プロジェクトPickUp 2010年

物流界に新風を吹き込む画期的サービス「メルアド宅配便」

ソフトバンク・フレームワークス株式会社
営業統括 新規事業推進室 室長 和田 悟(わだ さとる)

ソフトバンク・フレームワークス株式会社は、ソフトバンク創業ビジネスであるパソコンソフト流通事業のロジスティクス(物流)に端を発する会社です。パソコンソフトの物流からスタートし、その後は周辺機器やハードなど取り扱い品目を広げ、Yahoo! BB事業展開では、モデムの保管・配送/回収も担当しました。

現在はこれらを継承したIT商材の物流にとどまらず、グループ外企業からも直接物流の業務委託を受けるなど、事業領域を拡大させています。そのソフトバンク・フレームワークスから、「メルアド宅配便」という個人から企業まで、幅広くご利用いただける新たな物流サービスが誕生しました。そこで今回は、本サービスを担当するソフトバンク・フレームワークス 営業統括 新規事業推進室 室長の和田 悟にインタビューします。

“インターネットカンパニー”としてのソフトバンク・フレームワークス

ソフトバンク・フレームワークスは、パソコンソフト流通事業の物流から始まった企業で、後にブロードバンドビジネスの物流支援を行ってきました。1990年にソフトバンク株式会社から分離し、「ソフトバンク物流株式会社」となり、1998年に現在の社名になっています。ソフトバンク物流の設立から、2010年で創立20年を迎えています。

この節目の年を目前にした昨年、「ソフトバンク・フレームワークスはインターネットカンパニーである」ことを打ち出し、No.1のインターネットビジネスの物流支援カンパニーを目指すということを、明確に掲げました。そのポイントはイーコマース(EC)事業者向けに、物流支援やロジスティクス支援をする機能を提供すること、そしてもうひとつは、同社自身がさらにインターネットを活用したロジスティクス関連のビジネスを開発し、サービスを提供すること、です。

「インターネットの活用という面では、昨今喧伝されているクラウドコンピューティング、当社もそれに乗り遅れることなく『クラウドロジスティクス』を目指しています」と語る和田は、「クラウドロジスティクス」の考え方を次のように説明します。「これは外部向けのお客様のロジスティクスを請け負う場合に、必要なときに必要な分だけのロジスティクスを提供するという考え方です。そのためのシステムを当社の方で作りこんでおき、お客様には必要になったらすぐに使ってもらえる。これがクラウドコンピューティングのコンセプトに合致すると考えています」。
そして、こうした観点に基づいて開発されたサービスが、今回ご紹介する「メルアド宅配便」です。

メールアドレスだけで荷物を届けられる「メルアド宅配便」とは?

「メルアド宅配便」は、相手先のメールアドレスさえ知っていれば、荷物を送ることができるというもので、昨年12月にサービスがスタートしました。まずはおおよその仕組みを、和田に解説してもらいます。

「まず品物を送りたいと思っている人(送り主)に、当社が運営するサービスサイトにアクセスしていただき、所定の申し込み手続きをしていただきます。このとき、送り先様の情報として、メールアドレスだけを取得します。次に当社から送り先様に対し、『こういう方より、この品を送りたいというリクエストをいただいています。お受け取りになりますか?』という趣旨のメールを、当社のサーバから自動送信いたします。送り先様が『受け取る』ということでしたら、メールに記載されているURLから当社のサービスサイトにアクセスいただき、ここで『承諾』ボタンを押した上で、受け取りに必要な住所や氏名などの必要な情報を入力いただきます。送り主様も送り先様の情報も、当社のサーバ上で管理しますので、お互いの情報は分からない状態で手続きは完了します。この後は運送業者との連携で荷受と配達を行いますが、このときも送り主様からピックアップした荷物をいったん私どもの倉庫に入れ、そこから送り先の配達票を貼って出荷しますので、互いの情報は相手方に一切漏れないように配慮されています。つまり荷物の送り主としては、相手先にメールアドレスだけ知っていれば非常に簡単に送ることが可能になり、かつ互いの個人情報もきっちり保全されるというメリットがあります」(和田)

