リスキリングとは? 定義と概要を解説

2023年3月31日掲載

リスキリング 概要 解説

企業の関心が急激に高まっている「リスキリング」。社会人の学び直しと訳されることが多い言葉ですが、その解釈は組織や人によって異なっている場合があります。そこで、この記事ではリスキリングとはそもそも何か、従来の社員教育とはどこが違うのかをお伝えします。

目次

リスキリングとは

リスキリングとは「スキルの再学習」 を指す言葉で、2021年に経済産業省が発表した指針では以下のように規定されています。

新しい職業に就くために、あるいは、今の職業で必要とされるスキルの大幅な変化に適応するために、必要なスキルを獲得する/させること

(2021年2月26日 経済産業省)

リスキリングは欧米が先行しており、特に米国では著名な研究者によって発表された「今後10~20年で国内労働者の仕事の約半分が自動化される」という社会的な危機感のもとで進められていますが、日本での定着は今一つのようです。そこで、日本企業がリスキリングを進めていくためにはどうすればよいのか、まずはその必要性から考えてみたいと思います。

リスキリングが必要な理由と進め方

リスキリングが進まない場合、日本の企業や労働者は今後大変なことになると専門家は警鐘を鳴らしています。すでに、コンビニエンスストアがドリンク補充にロボットを取り入れたり、携帯電話販売業ではオンライン販売の普及などによって実店舗を減らすなど、従来は人が現場で行っていた業務が、デジタルに置き換わる動きが加速しています。

この潮流についていけないと、少子高齢化による生産年齢人口の縮小なども影響して、企業は競争力を維持できなくなり、従業員も職を失うなどの恐れがあります。そうした事態を防ぐためには、デジタルスキルを持った人材を増やさなければなりません。しかし、AIやデータ活用などのデジタルを扱うスキルを持った人材は、どの会社でも欲しがっているため簡単には採用できず、費用も高額になりがちです。

その点、リスキリングは既存の従業員にスキルを習得させ、デジタルを使いこなす人材として育てるものなので、中途採用に比べてリーズナブルなコストで進めることができます。また、元々その企業で働いている人物にスキルを習得させるので、社内文化に詳しく、組織内での連携を取りやすいといったメリットもあります。リスキリングを行った後も、社内のデジタル化推進役として活躍させることができるでしょう。

従来の学習方法との違い

リスキリングと似た言葉に リカレント教育 があります。こちらは日本語では「循環教育」と訳され、一時的に職を離れたりしながら、大学などの教育機関に通って長期間に渡りスキルを取得する取り組みです。一方、リスキリングは業務に直結するスキルを比較的短時間で取得することを目的に、就業時間内で学習し、新しい職務で実践することが求められる 点がリカレント教育と異なります。

また、リスキリングはOJT(On the Job Training)とも異なります。OJTは職場の上司や先輩について、実際の仕事を体験しながら知識や技術を身に付ける方法で、日本企業では一般的に行われている学習方法です。OJTはその性質上、既存の業務に関する知識習得がメインですが、リスキリングは既存のものだけでなく新しく就く仕事(営業担当から新規システム開発担当に異動するなど)に必要なスキル習得を目指す場合もあります。

より詳しい情報はセミナーで

本記事でお伝えした内容のほかにも、リスキリングを実施する際の重要ポイントや、具体的な企業事例などを、下記のオンラインセミナーで詳しくご紹介しています。この機会にぜひ、ご視聴ください。

永沼 雄
ソフトバンクビジネスブログ編集チーム
永沼 雄
2009年以降、B2B業界で海外営業やマーケティング活動に従事。2021年よりソフトバンクの法人部門にて、オウンドメディアでDXやサイバーセキュリティ分野のマーケティング活動を行っている。

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