわせて80億米ドルが新スプリントの財務体質の強化等に貢献することとなります。
    • 新スプリントのCEOには現在のスプリントのCEOであるダン・ヘッセが就任します。
    • 新スプリントの取締役会は10名の取締役で構成され、うち3名は現在のスプリントの取締役の中から選任され、さらに1名は現在のスプリントのCEOが選任されます。
    • スプリントの本社はカンザス州オーバーランドパークから変更ありません。

3. 本取引の主なスケジュール

取締役会決議(当社) 2012年10月15日
本取引の完了 2013年半ば(予定)

本取引の具体的な日程につきましては、決定次第速やかにお知らせいたします。

4. 資金調達

本取引のための資金は、当社が保有する手元資金、及び株式会社みずほコーポレート銀行、株式会社三井住友銀行、株式会社三菱東京UFJ銀行、ドイツ銀行東京支店がアレンジし、引受を合意した新規のブリッジローンにより充当する予定です。

5. 社長コメント

当社代表取締役社長の孫 正義は以下のように述べています。「今回の取引は、ソフトバンクがスマートフォンやLTE等の次世代高速ネットワークの知見を活用して、世界最大の市場である米国でモバイルインターネット革命を展開できる素晴らしい機会だと考えています。日本ですでに実証済みのとおり、ソフトバンクは既存事業者が大きな力を有していた市場に参入し、差別化された商品や革新的なサービスを投入することで、買収したモバイル事業の業績のV字回復及び飛躍的成長を実現させてきました。こうした革新の実績をスプリントの強力なブランド及び現地のリーダーシップと組み合わせることで、米国モバイル市場の競争を活性化させる前向きな一歩を踏み出すことができると確信しています。」

スプリントCEOのダン・ヘッセは以下のように述べています。「今回の取引はスプリントに改革をもたらすものであり、株主の皆様にとって直ちに価値を生み出すだけではなく、将来に向けて、より強力で財務的に強固となるスプリントのこれからの成長に参加いただくことができると考えています。今後、ソフトバンクとともに、日本におけるソフトバンクのLTE展開の成功例を学んで当社の高度化されたLTEネットワークを構築できること、カスタマーエクスペリエンスを改善できること、事業の回復を継続できることを大変喜ばしく思っています。」

6. アドバイザー

当社の主たる財務アドバイザーはThe Raine Group LLC及びみずほ証券株式会社であり、今次資金調達にかかるMLA(マンデーテッド・リード・アレンジャー)は株式会社みずほコーポレート銀行、株式会社三井住友銀行、株式会社三菱東京UFJ銀行及びドイツ銀行東京支店となります。また本取引にかかる当社の法律顧問はMorrison & Foerster LLP、森・濱田松本法律事務所及びDow Lohnes PLLCです。ドイツ銀行グループも本取引に関連して、当社に財務アドバイスを提供しました。

7. スプリントの概要

(1)名称 Sprint Nextel Corporation
(2)所在地 6200 Sprint Parkway, Overland Park, Kansas
(3)代表者の役職・氏名 Chief Executive Officer and President
Daniel R. Hesse
(4)事業内容 通信事業
(5)資本金 46,716百万米ドル
(6)設立年月日 1938年11月15日
(7)大株主及び持株比率 Capital Research Global Investors (U.S.) 11.6%
Dodge & Cox 10.3%
Ontario Teachers Pension Plan Board 4.4%
(8)上場会社と当該会社との間の関係 資本関係 なし
人的関係 なし
取引関係 当社の連結子会社であるソフトバンクモバイル株式会社、ならびにソフトバンクテレコム株式会社はスプリントと提携し国際音声ローミングサービスを提供しております。
(9)当該会社の最近3年間の連結経営成績及び連結財政状態
(単位:百万米ドル(1株当たり純資産、1株当たり当期純利益及び1株当たり配当金を除く。))
決算期 2009年12月期 2010年12月期 2011年12月期
売上高 32,260 32,563 33,679
営業利益 △1,398 △595 108
当期純利益 △2,436 △3,465 △2,890
純資産 18,095 14,546 11,427
総資産 55,424 51,654 49,383
1株当たり純資産(米ドル) 6.27 4.87 3.82
1株当たり当期純利益(米ドル) △0.84 △1.16 △0.96
1株当たり配当金(米ドル)

8. 取得株式数、取得価額及び取得前後の所有株式の状況

(1)異動前の所有株式数 0株
(議決権の数:0個)
(議決権所有割合:0.0%)
(2)取得株式数 3,241,403,146株
(3)取得価額 投資総額:約201億米ドル
アドバイザリー費用等:未定
(4)異動後の所有株式数 3,241,403,146株
(議決権の数:3,241,403,146個)
(議決権所有割合:70.0%)

アドバイザリー費用等(概算)につきましては、判明次第速やかにお知らせいたします。

[注]
  • 本日現在のスプリントの完全希薄化ベースの株式数に本ワラントの行使にかかる取得分を含めた株式数を基準としております。

9. 今後の見通し

本取引による業績等への影響や本取引の具体的な日程につきましては、分かり次第お知らせいたします。

(参考)当社の当期業績予想及び前期実績(連結)

(百万円)
売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
当期業績予想(2013年3月期)
前期実績(2012年3月期) 3,202,435 675,283 573,651 313,752

当社グループは、2013年3月期も引き続き、移動体通信事業におけるネットワークの増強と顧客の獲得に主眼を置いて取り組んでいきます。これに伴い費用が増加するものの、順調に顧客が増加し続けていることから、売上高と営業利益は2012年3月期を上回り、営業利益は7,000億円を確実に上回ると見込んでいます。

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