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【書き起こし】2017年3月期 決算説明会(前編)

約10年前だったか、ソフトバンクが「Yahoo! BB」サービスを始めて、やっとこれから利益が出るようになるかもしれないという、まだ真っ赤っかの赤字の時だったと思う。その時の株主総会で株主の皆さんから質問が出て「今後ソフトバンクはどうなるんだ?」と聞かれ、「伸びますよ、これから改善します」と申し上げた。

その時に「これは大風呂敷、大ぼらだ」という前置きをした上で、「いずれは利益で1兆円2兆円という規模で数えられるほどの会社にしてみせます」と申し上げた。それが今日の決算説明会で、営業利益・純利益ともに1兆円を突破したことを発表させていただきたい。

一方、先ほど「1兆円の利益を達成してどういうお気持ちですか?」と聞かれ、自らに素直に聞いてみて、不思議と感動のようなものが全然ない。1兆円の利益に対する感動が、自分の心にまったく湧いてこない。「なぜだろう?」と思ったら、「1兆円の利益では達成感が全然ない。まだ全くの通過点だ。1兆、2兆の利益は通過点だ。だからこんなに自分の心の中に感動がないのだな」と、改めて思った。数字は数字に過ぎないが、それより大事なのは、何を目指して、どこに行こうとしているのか、どのくらいの規模をさらに伸ばしていこうとしているのかというモノの考え方だと思う。

今日は改めて、2年前に申し上げた話をちょっと振り返ってみたいと思う。

「ソフトバンクは、金の卵を産むガチョウなのか」という話を2年前の決算発表の時に申し上げた。今日はそれから2年経って、今現在どうなのかということを、経過報告を含めて確認してみたいと思う。

連結業績

連結の業績は、売上高・調整後EBITDA・営業利益・当期純利益はそれぞれ以下のとおり。

円ベースでは、売上は0.2%増だが、これをドルで見ると11%増になる。それはなぜかというと、スプリント事業はドルでは伸びているから。しかし為替の関係で、円で換算すると減っているように見える。スプリント事業はドル、国内通信事業は円で見るべきで、その両方をミックスしたところに実力ベースはあると思う。

調整後EBITDAは10%増で、順調に伸び続けている。
ただこれもドルで見ると、実は23%増ということになる。

成長のけん引役になっているのはスプリント事業。多くの皆さんがスプリントはまだ足を引っ張っている、ソフトバンクグループにとって重荷の会社というイメージを持っておられると思うが、私は1年ぐらい前から「スプリントの業績はそろそろ反転する」「いずれスプリントが成長エンジンになる」ということを予告として言い始めた。いよいよその実態が現れてきた。

営業利益は13%増だが、その内訳を見ると、黄色い部分となるスプリント事業が伸びており、営業利益の一番のけん引役はスプリント事業だということがよりはっきりと分かると思う。

これをドルベースで見ると27%増。さらにスプリント事業の伸びが大きく、多大な影響を与えていることがお分かりいただけると思う。

営業利益と当期純利益で1兆円を達成

先ほど営業利益1兆円と申し上げた。
実はソフトバンクグループは、数字の上では3年前に一度営業利益1兆円を突破している。ただ、その時はガンホーとウィルコムの評価替えで、一時益として2,500億円ほど含まれていた。そのため2,500億円差し引いて考えるべきで、実力値で達成した訳ではなかった。ただ、一度達成するということは、後々に実力で達成する場合が多い。ジャンプして1回でもまぐれで届くと、自信が出てそこにもう1回届く。ありがちだが、営業利益1兆円にまぐれで一度到達したのを、今度は実力で到達した。

ソフトバンクグループは2017年度の業績予想は出していないが、営業利益で2017年度も確実に1兆円を突破する。今年よりもさらに増益になると申し上げておきたい。なぜならば、国内通信事業が順調にいっており、スプリント事業も順調に伸びている。むしろ成長エンジンであることを考えると、確実に2016年度の1兆円を上回ることが予想される。

どちらにしろ、日本の事業会社において営業利益で1兆円突破したのはわれわれを含めて3社しかない。われわれ以外には、今までNTTとトヨタしかなかった。その1兆円に到達するのに、NTTは118年かかった。トヨタが2社目、われわれが3社目であり、しかも、はるかに短い年数で達成することができた。

