リテールテックJAPAN 2023
〜来訪者・ブース担当者に話を聞きました〜

2023年3月3日掲載

リテールテックJAPAN 2023  〜来訪者・ブース担当者に話を聞きました〜
画像提供:リテールテックJAPAN

第39回流通情報システム総合展「リテールテックJAPAN 2023」が東京ビッグサイトで2月28日〜3月3日の4日間にわたり開催されました。オンラインでも同時開催され、出展者数は200社以上、多くの来場者が訪れ賑わいを見せました。今回は、イベントの様子から見えたリテール業界の現状やソフトバンクの展示ブースの様子を実際に筆者が訪れた体験を交えてお伝えします。

目次

ロボットがリテール業界を救う!?

最初の特別カンファレンスでは、Amazonの動向を含めた物流業界の現状やユニクロ・ヨドバシカメラが採用した倉庫自動化ソリューションの紹介がされました。EC市場の活性化や複雑化するオムニチャネル、多様化する受取方法を背景とする人手不足に焦点が当てられ、こうした課題をロボットで解決するという紹介でした。

AutoStore(オートストア)の展示の様子

ロボットに注目が集まる中、会場で多くの来訪者の目を引いていたのがこのロボット。

ソフトバンクのブースで展示していた「AutoStore(オートストア)」と呼ばれる高密度自動倉庫システム。格子状に組み上げたグリッド内にビンと呼ばれる専用コンテナを隙間なく格納し、グリッドの上をロボットが走行、コンテナを回収、作業者が待つポートまで搬送してくれる。「EC市場の活性化に対応すべく、倉庫内のピックアップ数を増やすことができる」と担当者は言います。また、AutoStore一番の売りは高い保管密度です。「ロボットがコンテナを運んでくれるため、人やクレーンが通る通路や身長を気にしたレイアウトをする必要なく、従来設備の最大4倍の保管能力を誇る」と担当者は言っていました。AutoStoreのWebサイトで、ぜひ動画もご確認ください。

「AI」にフォーカスしたブースが目立つ

出展者ブースエリアに目を移すと、人手不足や消費者の購買行動の変化に対応するためのソリューションが展示され、体験型展示も多く見ることができました。中でも「AI」を活用したソリューションが多く、ソフトバンクブースでも関連するソリューションを展示していました。

AIで欠品検知を行い商品補充を手助け

展示していたのはAI映像解析プラットフォーム「STAION(スタイオン)」。STAIONは、カメラで取得した映像データをAIが分析・解析することで、欠品検知や店舗への来店人数、来店者の属性を把握します。実際にSTAIONをご覧になったスーパーマーケットに勤務する方は、「補充が必要なところを人の目で見て補充しているが、効率も悪く追いつかない時がある。STAIONが補充が必要なところを検知しアラートを出してくれれば、補充を無駄なく効率的に行える。人手不足にも対応できる」とSTAIONを評価していました。

STAION(スタイオン)の展示の様子
STAIONの展示の様子

顔認証でレジ待ちの長蛇を解消

さらにAIを活用したソリューションに顔認証による決済を可能にする「PayPad Plus」があります。事前に顔写真を登録しておくことで顔認証決済を可能にするこのデバイスは、お客さまが顔をかざすメインディスプレイと店舗スタッフの方が料金を入力するサブディスプレイに分かれており、非常にコンパクトなサイズ感。さらに、顔をかざしてから決済完了まではあっという間。スピーディーな決済を実現し、レジ待ちを解消します。実際に私が来訪者に話を伺う中では、PayPad Plusに興味を示す方が一番多く、皆さまが口を揃えて言ったのは「レジの待ち時間をなくしたい」ということでした。

PayPad Plusで顔認証を行う様子
PayPad Plusで顔認証を行う様子

スマートフォンがDXの鍵

リテールテックでは、AIだけでなくモバイル端末の活用も注目されていました。イオン株式会社が登壇したセミナーでは、店舗DX推進の一環として、「店舗スタッフはモバイル端末を活用してリアルタイムでデータを捕捉することで、接客に注力できる環境作りを行なっている」と語っていました。

スマートフォンがハンディ端末になる

ソフトバンクのブースでは、スマートフォンを活用したソリューションも展示していました。店舗で使う機器・機能をスマートフォンに集約させることで店舗課題を解決するものです。その一つ「AsReader(アズリーダー)」は、スマートフォンに専用のケースを装着することでハンディ端末として活用できるソリューションです。実際にデモ機を手に取ってみましたが、初めて使う私でも簡単に素早くバーコードを読み取ることができました。デモの様子(動画)はWebサイトに掲載しています。

AsReader(アズリーダー)の実機デモの様子
AsReaderの実機デモの様子

※AsReaderは株式会社アスタリスクの登録商標です。

スマートフォンがトランシーバーに

もう一つは、ハンディ端末同様、多くのリテール業界で活用されているトランシーバーです。この「Buddycom(バディコム)」を使えば、スマートフォンをトランシーバーとして代用できます。私も学生時代にアルバイト先でトランシーバーを使っていましたが、重くてずっと持っているのが大変だったり、会話が聞き取れないことで何度も聞きなおしたりという経験がありました。しかし、Buddycomを使ってみると、まず第一にスマートフォンなので軽い、加えて音質も良好でした。携帯電話回線(4Gや5G)とWi-Fiなどを使って通信を行うため、携帯電話がつながる場所であれば距離に制限がなく使えるそうで、異なるフロアや建物での会話も問題ないと言います。音声テキスト化機能で会話を後から確認することも可能でした。

AsReader」と「Buddycom」はスマートフォンにダウンロードしたアプリケーションを使いますが、2つ以外に社内連絡や固定電話をスマートフォンで対応すれば、バックヤードに戻ることなくスマートフォン1台で業務を完結させることもできます。

Buddycom(バディコム)の実機デモの様子
Buddycomの実機デモの様子
音声テキスト化機能
音声テキスト化機能
周辺機器を使う様子
周辺機器を使う様子

まとめ

リテールテックJAPAN 2023では、さまざまなソリューションを見て体験することができました。そこで感じたのは、テクノロジーをうまく活用することで、お客さま・働く人のよい体験やコミュニケーションを手助けできるということです。今後テクノロジーを活用していくことでリテール業界がさらに盛り上がりを見せることでしょう。

ソフトバンクが会場で紹介したソリューション

出店計画の効率化を図る人流分析サービス「マチレポ」、高密度自動倉庫「AutoStore」、AIカメラを用いた店舗分析や、スマートフォンを活用した業務端末の集約によりお客さまの業務時間とコストの削減を紹介します。さらに、社会課題でもある、廃棄ロス削減のためのソリューションも展示しました。

条件に該当するページがございません

おすすめの記事

条件に該当するページがございません