アノテーションツールの選び方:失敗しないための6つの確認ポイント

2023年9月5日掲載

アノテーションツールの選び方:失敗しないための6つの確認ポイント

アノテーションツールとは、AIの認識率を向上させるために必要な教師データ(訓練データ)の作成を行うツールであり、画像認識や音声認識、自然言語処理など各ツールの特性や使用目的にあわせて適切なものを選ぶ必要があります。
しかし、インターネット上で「アノテーションツール」と検索してみても、一体どのツールを使用すればいいか迷ってしまいませんか?今回は、アノテーションツールを選ぶ際に考慮すべきポイントを6つご紹介します。

目次

1. アノテーション種別に応じたツールの選択

アノテーションツールの選択は、自社が作成するAIモデルにあわせて行う必要があります。「画像認識」や「音声認識」、「自然言語処理」といった用途に応じて、最適なアノテーションツールは変わってきます。
例えば「画像認識」の場合、特定の物体を画像内で囲んでタグを付ける「物体検出」が必要です。また「自然言語処理」の場合、文書から特定の固有表現を抜き出す「テキストアノテーション」が必要です。

このように、ツールによってできるアノテーションの種類が異なるため、目的にあわせてツールを選ぶことが大切です。また、アノテーションツールによって、出力する形式が制約を受けることがあります。AIモデルによって必要とされる出力形式が異なるため、必要なフォーマットに適合するツールを選択する必要もあります。なお、手間はかかりますが、社内でデータ形式を変換する方法も考えられます。有償のアノテーションツールは、複数の出力形式に対応したものが多いので、効率的に業務を進めるのにお勧めです。

2.ツールの使いやすさ

大量のデータを取り扱うアノテーション作業では、ツールの使い勝手が極めて重要です。チーム内のメンバーが迅速にツールを活用できるよう、操作が直感的なものを検討しましょう。

また、アノテーションツールは大まかに2つに分かれます。SaaS型とデスクトップアプリ型です。SaaS型はアカウントを作成してログインするだけで即座に使用可能ですが、一方のデスクトップアプリ型は外部サーバにデータをアップロードせずに、個人のPC上で作業を行います。デスクトップアプリ型の場合、ツールをダウンロードしたり、コマンドを用いてツールをインストールしたりする手順が必要になるので、導入に手間がかかる場合もあります。大人数で作業することが多いアノテーション案件では即使用可能なSaaS型のアノテーションツールが好ましいです。

3.管理機能の有無

アノテーションでは大量のデータを取り扱うので、複数人で協力して作業を行うケースが多くなります。
プロジェクト内で大人数が協力してタスクに取り組む場合、タスク管理機能が必須です。例えば、作業者の日々の作業状況(作業量、完了タスク数、必要な修正回数など)を管理したり、個々のタスクの進捗状況(作業完了、レビュー済み、修正中、保留中など)を確認したりすることで、適切な管理を行うことが品質の向上にも寄与します。

4. 自動アノテーション機能

アノテーションツールの中には独自のAIモデルを使用して、自動的にアノテーション作業を行うことができるものが存在します。例えば「画像認識」の場合、特定の物体や対象物を画像の中から検出検出しラベルの付与まで自動化します。自動アノテーションをしたデータに対して、手作業で確認・修正を加えることも可能です。全てのプロジェクトで自動化を行うことはできませんが、プロジェクトによっては驚異的なほどの効率化・省人化を図ることができます。アノテーションツールによって行うことができる自動化・効率化は異なるため、まずは無償トライアルの範囲内で機能を試してみることをお勧めします。

5. データのセキュリティとプライバシー

企業のデータは貴重な資産であるため、アノテーションツールのセキュリティとプライバシー対策は重要です。データの暗号化、アクセス制御、プライバシー保護などが確立されているツールを選び、データの漏えいや悪用のリスクを最小限に抑えましょう。MFA(2段階認証)などのセキュリティ機能の有無やデータロケーションを確認すると良いでしょう。

6. アノテーション作業外注への対応

社内でアノテーション作業を効率化するにはアノテーションツールが便利ですが、人手が足りない場合はアノテーション作業外注に対応しているツールがお勧めです。

「TASUKI Annotation」は、アノテーション作業の代行サービスを提供しています。自動アノテーション技術を使用して迅速かつリーズナブルに高品質な教師データの代行を行っており、データ収集や撮影にも対応しています。

まとめ

アノテーションツールの選択は、AIプロジェクトの成否に影響を与えるほど重要です。ラベルの種類やカスタマイズ性、セキュリティ、ユーザーフレンドリーなインターフェースなど、さまざまなポイントを考慮して最適なツールを選びましょう。適切なアノテーションツールを選択することでAIプロジェクト成功への一歩を踏み出すことができるでしょう。

ソフトバンクが提供する「TASUKI Annotation」は、生成AIを活用した豊富な自動アノテーション機能を具備したアノテーションツールです。複数人での教師データ作成作業に特化しており、プロジェクト管理を容易に行うことが可能なSaaS型ツールとなります。また、人手不足/自社では難しいアノテーションの場合は、ツール上からアノテーションの作業を簡単に外注することが可能で、データ収集から前処理、専門人材による柔軟なアノテーションまでを行えます。
教師データ作成に関するご相談はこちらまでお気軽にお問い合わせください。その他「TASUKI Annotation」が提供するサービスに関してはこちらをご確認ください

TASUKI Annotation

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