また今回、純利益で初めて1兆円を突破した。この中には当然一時益が含まれている。そのため1兆円を突破したのは実力値かというと、そうではない。今回の決算では、これを差し引いて考えている。

ただ、本業における営業利益で確実に1兆円を突破し、これから継続して1兆円を突破できるという自信が出てきたということは、純利益でも着実にその方向に向かっている。これは1回のまぐれジャンプの結果だが、これからだんだんとわれわれの平均的実力値になっていくと思われる。実は国内の事業会社において純利益で1兆円を突破した会社は、今までトヨタしかなく、ソフトバンクグループが2社目の会社になった。

それでもいまだにソフトバンクグループのことを借金が多いと思っている方がたくさんおられると思う。借金のことについて、今までとちょっと違う表現で見ていただきたいと思う。

国内通信事業の成功を基に、米国のスプリントを買収した。スプリント買収資金のための借入金を、国内通信事業の収益を基に負債を起こした。その負債を含めて3.6兆円、EBITDAが1.2兆円、つまり純有利子負債のEBITDAに対する倍率はちょうど3倍という形になる。
また、その他事業でわれわれが持っている保有株式の時価総額が約18兆円弱あり、それに対して、純有利子負債は4.4兆円。これは保有している財産価値の25%分の借入金を持っていることになる。これは十分に健全な範囲だと思う。

ちなみにその3倍というのはどれほどの位置付けにあるのか。欧米の主要な携帯事業会社それぞれの借り入れがEBITDAに対して何倍かというのがこのグラフになる。

つまり3倍というのは、驚くほどの異常なレベルではなく、およそ真ん中くらいのレベルということになる。私に言わせれば、借金がゼロというのは健全に見えるかもしれないが、伸び盛りの会社にとって見れば、力を出し切れておらず、本来吹かしていくエンジンを吹かしていないように見える。従って、少なくとも欧米の主要な携帯事業会社では3倍前後というのは、一応普通の範囲であると捉えている。

国内通信事業

国内通信事業が順調に推移しているので、先ほど言ったスプリントの買収などにつながった。営業利益で7,200億円弱と順調に伸びており、安定的に経営できている。

売上に対するEBITDAのマージン率は55%で、これも着実により強い経営体質になっている。営業収益率が高いということだ。これは世界の主要な会社と比べると、世界一となる。通常はこのようなネットワークインフラビジネスというのは、お客さまの数、マーケットシェアの大きい会社の利益率が高くなる。だいたいどの国でもそうなるが、われわれは決して日本でNo.1の規模ではないが、利益率ではNo.1であるということを申し上げたい。

主要回線(スマートフォン+従来型携帯電話+タブレット+モバイルデータ通信端末)の累計ユーザー数も少しずつではあるが、順調に、安定的に伸びている。

また「Yahoo! BB」サービスでADSLのブロードバンドからこの通信事業に入ったが、最近は光ファイバーの「SoftBank 光」の方に力点を移している。これは1年前に比べて、契約世帯数が倍増した。こちらもしっかりと利益が出るようになった。

フリーキャッシュフローは前年対比40%増。これは税引後、設備投資後の完全なる利益。会計というのは国際会計基準、国内会計基準、EBITDA、純利益など、いろんな見方があるが、フリーキャッシュフローこそが事実だと思う。設備投資、税金を全部引いた後のフリーキャッシュフローが年間5,600億円規模になった。年初に掲げていた5,000億円という目標を途中で上方修正したが、その上方修正した数字をも上回ることができ、うれしく思っている。

そのフリーキャッシュフローの売上に対する比率は、これまた世界で一番。ソフトバンクグループの23%という数字は、最終的なフリーキャッシュフロー、現金収益率が、主要な移動通信事業会社では世界で一番だということを申し上げたい。

2017年度見通し

まとめると、国内通信事業の今年度の見通しは、13期連続の増収増益、それから前年度と同じレベルのフリーキャッシュフローを、健全に、確実に、安定的に出すことができるだろうということである。また、ヤフーとのシナジーをこれからさらに拡大したい。

