プロジェクトPickUp 2008年

コンテンツとシステムの融合でより満足度の高いサービスを動画コンテンツポータル「Yahoo!動画」

TVバンク株式会社

Yahoo! JAPANが提供する動画コンテンツポータル「Yahoo!動画」が、2008年2月1日にリニューアル。視聴プレーヤーや画面レイアウトの改善により利便性を高め、よりお客様にご満足いただけるサービスを提供するための取り組みです。この「Yahoo!動画」のコンテンツ調達や配信システムなどを担うのが、ソフトバンクとYahoo! JAPANの合弁会社であるTVバンク株式会社です。

動画へのシフトという潮流


「Yahoo!動画」の企画全般を担当する、TVバンク株式会社 サービス企画統括部 企画部
山根 陽一(やまね よういち)

「Yahoo!動画」は、2003年にYahoo!プレミアム会員向けのサービスとしてスタートし、2005年12月からは一般のインターネットユーザの方にもご利用いただけるようになりました。これに併せて、コンテンツ調達と配信システムの両面を強化するため、TVバンクを設立し、事業を開始。以後、さまざまなジャンルのコンテンツを無料で提供するとともに、ユーザレビュー(採点)やレコメンド(お勧め)などの機能を充実させ、現在では月間1,200万人*1ものお客様にご利用いただいています。

「テキストや画像で表現できる範囲には限りがあるため、インターネットが進化していく過程でより多くの情報を表現できる動画にシフトしていくことは、お客様の満足度向上を考えれば当然の流れです。ソフトバンクグループで提供するサービスの根底にはいずれも、『お客様により満足いただけるものを提供する』という思想があり、個別の企画や機能一つひとつについても同じ気持ちで取り組んでいます」(山根)。

2008年2月1日にリニューアルされた動画視聴プレーヤーもその一つで、動画を映し出すメインスクリーンの横に、さまざまな情報を効率的に表示することができます。これは、例えばプロ野球を中継する際に、試合の模様に加えて選手の紹介、対戦成績、チケットの購入、チャリティオークションなどの機能も提供することを目指した、付加価値的なインターフェイスであり、「事業者の視点ではなく、お客様の視点で考えることが一番大事」という山根の思いから開発されました。

速報性が求められるスポーツコンテンツ


スポーツコンテンツの調達を担当する、TVバンク株式会社 サービス推進統括部 編成調達部
長尾 明彦(ながお あきひこ)

多様なジャンルのコンテンツを提供する「Yahoo!動画」の中でも、メジャーリーグベースボール、プロ野球、欧州サッカーといったスポーツコンテンツは常に多くのお客様を引き付けています。他のジャンルのコンテンツとの違いは、「結果はどうなったのか」という視聴者の希望に応えるため、できるだけ早く配信する必要があること。常に時間との競争になりますが、長尾は「他のメディアに先駆けて配信した際は、視聴者の反響が大きい」とそのやりがいの大きさを語ります。

また「Yahoo!動画」はプロ野球のコンテンツが充実しており、2007年シーズンではパ・リーグ4球団の主催試合をライブ中継し、翌朝にはダイジェストをVOD(ビデオ・オン・デマンド)で配信しました。「Yahoo!動画」のライブ中継の視聴者数は常時1万人前後、多いときで4万人以上ものアクセスがあります。「試合開始までに帰宅できないファン、あるいはテレビ放映のない地域のファンがインターネットで視聴しているのでは」(長尾)と分析し、潜在的なニーズはまだまだ高いと今後の展開をにらんでいます。

2008年シーズンに関しては、ソフトバンクグループのG.T.エンターテインメント株式会社がパ・リーグ全球団からインターネット配信権を取得したことにより、「Yahoo!動画」において全試合のライブ中継、ダイジェスト配信が行われる予定です。TVバンクでは、単に配信するだけに留まらず、「既存ファンに満足してもらいながらも新規ファンを掘り起こし、パ・リーグ人気の向上に貢献する」(長尾)との意気込みで、チームの枠を越えたプロモーションや配信に取り組んでいます。

数万人の同時視聴を実現する動画配信システム


配信システムのプロダクト開発を担当する、TVバンク株式会社 システム統括部 プロダクト企画部
村上 邦晴(むらかみ くにはる)

プロ野球のライブ中継を技術面で支えるのが、多人数同時動画配信システム「BBブロードキャスト」です。TVバンクが同じソフトバンクグループのRoxbeam Media Network Corporationと共同で開発しました。

インターネット上の動画配信では、視聴者数と画質に比例して配信コストが上昇するため、多くの視聴者が同じタイムテーブルで高画質のコンテンツを観るというような、テレビ的なサービスは不向きとされています。「BBブロードキャスト」は事業者から配信された動画データを視聴者のパソコン間でやり取りしてもらう、P2P(ピア・トゥー・ピア)という仕組みで、この配信コストの問題を解決しました。事業者から各視聴者のパソコンへ動画データを直接送るという従来の配信方法に対して、事業者が配信するデータ量を大幅に抑制できるので、ネットワークへ大きな負荷を与えることなく高画質のコンテンツを数万人が同時視聴することも可能になります。また、昨今問題視されているインターネット上のトラフィック総量の急増を緩和し、インターネットという社会基盤の維持・発展にも貢献できるシステムといえます。

同システムを使ったプロ野球のライブ中継では、同時に約49,000人、1試合で12万人以上の視聴者がアクセスしたこともあります。「現地の球場が満員御礼となっているゲームを、実はインターネットの先でそれ以上の視聴者が同時に観戦していたという、驚異的な場合もありました」と、村上は大きな手応えを感じています。

「インターネットのメリットは、一人ひとりのユーザが好きな時間で自由にサービスを利用できることだと考えられていますが、最近の新しいコンテンツ・サービスでは、同じ時間を他人と共有する面白さを活かすものが増えており、まさに『BBブロードキャスト』が提供する内容と合致し始めています。今後もさまざまな機能を開発することで、お客様にとって身近なシステムにしていきたいと思います」(村上)。

動画配信のニーズを新しく掘り起こす

「Yahoo!動画」の月間利用者数は大きく伸びているものの、それでもYahoo! JAPAN全体のアクセスと比較すれば、その5分の1程度に留まっています。Yahoo! JAPANのユーザ全体に「Yahoo!動画」を利用してもらうことが、TVバンクの大きな目標となっています。また2007年5月、ソフトバンク携帯電話向けに動画コンテンツサービス「Yahoo!動画(ベータ版)」の提供を開始し、パソコンに続く新たなビジネス領域の開拓に踏み出しました。TVバンクでは、パソコンと携帯電話向けの動画配信サービスを着実に成長させるとともに、さらに新しいニーズを創出し、お客様が望むときに、いつでもどこでも動画コンテンツを楽しむことができる環境を築こうとしています。TVバンクの今後にご期待ください。

(掲載日:2008年2月29日)

[注]
  • *1月間利用者数(ユニークブラウザ数)
  • *内容は掲載当時の情報です。記載されている会社名、サービス名、肩書などは現在と異なる場合があります。