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自由の女神はソフトバンク・チーム・ジャパンに微笑むか? アメリカズカップ第5戦ニューヨーク大会開催!

第35回アメリカズカップ 予選「ルイ・ヴィトン・アメリカズカップ・ワールドシリーズ(以下「ACWS」)」第5戦の開催地は、実に約1世紀ぶりとなるニューヨーク。自由の女神像を南に臨むマンハッタン島南部 ハドソン川河口で行われました。

本戦スタート!

マンハッタンに立ち並ぶ高層ビル群の影響による不規則な風と、ハドソン川の潮流によって、過去に無いほど難しい水面でのレースで開幕したニューヨーク大会。本番初日は3レースを予定していましたが、スタート予定時刻になっても風が安定せず、この日のレースは中止に。

しかしその後、既定の時刻を過ぎてから「予備レース」が行われました。これは、最終日のレースが中止となった場合に、ニューヨーク大会が不成立になってしまうことを防ぐために行うもので、すべての公式レースが中止になった場合にのみ公式成績として採用されます。

その予備レースで、スタートから飛び出したのがソフトバンク・チーム・ジャパン。早い段階でフォイリング(翼走)に成功し、他のチームを引き離してトップで最初の回航マークを通過。コース選択が当たり、反対側のコースを選択して2位につけたニュージーランドチームをさらに引き離す展開となり、大きなミスの無い走りで終始トップを守りフィニッシュしました。

この時点では公式なレースとして認定されていないものの、チームにとってはACWS初のトップフィニッシュとなる、価値のある結果となりました。強風が予想されている最終日のレースで、再びのトップフィニッシュを目指します。

期待高まる最終日

最終日は晴天に恵まれ、10万人(主催者発表)の観客が見守る中3レースが実施されました。
前日と同様、非常に難しい条件下でのレースとなり、ソフトバンク・チーム・ジャパンは、3レースを5位、4位、3位と少しずつ調子を上げ、6チーム中4位でニューヨーク大会を終えました。3位に入賞したフランスとはわずか2ポイント差。3レースのうちどれかのレースで一つでも順位を上げてフィニッシュすれば初入賞となっていただけに、悔しさの残る幕切れとなりました。

早福 和彦総監督コメント

フォイリングできる風を期待していましたが、今日は風の強弱が大きく、潮の流れもあって艇速が思ったように出ず、非常に難しいコンディションでした。コースが昨日よりマンハッタン島に近くなり、ビル風の影響を大きく受けるなど、運の要素もあったと思います。有利な海面が分かっていても思い通りにはいかず、フラストレーションがたまる状況でした。今回のように変わりやすいコンディションでは、次々に状況判断していく力が必要です。そのあたりのチームワークを高めてシカゴ大会に臨みたいです。

ディーン・バーカー艇長コメント

今日は予報より風が吹かなかったので、潮の影響を大きく受ける難しいコンディションでした。第1レースは良いスタートを切りましたが、思った方向に行けずに順位を落としましたし、途中までトップを走っていた最終レースも、最後の回航マークで風と潮の影響を受け思ったように走れず、順位をキープすることができず残念でした。来年開催される本戦用のレース艇開発プログラムも大詰めを迎えています。次のシカゴ大会までにやることは多くありますが、引き続きしっかり準備していきたいです。

吉田選手の今後の活躍にも期待!

今回のニューヨーク大会から予備クルーメンバーとして参加した吉田 雄悟選手。ロンドン五輪470級のセーラーであり、2015年11月に実施された日本人クルー選考会を通じてチームに加入し、移住したバミューダではセーリングチームの一人として練習を重ねてきました。

しかし、風速の変化や川の流れの影響を大きく受ける難しいコンディションのため、本戦デビューは持ち越しに。しかし予備クルーメンバーとして参加できたことについて、「これまで非常にハードな練習を重ね、精神面も鍛えられてきました。ニューヨークに来るチャンスをつかみ取ることができて、とてもうれしく興奮しています。」とコメントを寄せています。

5戦目となるニューヨーク大会までのワールドシリーズ通算成績で4位。三強を形成するニュージーランド、アメリカ、イギリスとの差を詰めることはできませんでしたが、入賞の常連であるイギリスを今大会で初めて上回ったことや、前日に行われた予備レースでトップフィニッシュを飾ったことは、これまでにない成果となりました。

次の戦いの舞台は、6月11日から行われるシカゴ大会。次回は潮流のほとんど無い、シリーズ初の淡水湖でのレースとなりますが、3位入賞まであと一歩に迫ったソフトバンク・チーム・ジャパンにご期待ください。

ソフトバンク・チーム・ジャパン 最新情報

ソフトバンクグループでは、ソフトバンク・チーム・ジャパンを応援するため、選手紹介や今後の大会スケジュールを紹介する特設ページを開設しました。また、チームの公式FacebookやTwitterでも最新情報をご覧いただけます。

これまでのレース

  • 上記以前のレース結果も、特設ページよりご覧いただけます。

(掲載日:2016年5月13日)

Photo by © Matt Knighton/SoftBank Team Japan