スプリント事業

スプリント事業について、先ほど申し上げたように、スプリントはもはや重荷ではなく、これからソフトバンクグループの成長エンジンになる。

まずユーザーの純増数が前年対比で倍増した。
解約率もスプリント史上最も良くなり、売上も減ってきていたが反転してきた。

コスト削減は2年間で3,500億円を上回る規模、今の為替で3,800億円くらい。2年間の合計で3,800億円の削減。いろんな見方があるが、年間の固定費で、4年前に比べると数千億円規模下げることができたと言える。

またその結果、調整後EBITDAが倍増できた。約1兆円のEBITDAとなり、国内通信事業とほぼ変わらない規模のEBITDAを出すことができるようになった。

従って、営業利益は前年対比で6倍増、着実に営業利益が出るようになった。スプリントは、営業利益で約2,000億円の黒字になったということである。また、調整後のフリーキャッシュフローも黒字に転換した。

また、一時期スプリントは「お金が足りないのではないか」「借金が返済できないのではないか」と市場で心配された。金利もだいぶ上がったが、来年3月までの返済額に対して今は、現金を持ち過ぎているのではないかと思う。つい1カ月ほど前から、スプリントのCFOに「現金の余裕を持ち過ぎだ」「その金利はコストがかかるんだ」「安全経営をするのはいいが、安全に行き過ぎるとそれはコストだ」と話している。今、現金を持ちすぎている状況になってきたということで、逆にスプリントの市場に出回っている社債の金利は下がってきている。「社債を買い戻したらどうだ?」という話を最近しているくらいの状況である。

スプリント ネットワークNo.1 or No.2へ

ファイナンスの部分をお話したが、事業そのものの内容として大事なのはネットワークである。

買収した直後のスプリントのネットワークはひどい状態だったが、ついに全米で音声のパフォーマンス、接続率、その他の部門が第三者の調査結果で2位になった。さらにうれしいのは、大都市圏においては、ついに1位になった。これから全国的に、さらに改善すると思っている。

LTE成功への鍵

次にデータについて、LTEの接続率が鍵となるが、スプリントは豊富な電波を持っている。そして技術革新のさまざまな道具を持っている。

豊富な周波数

まず電波だが、われわれは2.5GHzを世界で最もたくさん持っている会社ではないかと思う。少なくとも、先進国では一番たくさん持っている。この2.5GHzがこれから大変な武器になる。今までは、2.5GHzは建物の中に浸透しないということで、非常に問題があった。

HPUE

しかし、ハイパワーUE(HPUE)という新しい技術標準を提唱し、業界でそれが認められた。チャイナモバイルに呼びかけ、そしてアップル、クアルコム、サムスン、ファーウェイといろんな会社にHPUEを業界の新しいスタンダードにしようということを提唱し、2.5GHzを使ったTD-LTEで、エンドユーザー端末からより強い電波が吹けるように、新しい業界標準を作った。

結果、基地局からの到達距離を伸ばすことに成功した。従って、2.5GHzが、今までのミッドバンドと言われている1.9GHzと同じだけのカバー率、同じだけの距離に伸び、一気にこれからカバー率がよくなる。スピードもパフォーマンスも全部よくなる。

革新的ツール展開

さらに、さまざまな新しい道具立てを発明した。私自身、スプリントのチーフネットワークオフィサーとして、この開発に非常にどっぷりと浸かり、独自の新しい武器をいろいろと開発した。

これから数百万のスモールセルの基地局を作っていく。5G(第5世代)のネットワークはスモールセルでやらなければならない。そもそも5Gのネットワークは、高い周波数の電波を使うので、大きな高いマクロの局から、少ない数で吹くというのは通じない技術。これをスモールセルで、たくさんの場所に、いち早く、場所取りをしてやっていく。しかも技術をいろいろ開発することが鍵になるが、世界で最も先駆けて、スプリントで今やり始めたところである。

そのための道具立ての一つとしてMagic Boxというものを開発した。これが今から、5Gの世界に大いに役立つ。

これをさまざまな建物の中、外に置く。屋内の通信だけではなく、屋外にもそれが浸透していく。これが5Gの先駆けとして大いなる力を発揮するということになる。

実際にそれを大都市圏や住宅地でやり始めた。特にその先駆けとして6カ所の主要な都市で、ミニマクロやMagic Box、いろんなものをやり始めたのでその結果を報告する。

