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ワンクリックで10万円請求!? 巧妙化するネット犯罪の対処法、教えます

スマホで動画を見ようとクリックしたら、突然警告音や画像が表示され、読んでみるとなになに…?
閲覧料10万円を請求!?
こんなドッキリ経験、身に覚えがある人もいるのでは?

インターネット上の犯罪は年々巧妙化し、その被害は拡大する一方。ネット犯罪から自分を守るためにはどうすればいいのか、対策や犯罪事例などを、インターネットセキュリティーのプロに教えてもらいました☆

プロに聞く、身近なネット犯罪の事例とは? 偽ECサイト被害・ワンクリック詐欺はこう防げ!

みんなが毎日利用するインターネット。そこに潜む危険や対処法を、セキュリティーソフトの開発や販売を行っているBBソフトサービス株式会社の山本 和輝さんに聞いてみました。

ネット犯罪には、具体的にはどういったケースがあるのですか?

いわゆる「ネット犯罪」と聞くと、企業や官公庁のシステムに侵入して情報を抜き出したり、データを改ざんしたりと、“サイバーテロ”のような大掛かりな犯罪、というイメージを持つ人も多いかもしれません。でも実は、一般の消費者が詐欺サイトで被害にあったり、個人情報を盗まれたりという犯罪のほうが、数としては圧倒的に多いです。

代表的なものとしてまず挙げられるのは、偽ECサイトです。商品は高級ブランドや衣類、楽器などさまざまですが、購入手続きはしたものの、代金だけ取られて商品が届かないというケースがたくさんあります。

またお金を取られるだけでなく、注文時に入力した名前、メールアドレス、クレジットカード番号などの個人情報が転売され、さらなる被害に遭ってしまうことも。このような個人情報は、ブラックマーケットで1件あたり10ドルから20ドルぐらいで取引されているんです。

先日も当社のスタッフが、ある方から相談を受けたんです。廃盤になった自動車の部品を買おうとインターネットで探していて、見つけたサイトが「どうも怪しい」と。そこで調べてみると「やはり詐欺サイトに間違いない」ということで、被害を未然に防ぐことができました。

危なかったですね~! 専門知識のない私たちでも、偽ECサイトを見分けるコツはあるのでしょうか? ネットショッピングでどのような点に注意すればよいのですか?

例えば「定価」とすべき部分が「原価」となっているなど、明らかに日本語の表記がおかしい場合があります。また業者の住所が掲載されているかをチェックし、さらにその住所が実在するのかネットで検索してみることも大事です。全く架空の住所の場合もありますし、実在しても、明らかに他の業者の住所というケースもあります。さらに決済画面のURLを注意深く見てみましょう。URLが「https://」で始まっていれば、きちんとデータが暗号化されて通信されます。そうでない場合は、偽サイトかもしれないと疑う必要があります。

最近の事例では、先日某プロ野球チームが25年ぶりに優勝を果たしましたが、優勝が決まったタイミングに合わせて記念グッズを販売する偽ECサイトが現れたんです。おそらく世間の注目度から、サイトへのアクセスが最も多くなる時期を見計らって周到に準備してきたのでしょうが、油断も隙もないという感じですよね。先に挙げたチェックを怠らないようにして、だまされないようにしましょう!

よく見ると「定価」が「原価」、「決済」が「決済中心」となっています!

ワンクリック詐欺やフィッシング詐欺も、よくニュースなどで取り上げられていますが。

偽ECサイトと並んで被害が大きいのが、ワンクリック詐欺です。

画像や動画を見ようとしてクリックすると「登録完了しました」という画面が出て、高額な請求をするというものです。パソコンよりもスマホでの被害が圧倒的に多く、当社の詐欺検知ソフトのデータでは、OS別検知率がWindowsで22.09%、Androidで89.69%、iOSで65.24%という結果が出ています。やはり、スマホユーザーはより気をつけなくてはなりません。

最近では、クリックすると「カシャ」という写真撮影音が出るものもあります。つまり「あなたの顔は記録されましたよ」というメッセージなのです。ネットの知識があまりない人ですと、焦ってしまい、「一刻も早く不安から逃れたい」という気持ちや「不適切な動画を見ようとした後ろめたさ」から、請求された金額を払ってしまう人が多いのが実状です。このようなワンクリック詐欺被害の報告は、消費者センターに年間約10万件入っています。1件あたりの被害額平均は約10万円ですが、全体では100億円規模の被害になります。

また、同様に大きな被害が出ているのがフィッシング詐欺です。実在の金融機関などを装ってメールを送信し、口座番号やパスワードを搾取して不正にお金を引き出すという犯罪で、昨年度の被害金額は約30億円に上っています。

ソフトバンクグループが取り組む啓発活動。まずは“ネットを正しく知る”ことから。

BBソフトサービスは、インターネットセキュリティーに関する啓発活動に取り組んでいるそうですが、具体的にどのような活動を行っているのですか?

当社は「インターネットサギウォール」という詐欺サイトを検知するソフトを販売していますが、やはり消費者ご自身でネットの知識を高めることこそが、最大の防犯になると考えています。

そこで、当社の持つスキルで社会に貢献するCSR活動の一環として、企業・団体などで情報セキュリティーについて指導する立場の方向けに講演を行うなど、啓発活動を行っています。
参加されるのは警察の生活安全課・サイバー犯罪対策課の方々や、学校の先生、企業の情報セキュリティー担当者、ネット犯罪防止活動を行っているNPO法人の方など、さまざまです。まずは指導する方に徹底的に勉強していただいて、その知識をたくさんの方に広めていただく。そうやって防犯の裾野をどんどん広げていきたいですね。

誰もが安全に利用するには、企業だけでなく個人レベルでの意識向上も重要ですよね。

まさにそのとおりで、「誰もが安全に」という意味ではお子さんを持つ親御さんにも関心を持っていただきたいんです。親御さん自身がネットショッピングはあまりやらない、動画も見ないからといって、ネット犯罪に無関心というわけにはいかないのが今の時代ですよね。お子さんが掲示板に安易に書き込んだ悪口が名誉毀損にまで発展したり、LINEやツイッターのなりすましにあったり、以前では考えられなかったような事例も増えています。

皆さんにとってより身近な家庭におけるセキュリティー教育。その啓蒙の手始めとして、中高生くらいの子どもがいるソフトバンクグループの社員向けに、子どもたちがインターネットで何をしているのか、ネット犯罪について学校では何を教えているのかいないのか、どのようなリスクがあるのかなど、親の立場として知っておいてほしいことについて解説する「親として知っておきたい! 子供のネットとスマホの安全講座」を11月に実施しました。今後は、この内容をブラッシュアップして社外の方にも知っていただくセミナーを開催したいと考えています。

今やインターネットは、お子さんの人間関係にも深く関わってくるツールです。ぜひ正しい知識を与えてあげてほしいですね。

いかがでしたか。
インターネットは本来便利で楽しいもの。安心して楽しむためにも、リスクに対する正しい知識や関心を持つことが大事なんですね。
ソフトバンクグループでは、ほかにも安全にインターネットを楽しむためのさまざまな取り組みを行っているそう。ぜひチェックしてみてくださいね!

ソフトバンクグループの取り組みをチェック

知っておくことが防犯の第一歩!

BBソフトサービスのホームページでは、インターネット犯罪の事例がたくさん紹介されています。しっかり知識を蓄えて、トラブルを防ごう!

ネット犯罪の事例多数!
BBソフトサービス「インターネット詐欺リポート」

(掲載日:2016年12月16日)
文:ソフトバンクニュース編集部