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顧客満足度アップと大幅なコスト削減を同時に実現した、独自のマネジメントシステムを構築 コンタクトセンター・アワードで金賞を受賞!

2007年7月10日、ソフトバンクグループのブロードバンド・インフラ事業を担うソフトバンクBB株式会社は、コールセンターの業務改善の取り組みを表彰する「コンタクトセンター・アワード※12007」において、「マルチサイト運営部門」の部門賞、および同アワードの最高賞である金賞を受賞しました。それまで首都圏に集中していたコールセンターを、約1年という短期間で全国に分散したソフトバンクBBでは、複数のコールセンターを一元的に管理するため、独自のマネジメントシステムを構築。今回の受賞では、このマネジメントシステム導入により、効率的なセンター運用を行いながら対応品質を飛躍的に向上させたことが高く評価されました。

マネジメントシステム構築の背景

ソフトバンクBBでは、ブロードバンド総合サービス「Yahoo! BB」のコールセンターを、首都圏集中による天災からのリスク分散とコスト削減を目的として、2006年から2007年までの間に大規模な地方展開を実施しました。以前、コールセンターは新宿・福岡2拠点で運営していましたが、福岡に増設、八幡・沖縄・熊本に新設し、合計で4拠点・19ものコールセンターを新設しました。これによって、当初の目的は達成できましたが、その一方で、新設したセンターでは各拠点独自の手法で運用を行っていたため、対応品質にばらつきが出てしまう問題が発生しました。

問い合わせ対応の品質を統一・向上させ、円滑なコールセンター運営を行い、そして顧客満足度を向上させるためには、全センターの一元管理を行うマネジメントシステムの構築が不可欠と判断。これにより、共通システムの構築・導入に向けた社内プロジェクトが発足しました。

150の評価項目から成るマネジメントシステムの構築

このプロジェクトで導入したのが、コールセンター業務の国際的な品質保証規格である「COPC-2000R規格」をベースに、独自の評価項目を盛り込んだ、「CCMS(Customer Center Management System)」という新しいシステムです。このシステムでは「COPC-2000R規格」の評価項目に加え、ゴールド・シルバー・ブロンズという3つの認証レベルを設置しています。半年ごとに各項目に対する監査を実施することで継続的に品質を管理すると同時に、レベル向上に向けた取り組みを行うことができます。ソフトバンクBBでは、このマネジメントシステムを構築し、すべてのコールセンターに導入しました。以下にその150項目のうちの代表的な3つをご紹介します。

(左)情報システム・CS統括 カスタマーサービス本部
本部長 彦坂 昌彦
(右)情報システム・CS統括 サポート品質管理部
部長 野村 裕美

まずは、パフォーマンスの管理です。
パフォーマンス管理では、各センターの受電率やお問い合わせ1件に要する対応時間などに関しての指標・目標値を定め、それらを日次・月次で集計するためのフォーマットを統一。そして、テレビ電話会議等による報告会を全コールセンターと実施し、パフォーマンス結果・目標値未達成理由・改善活動の内容などを徹底的に議論しました。これを毎週実施することで、改善活動を継続的に向上させることが可能になりました。

次に研修カリキュラムの見直しを行い、それまでセンターごとに異なっていた研修内容をすべて統一しました。必要な基礎知識や対応ノウハウ、お客様と円滑にお話しするためのコミュニケーション能力、お客様対応に欠かないサービスマインド、必要な情報を迅速に検索するパソコンの操作スキルを教育。また、これらを総合的に習得するためのロールプレイングに以前の3〜4倍の時間をかけ、オペレーター教育を徹底させました。また、研修カリキュラム内に到達度を測るチェック項目を設定し、合格基準をクリアしないと次のステップへ進めない仕組みを導入するなど、お客様に安心してお電話していただけるオペレーターの教育体制を構築しました。

そして最後に、顧客満足度アンケートの分析方法を整備。顧客満足度アンケートとは、電話・メールでお問い合わせいただいたすべてのお客様を対象に実施する満足度調査です。拠点を新設後、アンケート結果の分析スピードが落ち、せっかくいただいたお客様のご意見が無駄になってしまうとの問題意識から、各コールセンターで一日に1,000件〜1500件にも達するアンケート結果を、すべてその日のうちにチェックするよう再徹底しました。これにより、お客様から寄せられたご意見をオペレーター・当社サービスへ迅速にフィードバックし、必要な業務改善が日々行なわれるようになりました。

すべてのお客様に満足していただくために

このマネジメントシステムを構築し、すべてのコールセンターでオペレーションを共通化した結果、約50%という大幅なコスト削減にも寄与することができました。同時に、顧客満足度調査でもお客様から高い評価が得られるという、大きな成果をあげることができました。

今回、中心となって取り組んだカスタマーサービス本部 本部長 彦坂とサポート品質管理部 部長野村。金賞受賞という成果を喜ぶと同時に、「しっかりとしたマネジメントシステムを構築できたことで、更なる顧客満足度を高める土台ができました」と改善への意欲が尽きることはありません。

ソフトバンクBBでは、今回の栄えある受賞を励みとし、今後も継続的にサービスの品質・効率を高め、顧客満足度のさらなる向上に努めてまいります。
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     株式会社リックテレコムが主催する、国内唯一のコンタクトセンター運営企業向け運営管理能力表彰制度。コールセンターを運営する各企業が申請した業務改善の取り組みを、参加企業同士で相互に評価し合うもので、2004年から毎年実施されています。

(掲載日:2007年8月17日)