今、中小企業に業務の見直しが求められる理由
2023年6月1日更新
2021年6月29日掲載
少子高齢化による労働人口の減少や、新型コロナウイルス感染症対策など、中小企業を取り巻く状況は一段と厳しいものになっています。そんな中で中小企業は、どのような対応を行うべきなのでしょうか? 本稿では、身近な業務の見直しによって、労働生産性を高める方法をご紹介します。
人手不足だからこそ労働生産性が重要
多くの企業で人手不足が急速に進んでおり、特に中小企業ではその影響が顕著になっています。経済産業省が発表した「業種別従業員過不足DIの推移」(図表1)によると、業種に関係なく人手不足が進んでいることが分かります。また、2019年4月から施行された「働き方改革関連法」により、時間外労働の上限規制や有給休暇取得の義務化が始まり、これまで以上に従業員の労働生産性が求められています。
(注)従業員数過不足数DIとは、従業員の今期の状況について、「過剰」と答えた企業の割合(%)から、「不足」と答えた企業の割合(%)を引いたもの。
中小企業における労働生産性の現状
「企業規模別従業員一人当たり付加価値額(労働生産性)の推移」(図表2)を見ると、大企業の労働生産性はリーマンショック後に大きく落ち込みましたが緩やかな上昇傾向で推移しています。一方、中小企業は大きな落ち込みはないものの長らく横ばい傾向が続き、大企業との差が拡大していることが分かります。人手不足の中でも大企業は設備投資を行い労働生産性を高めることができますが、これができない中小企業はいかに従業員一人一人が効率よく業務を行うかがカギとなってきます。そのために具体的にどのような対策ができるのか見つめなおす必要があります。
労働生産性を高める方法は業務の見直し
労働生産性を高めるという課題の中、この難題をクリアするためにまずはじめたいのが業務の効率化です。業務の効率化と言われると難しく聞こえますが、業務の見直しを行い今の業務を整理していくことです。それには次のような方法が考えられます。
業務の簡素化
業務プロセスのなかで、無駄な業務や複数の部署で重複して実施している業務などを洗い出し、なくしたり減らすことが重要です。業務が無駄かどうかは、業務の目的や目標と照らしあわせてみると判断できます。具体的には、朝礼をなくす、定例会議の参加人数を減らすといった事例が考えられるでしょう。無駄な業務を削減することによって、工数削減はもちろん、残業時間の削減、さらには従業員の負担やストレスの軽減にもつながります。
業務のマニュアル化
業務の進め方や社内ルールをまとめた業務マニュアルを作ることも、効率化を推進する一案です。マニュアルがあることで、上司が部下に業務の手順や詳細について説明する時間や手間を削減することができ、ミスを減らすことにもつながります。さらに、業務ごとに仕事の流れを図にしたフローチャートも作成すると、より業務を進めやすくなるでしょう。
業務分担の見直し
ときには各業務の担当者を見直し、配置換えを行うことも必要です。人事担当者が面談を通して各従業員の現状を把握して適性を見極め、より向いている部門・職種を担当させることで、自然に各部門の業務の効率化が期待できます。
デジタルツールの利用
日々の業務における情報共有やコミュニケーション、スケジュール、顧客管理などを効率化してくれるデジタルツールを導入することも有効な手段です。自社がいまどのくらいデジタル化できているのか現状を把握し、優先順位を付けて課題解決を行えるツールの選定が必要になってきます。
今後の成長のために
労働生産性を高めるためには、業務の見直しを行い、業務の効率を上げていく必要があります。まずは業務の現状を理解し、自社にあった取り組みからはじめていきましょう。
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