実証結果(主要都市)

ニューヨーク、サンフランシスコ、シカゴ、デンバー、インディアナポリス、ヒューストン。これらの地域で実証を行ったところ、6カ所のうちの5カ所ですでに1位になった。

例えば、ニューヨークでは、マンハッタンでテストエリアを展開した。その結果、ダウンロードスピードやその他などで1位となった。サンフランシスコ、シカゴ、デンバーでも1位ということで、われわれが実際に新しい道具立てでやり始めたところは、着実に1位になってきた。これを今から全米に展開していく。従って、今まで準備してきたものが、やっと展開できるタイミングが来た。この結果を受け非常に自信を持った。

2019年 2.5GHzでの5G対応で合意

今までは各社が5Gのネットワークは2020年以降の話だと思っていたが、それに対して世界でどこよりも早く、2019年に2.5GHzでの5G対応について合意したことを今日発表した。しかも第5世代は28GHzや39GHzという大変高いミリ波と言われる周波数の電波を使うが、その中で圧倒的に良い、屋内に浸透する電波である2.5GHz、しかもHPUEを使って、第5世代の通信のネットワークと端末を製品として作ることを、今日クアルコムと合意して発表させていただいた。これはわれわれにとって画期的なニュースである。スプリントは第5世代で最も優れた電波と、最も先進的なネットワークを誰よりも早く米国で大規模に作るということになる。No.1のネットワークを真に実現させるということをここで高らかに宣言させていただきたい。
スプリントは非常に楽しみな会社になってきた。

また先日、スプリントの決算発表で、私も電話会議に参加し、ネットワークについて今言ったようなことを説明させてもらった。決算発表の最後に質問にお答えするつもりでいたら、電話オペレーターのミスで、これからしゃべろうとする直前にプチっと接続が切れてしまい、電話会議が終わってしまった(笑)。今日改めてそれを発表、コメントさせていただきたいと思う。

米国通信業界の再編について

スプリントの決算発表で聞かれた質問は、「通信業界の再編が、今米国で話題になっているが、今回新しい政府になって、ソフトバンクはスプリントについてどういう考えを持っているのか?」というものだった。

新しい政府は、業界の再編について開かれた気持ちで聞くという話を耳にしている。少なくとも新しい政権になって、規制で国を動かすのではなく、開かれた国として、ビジネスをもっと活発にやれるようにという方針を打ち出しておられる。また業界再編に対しても、いろんな可能性があり得ると受け止めている。

しかし先月末までは、米国で電波のオークションがあったので、事業者同士は会話をしてはならないと、弁護士から非常に強く忠告を受けており、実際に他のどの会社とも、ルール上話をしてはいけないし、話をしていない状態にあった。やっと、600MHzの電波のオークションが終わり交渉しても構わないという時期に入ったので、これから業界再編について、さまざまな可能性を積極的に自ら対応すると申し上げたい。どういう形になるかというのは、相手があることであり、またこれからの交渉事になるので、今の段階ではまだなんともコメントできない。少なくとも開かれた心で、さまざまな可能性について、タブーなしに全部検討する。

ヤフー事業

ヤフー事業は、広告収入も「Yahoo!ショッピング」も順調に伸びている。

4年前に「eコマース革命」を発表し、そこから4年間でお店の数が25倍に増え、競合他社と比べても、出店数が10倍になった。

取扱高も前年対比で21%伸びた。今、日本の主要なeコマースで最も伸びているのが「Yahoo!ショッピング」だと思っている。しかも、先月はこれをはるかに上回る規模で伸びており、非常にうれしい。

> 後編へ続く

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資料

(掲載日:2017年5月19日)

  • 特段の記載がない限り、「当社」はソフトバンクグループ株式会社および子会社を示しています。また原則として、株式会社や有限会社、社団法人などを省略して社名・団体名を表記しています。
  • ログミー株式会社の提供を受け掲載しています。全文はログミーサイトをご覧ください。