「利用シーンは特に限定していません」ということで、CtoCにおいてもBtoCでも、いろいろな利用形態が考えられます。まずCtoCの場合では、例えばSNSやブログ、メル友(メール交換をするだけの関係)などの場合、「お互いに名前はうろ覚え。住所も正確なことは分からない。でも今さら住所を教えあいたくない」という、インターネットならではのケースが想定されます。しかしこうした関係性においても、「何か物を送る必要がある」ということがしばしば発生することがあります。このような場合に「メルアド宅配便」が間に入り、互いの個人情報を保全したやりとりが簡単にできることは、非常に大きな利点となります。このような「互いの情報をあまり知らせたくない」ということは、インターネットオークションでも当てはまりますので、BtoCでも威力を発揮します。
「先ほど『クラウド』という話をしましたが、企業のお客様がこのサービスを利用する場合、普段は定量の取引だったものが、例えばキャンペーンなどで極端に取り扱い量が増える場合などがあると思います。そのようなときに、使いたいときに使いたいだけ、私どものサービスを活用していただければと思います。私どもはソフトバンクグループの一員ですので、“一律***円、初期費用ゼロ”という、シンプルで分かりやすいサービスを心がけています。その上で特別なご要望があれば、付加価値分に応じてお見積もりさせていただきます。特になかなか運送のスキームを組むことが難しいような小規模な企業の皆様に、ご利用していただければと思います」(和田)

このように「メルアド宅配便」にはさまざまな利用シーンが考えられます。現在サービスは、5kg以内以内の荷物で、全国一律990円(税別)で行っています。全国一律のため、例えば沖縄であっても定額となっています。7月からは、上記の基本サービスに加え、「Twitter ID」だけでも荷物を送ることができるサービスと、受取人でも支払いができる機能を追加し、より幅広い利用シーンに対応するようにサービスを拡張しています。そのため、個人での利用はもちろんのこと、EC事業者やSNS運営事業者、オークション運営会社などの企業による活用が続々と始まっています。

情報セキュリティの品質にも注力

ソフトバンク・フレームワークスでは、物流業務に伴う個人情報の取り扱いが非常に多い会社です。そのため、情報セキュリティには、非常に力をいれています。プライバシーマーク、ISMS、BS7799をはじめとする第三者認証の取得を積極的に行い、並行してISO9001を認証取得するなど、より高いお客様の信頼を得るための活動を日々推進しています。

「数年前にプライバシーマークの取得を目指した際に、自ら厳しい条件でシステムなどを構築しました。さらに強固なセキュリティ環境の実現を目指し、ISMSの取得も同時に目指すことにしました。振り返れば、同時取得というのは冒険的なプランではあったのですが、無事に取得することができました。最初の構築の段階から高い設定で行いましたので、社員の情報セキュリティに対する意識も、非常に高いものがあります。この分野に対する社員教育も、e-Learningを活用しながら積極的に行っています。特に今回スタートした『メルアド宅配便』は、個人情報のかたまりのようなサービスですから、なおさら情報セキュリティに対する高い意識は必要不可欠だと考えています」(和田)

ソフトバンク・フレームワークスでは、今後も「メルアド宅配便」にさらに便利な機能やサービスを追加し、お客様がより利用しやすい物流サービスを提供していく方針です。また、「メルアド宅配便」に続く新たなサービスの開発も視野に、これまで培ってきた物流に関するノウハウとITテクノロジーを融合させながら、ソフトバンクグループが掲げる「情報革命で人々を幸せに」の実現に、志を持って、確実な貢献をしてまいります。

インターネット・ロジスティクス・カンパニーであるソフトバンク・フレームワークスの今後の展開に、どうぞご期待ください。

(掲載日:2010年8月5日)

[注]
  • *内容は掲載当時の情報です。記載されている会社名、サービス名、肩書などは現在と異なる場合があります。