データから価値を生み出すためのアプローチとは- SoftBank World 2022 セッション特集-

2023年10月1日更新
2022年8月15日掲載

データから価値を生み出すためのアプローチとは

マーケティングデータは、経営の意思決定を行う際にも重要な判断材料となります。しかし、依然としてデータ活用が進んでいないと感じている企業も多いのではないでしょうか。

2022年7月29日に開催された「SoftBankWorld 2022」のDay 2では、ヤフー株式会社(現:LINEヤフー株式会社)の村田剛氏とソフトバンク株式会社の若杉宣弘氏が登壇し、日本におけるマーケティング領域のデータ活用の課題と解決について対談しました。

目次
ソフトバンク 若杉宜弘氏 ヤフー 村田剛氏

データ活用の現状と課題

まず、若杉氏が日本企業におけるデータ活用の現状と課題を分析しました。総務省(2020年)が行った調査(※)によると、経営領域やマーケティング領域において大企業の約半数、中小企業においても2-3割の企業が活用していると回答しています。

一方、主な活用データの種類としては自社がもっている「社内データ」という回答をした企業が多く、外部から取得する「社外データ」を活用している企業は少ない現状が示されました。また、データの活用方法についても、「データの閲覧」「集計」においては利用が進むものの、統計的な利用やAIを活用した予測にデータを活用している企業は少数に留まっています。

同調査では各企業におけるデータ活用に関する課題も問われており、若杉氏は「データの多様化と分析の高度化が課題」とまとめています。村田氏は「活用自体はだいぶ進んできた実感はあるが、まだ課題も多い」とコメントしています。

※出典:総務省「デジタルデータの経済的価値の計測の計算と活用の現状に関する調査研究」 https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r02/pdf/n3200000.pdf

データ活用における日本の課題

続いて村田氏が、日本企業がデータ利活用の課題を3つに分類して解説し、その課題に対する解決方法を示しました。

①データ関連技術・基盤面の課題

現在、データを扱う環境における課題解決ソリューションは多く存在しており、データインフラからアプリケーションまでが網羅されています。
このような環境面で課題を感じている企業は、積極的な外部ソリューションの活用を進めることが、プロジェクトの成功確率向上や効果を実感するまでの期間短縮につなげられます。

②データの不足

データは、自社で取得して保管している「内部データ」と自社以外から提供されている「外部データ」の2種類に分けられます。村田氏は、「まずは内部データをしっかりと使い切るところからスタートする」べきとした上で、活用に向けてはデータの「把握・整理・可視化」することが有効だと述べました。
しかし、内部データだけでは経営の意思決定をするには情報不足となる場面では外部データの活用が有効です。内部目標との比較だけではなく、外部データをインデックス的に掛け合わせて参照することで、より客観的で多様な示唆を得られます。

③人材面の課題

自社でデータ活用に長けた優秀な人材をすぐに採用することが難しい場合は、まずはパートナー企業と協力して成果につなげましょう。しかし、その体制で長期間運用してしまうと人材育成やノウハウの流出といった観点で課題が残ります。村田氏は、データ活用を進めるにあたっては「パートナー選定」「体制強化」「全社展開」の3ステップで人材面での課題解決を考えることを推奨しています。

データ活用を進めるステップ

なぜデータ活用は進まないのか

このように、①~③の課題に対しては質の高いソリューションが存在しているにもかかわらず、マーケティング領域のデータ活用に課題を感じている企業が多くあります。この理由は、複数の課題が同時に存在し、それぞれの課題を個別に解決するだけではデータ活用全体の課題解決につながらないという、複雑な状況が存在していると村田氏は述べています。

全体の課題解決を行うには、ワンストップで全てを同時並行に解決していくことが必要です。そのためには、全ての課題に対するソリューションをもち、成果が出るまで伴走してくれるパートナー選定を行うことが重要となります。

基盤支援から新規領域までを提供するソフトバンクグループの強み

ソフトバンクグループは広範囲でマーケティングソリューションを提供しており、お客さまの課題に合わせたソリューションの提案、伴走を行っています。

また、ソフトバンクの強みの一つが、LINE、Yahoo! など多くのユーザをもつグループ企業から得られる外部データです。多様な分析に利用できる客観性の高いデータと、お客さま独自のデータを掛け合わせることで、自社のヘルスチェック等にも活用できるレポートを提供しています。

ソフトバンクは、オンラインからオフラインまでを一元的にシングルソースで計測・分析できるようなプラットフォーム企業として、お客さまをワンストップで支援します。

本セッションでは、データから最大限価値を生み出すためのヒントが多数登場しました。

若杉氏は、「(データを)眺めるだけでなく、意思を持ってデータの中から示唆を掘り出していくことが重要」と述べ、セッションを締めくくっています。

宮野 綾
ソフトバンクビジネスブログ編集チーム
宮野 綾
2019年よりB2Bマーケティングに従事。サイバーセキュリティ、デジタルマーケティング分野のマーケティングを行っている。
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