ソフトバンクNOW 2002年

Yahoo! BB 12M+無線LANパックは、
“ユーザー本位”の姿勢が貫かれている

初期設定があまりにあっけなくて、物足りなささえ覚えた。
Yahoo! BBの「Yahoo! BB 12M+無線LANパック」には難しいところはまったくない。ADSL、無線LAN、IP電話といった最新の通信サービスが、コードレス電話機を買ってきて繋ぐくらいの感覚で導入できる。
「Yahoo! BB 12M+無線LANパック」を試して、Yahoo! BBが短期間で100万人もの利用者を集めた"魅力"の一端がわかった。

Yahoo! BB 12M+無線LANパック用の「トリオモデム」の箱をあけて、インターネットが使えるまでにかかった時間はたったの10分。その間に筆者がやったのは、1) マニュアルを読みながら電話線をつなぐ、2) 無線LANカードをモデムに差し込む、3) トリオモデムのスイッチを入れる、の3つだけだ。

筆者宅には、IBM製とSONY製のノートパソコンがあり、どちらも無線LAN機能とマイクロソフト製の最新OS「Windows XP」を搭載している。この組み合わせだと、トリオモデムの無線LAN基地局を自動的に見つけてくれるから、特に何もしなくてもワイヤレスでインターネットに繋がった。

ただし、出荷時のトリオモデムは無線LANのセキュリティ設定を自分で行わなければならない。セキュリティ設定はパソコンとトリオモデムをLANケーブルで繋いで、モデム内の設定用ホームページを呼び出して行う。トリオモデムにおける無線LANの設定は、他社の無線LAN機器と比べればシンプルでマニュアルもわかりやすい。

よく練られたトリオモデムの仕様 Yahoo! BBモバイルは今後に期待

初期設定が終わったところで、トリオモデムの機能をつぶさに見てみる。すると、このモデムの仕様が、「一般ユーザー」を強く意識して作られている事がわかった。

まず、設定できる項目がとにかく少ない。無線LANのセキュリティを除いては、ユーザーがいじれる部分はほとんどなく、まさに「繋いで終わりのブラックボックス」である。

またトリオモデムは、無線LANでは何台ものパソコンを同時に繋げる「ルーター機能」を持っているが、有線LANでは同時に1台しか繋げない。これも家庭用コードレス電話機の子機が、すべてワイヤレスだという事を考えれば、まっとうな選択だと納得できる。トリオモデム、そしてYahoo! BBのサービスそのものが、誰もが簡単に使えるという「家電感覚」で作られているのだ。

一方、Yahoo! BB 12M+無線LANパックは、無線LANを使ったモバイル通信サービス「Yahoo! BBモバイル」もセットになっている。既にマクドナルドやスターバックス、ルノアールなど全国187拠点で使えるようになっている。筆者も取材の合間に使ってみたが、携帯電話やPHSよりもスピードが圧倒的に速く、定額制なので使い勝手はすこぶるよかった。今後は多くのフランチャイズチェーンと提携するだけでなく、提携したチェーン店はすべてBBモバイルを使えるようにしてほしい。そうするとBBモバイルが使える場所が探しやすくなり、ユーザーの使いやすさは今以上に増すはずだ。

Yahoo! BBは文句なしにユーザ重視のキャリア

筆者は通信業界を専門に取材・執筆活動をしているので、Yahoo! BBに対する厳しい批判をよく耳にする。だが、Yahoo! BB 12M+無線LANパックを試し、BBフォンやYahoo! BBモバイルを使い込むほどに、今の通信業界内でYahoo! BBが最もユーザー重視のキャリアであると確信した。

基本サービスだけではない。例えば、最近始まった「Yahoo! BB無料体験キャンペーン」では、開通後2ヶ月以内にYahoo! BBが気に入らなかったら無料で解約できる。ADSLはその仕様上、どうしてもユーザー宅の環境によって提供品質が異なるので、このようなサービスは不可欠なはずだ。それなのに責任ある大手であるNTT東西をはじめ、Yahoo! BB以外のADSL事業者はどこも同様のキャンペーンを始めない。BBフォンのようなIP電話やINS乗り換えコースなども、ユーザーメリットは明確なのにYahoo! BB以外のADSL事業者は及び腰だ。ある大手通信会社の幹部は、これらYahoo! BBのサービスを、「単なるパフォーマンスだ」と一蹴したが、仮にパフォーマンスだとしても、ユーザーメリットが明確なサービスを他社に先駆けて始めるのは意義があると思う。

Yahoo! BBがユーザーの期待に背いてしまったのは、昨年のサービス開始当初、サポート体制の不備で生じた一連のトラブルだけだ。しかし、その批判は十分に受けて、きちんと反省し、ずいぶんとサポート体制は改善された。

Yahoo! BBはサービス開始当初の出来事を忘れてはならない。しかし、その一方で、ユーザー重視のキャリアとして成長するYahoo! BBを、きちんと再評価する事も重要だ。一部のマスコミや通信業界関係者は、この再評価の点で未だにアンフェアだと思う。

筆者はYahoo! BBを再評価し、今、最もお奨めのADSLキャリアとして読者に紹介していくつもりだ。Yahoo! BBには今後も、一般ユーザーの視点で魅力あるサービスを提供してもらいたい。

プロフィール

神尾 寿 通信ジャーナリスト
大手携帯電話会社の嘱託コンサルタントを経て独立。通信業界のジャーナリスト活動を始める。主に日経BP社と朝日新聞社の媒体で、ADSLなどブロードバンド分野のほか、携帯電話、ITSなど多方面の通信サービスを取材・執筆している。

(掲載日:2002年10月1日)

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