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若き社長が目指す自動運転の未来 ソフトバンクの自動運転、その勝算は SBドライブ株式会社

佐治 友基 略歴を見る

いつでも行きたい場所へ——。高齢者や障がいを持つ人はもちろん、全ての人々が自由に、安価で、安全に移動できる世の中にしたい。
そんな思いから、先進モビリティ株式会社との合弁会社「SBドライブ株式会社」が生まれました。

今回は30歳という若さで社長に就任したSBドライブ 代表取締役社長 / CEOの佐治 友基に、これまでの経緯や自動運転の未来についてインタビューしました。

一番魅力的なIoT製品は自動車

自動運転に取り組もうとした理由は何ですか?

佐治:ソフトバンクの事業の大きな柱は通信事業ですが、モバイル端末・サービスとも競合他社との差別化が難しくなってきた中で、通信の付加価値を高める新しい武器が必要だと感じていました。
事業の柱の一つに「IoT」が掲げられていますが、「一番世の中を変えるIoT製品は何だろう?」と考えた時に目を付けたのが自動運転技術でした。

自動車産業は、カーシェアやライドシェアなどのサービス拡大により、所有型から利用型へと進化する中で市場がさらに大きくなると予想されます。将来、自動運転が普及した世の中を想像すると、ユーザーが好きな場所で車を呼び出せるアプリや、車の安全を遠隔で見守るなどの仕組みが不可欠です。そのため、ソフトバンクが持つ通信のインフラと、クラウド上のビッグデータを活用した技術が果たす役割は大きいと考え、自動運転技術にたどり着いたのです。

設立に至るまでの経緯を教えてください。

佐治:2015年春にソフトバンク社内で行われたビジネスアイデアコンテストで、新たに取り組むべき事業として「自動運転技術を活用した交通インフラ事業」のアイデアを出しました。
500件以上のアイデアが出される中、最終審査で2位となり、事業化に向けて本格的な活動を始めました。その後、経営幹部と議論を重ね、コンテストからわずか1年後の2016年4月、設立に至りました。ソフトバンクらしいスピード感だったと思います。

多くの企業が自動運転技術の開発に取り組んでいますが、SBドライブの強みは何でしょうか?

佐治:自動運転車と連携するためには、さまざまな技術が必要です。自動運転車をIoT製品の一つと考えると、通信技術やサービスを培ってきたソフトバンク、インターネットサービスをけん引してきたヤフーが持つノウハウが役に立つと考えています。グループ企業が持つ技術やサービスを応用できることが、強みだと思っています。

2018年の実用化を目指して

今後、どのようなサービスを考えていますか?


自動運転の実験用バス

佐治:まずは、決められたルートを運行するバス型の自動運転サービスを検討しています。地方には高齢ドライバーの引退や、乗車人数とドライバーの人件費が割に合わず採算が取れないなどの理由で、減便や廃止を余儀なくされるバス・鉄道路線が数多く存在します。自動運転バスの実用化によって、これらの課題解決に貢献することができれば、今後も住民にとって利便性の高い公共交通網を維持できると期待されています。

その次のステップとして、運行ルートを網の目のように細かく増やしていき、ドア・ツー・ドアの移動により近い、タクシー型の無人運転サービスを考えています。自動運転車を最適に配車するシステムには、Yahoo! JAPANの路線検索やホテル・飲食店の予約状況など、人の移動に関わるデータベースが生かせるはずです。

現在は、さまざまな交通モデル、経済モデルの中で実証実験をするため、自治体と協定を結んでおり、既に北九州市と鳥取県八頭町と締結しました。北九州市では地域の旅客・運送事業者、大学関係者、自治体の皆さまらと研究会を立ち上げ、さまざまな議論を始めたところです。
2016年から2017年にかけて実証実験を行い、2018年の実用化を目指したいと考えています。

自動運転車の実用化に当たり課題は何ですか?


北九州市と連携協定を締結

佐治:まず法律の問題です。現行法では「自動車はドライバーが運転する」ということになっているのですが、「AIもドライバーと見なせるのではないか」「遠隔監視でもよいのではないか」など世界中で解釈拡大の可能性について議論されています。日本でも、自動運転に関係する当局の議論が進んでいて、2020年の自動運転の実現に向けた法整備を進めることが共通認識になっています。

今後、当社の実証実験から得られるデータやノウハウを共有し、自動運転の実用化に向けた規制緩和やガイドラインの整備に貢献したいと思います。

SBドライブ株式会社

佐治 友基(さじ ゆうき)

SBドライブ株式会社 代表取締役社長 / CEO

略歴:2009年、上智大学経済学部卒業後、ソフトバンクモバイル株式会社(現ソフトバンク株式会社)に入社。営業部門で施策推進などに従事する一方で、2010年、ソフトバンクグループ代表・孫正義による後継者発掘・育成プログラム「ソフトバンクアカデミア」の第1期生として参加して以来、新規事業の企画・提案などを手掛ける。
2016年4月、SBドライブ株式会社を設立し、同社 代表取締役社長 / CEOに就任するとともに、先進モビリティ株式会社 社外取締役に就任、現在に至る。

(掲載日:2016年6月29日)