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未来のスポーツ観戦はこんな感じ!?最先端のライブ中継実験に潜入!

スポーツ観戦は好きですか? 特にスタジアムや球場での生観戦は迫力満点、応援にも熱が入りますよね。

でも、運悪く席が遠かったり、視界が遮られたりして、大事な場面を見逃しまうことも。さらに欲を言えば・・・決まった席だけじゃなく、もっと違った角度からも見たい! なんて思ったり。

もしかしたら近い将来、そんなお悩みを解消する映像配信サービスが開始されるかもしれませんよ!

実は、2016年9月17日から3日間、福岡 ヤフオク!ドームで開催された福岡ソフトバンクホークス 対 オリックス・バファローズ戦で、とある実験が行われたんです。

その実験とは、LTE-Broadcastという新しい通信技術を使って、マルチアングルで撮影した試合の映像データを、球場内に配布した約100台のスマホに一斉配信するというもの。
つまり、スタジアムで観戦中、どこに座っていても、スマホからマルチアングルで試合のライブ中継を視聴できるらしい。これ、スゴくないですか?

ヤフオクドームで行われた最先端の実証実験の全貌とは!?

ちょっと難しそうな今回の実験ですが、ヤフオクドームに潜入してきました!

球場には、一般の方300人(各日100人)が招待され、専用アプリを搭載した実験用スマホを使って、実際にサービスを体感。試合終了後にアプリの使用感や配信映像の遅延・品質レベルなどをアンケートで回答してもらい、技術検証やサービスの有効性について確認を行うんだそうです!

ドーム内には、従来設置されているテレビ中継用のカメラに加えて、今回の実験用にマルチアングルで試合の模様を撮影する5台のカメラを設置。
そのカメラで撮影した映像を、実験用のLTE基地局から、3塁側スタンドの特定エリアに向けてLTE-Broadcastで一斉配信する! という仕組みのようです。

LTE基地局。意外にコンパクト!

国内外10社がこの実験に参加!

この大掛かりな実証実験。なんと10社もの企業が連携しているとのこと。
しかも、日本だけではなく海外の企業も名を連ねるグローバルな顔ぶれです。
LTE-Broadcastは海外でも注目されている技術なんですね!

ソフトバンク株式会社

実証実験に関するプロジェクトの取りまとめ

福岡ソフトバンクホークス株式会社

施設(ヤフオクドーム)の提供と試合の運営

Wireless City Planning株式会社

無線技術の提供

TVバンク株式会社

配信用映像データの提供

Qualcomm Technologies, Inc.

LTE-Broadcast機能をもつチップセット、ならびに端末ソフトウエアソリューションの提供

ZTE Corporation

基地局(eNodeB)、MCE、コアネットワーク、BM-SC、IPRAN中継回線の提供

シャープ株式会社

対応スマートフォンの提供

QuickPlay Media Inc.

映像データのストリーミングおよびエンコードサーバーの提供

Intellicore

スマートフォン上での対応アプリケーションの提供

データスタジアム株式会社

野球データの提供


LTE-Broadcast 実証実験システム構成

いよいよ試合開始。好きなアングルに切り替えて、手元で選手の様子をチェック!

試合開始! 皆さんも専用アプリを搭載した実験用スマホで視聴スタート!

カメラの映像を六つのアングルから選んで切り替えられるようです。

ダブルビューで二つのアングルを同時に視聴することも可能! 上がピッチャー側カメラ、下がキャッチャー側カメラの映像です。

こちらはなんと・・・ホームベース上からの映像! テレビ放送やドームのスクリーンでもなかなか見られないアングルですよね。

データスタジアム株式会社さんのご協力により、試合や選手のデータも確認可能! コアなファンの方は、最新のデータを見ながらじっくり観戦することもできますね♪

こちらの新技術を使ったサービス化の具体的なスケジュールなどは、まだ決まっていないとのことのですが、もしかしたら、ビールではなく、スマホ片手にスポーツ観戦するのが当たり前の時代がやってくるかも?! 楽しみですね!

実証実験に参加した皆さんの感想は?

プロジェクト推進メンバーのコメント

今回のトライアルでは、実際の景色と配信映像とで7~9秒ほどの遅延が発生したため、これをいかに短くするか、が課題になります。
しかしながら、お客さまのアンケートの回答では、「見逃したシーンを確認するのに使えて良い」という声もあり、スポーツ観戦のあり方を鑑みて、今後検討したいと思います。


プロジェクトメンバーの皆さん

そもそも「LTE-Broadcast」ってなんだ?

一般的なデータ通信では、端末と基地局が1対1で通信を行うユニキャスト通信と呼ばれる方式が利用されていますが、一度に多くのユーザーが動画などを視聴すると大量のトラフィックが発生し、基地局やネットワークに大きな負担がかかります。その結果、スムーズに再生できないなど、サービスの提供に影響が出る場合があります。

一方、今回実証実験を行ったLTE-Broadcastという技術は、LTE上で、1対多のブロードキャスト通信が可能で、一つの基地局から複数の端末に同時にデータを配信することができます。この方式を用いると、トラフィックを減らし、ネットワークの負担を少なくすることができるため、ドーム球場やコンサート会場など人が多く集まる場所で大容量の動画などを視聴する場合でも、ネットワーク混雑の影響を受けにくくなるのが特長です。

(掲載日:2016年11月22日)
文:ソフトバンクニュース 編集部