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社会人なら誰でも経験する社内プレゼンや資料作成。しかし、「なかなか相手の承認を得られない」「プレゼンで緊張してしまう」と感じた経験がある方も多くいるのではないでしょうか。本ブログは、プレゼンテーションクリエイター 前田 鎌利 氏が、資料作成のコツやプレゼンのノウハウを紹介したウェビナーをもとに、そのポイントを分かりやすく解説します。
前田 鎌利(まえだ かまり)氏
株式会社 固 代表取締役/一般社団法人 継未 代表理事/一般社団法人 プレゼンテーション協会 代表理事
プレゼンテーションクリエイター・書家として活躍。これまでに1,000社を超える企業に対しプレゼン資料作成研修を行う。
2010年にソフトバンクの孫正義社長(現会長)の後継者育成機関であるソフトバンクアカデミア第1期生に選考され年間第1位を獲得。孫氏に直接プレゼンして幾多の事業提案を承認されたほか、孫氏のプレゼン資料企画・作成・演出などを手掛ける。
プレゼンテーション(以下、プレゼン)には、「社内向け」と「社外向け」が存在します。ですが、資料を作成するときに「社内向け」と「社外向け」を意識して資料作成できているでしょうか? 同じ資料を言い回しを変えたり、少しアレンジをして使用している方も多いのではないでしょうか。ですがこの2つには大きな違いがあるのです。
社内プレゼンはいわゆるホームゲームです。社内の決裁者に対して数字的根拠を示し、それをもとに決裁者がジャッジをし承認を得られればよいのに対し、社外向けのプレゼンはアウェイのゲームです。社外の意思決定者にとって、プレゼンターは赤の他人なので、社内と同じ内容を少しアレンジしただけの資料では、効果的な方法とは言えません。例えば、「中堅社員のモチベーションが下がっているので研修をやりませんか?」と企画した場合、社内の場合は数字の根拠を示せば決裁者はなるほどな、と納得することができます。
しかし、社外の人に漠然と数字を提示しても自分事として捉えてもらうことは難しいでしょう。いかにプレゼン内容を、「自分ごと」として捉えてもらうかがキーとなるのです。そのためには構成をデザインすることが重要です。
まずは相手が課題をイメージしやすいよう、ビジュアライズに伝えます。例えば「やりがい・ポスト・若手の台頭」というように、若手社員のモチベーション低下につながる要因を3つ見せることで相手の右脳を刺激し、その後数字的根拠を見せ、相手を納得させます。
このように、相手に共感させて信頼させ、納得させて決断させる。というように相手の感情をデザインすることで、より伝わりやすいプレゼンにつながるのです。
(この章の動画はコチラのリンクからもご覧いただけます)
一発で決裁をとりたい気持ちがはやり、ついボリュームの多い資料になってしまいがちな社内プレゼン資料。社内プレゼンにおける適切な枚数を明確に意識していない方も多いのではないでしょうか。
まずはプレゼン時間を目安に考えていきます。15分のプレゼン時間を与えられているとしたら、3分で話せる内容を目安に資料を作ってみましょう。
15分間が人の集中できる時間と言われています。そのため、15分のプレゼンの尺があるとすれば、「3分でプレゼン+10分でディスカッション+2分」が決断の時間というのが望ましい配分です。
仮に10分をプレゼンの時間に費やしてしまうと、ディスカッションや決断の時間が残り5分となってしまい、結果として再度別日に会議を設定したり、時間をオーバーせざるを得ない状況を招いてしまい、望ましい状況とは言えません。
本編は5-9枚。それ以外は表紙や目次、補足資料で作成するのが望ましいです。このボリュームならば人の記憶に残すことができ、ディスカッションに移ったときも内容がすっと入ってきます。3分で話せるボリュームで資料作成するの!? と驚きの方もいるかもしれませんが、残りの時間を有益な情報に費やすというのが重要なポイントになるのです。
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ついつい時間を費やしてしまう資料作成時間。1時間の会議のために、気づいたら何時間もの時間を費やしてしまっているという、非効率な進め方に悩んでいる人もいるのではないでしょうか? そんな悩みを解決するポイントは、作成時間を決めて進めることです。
この章では、20分+20分+110分の計150分(11ページのスライドを利用した資料を作成する場合の例)という時間を決めて進める方法をお伝えしていきます。
会議と会議の間のすきま時間や、資料を作成する日を決めて、その中で納期に間に合わせるために進めている方は多くいるかと思いますが、何時間で終わらせようとスタートとしてる人は、意外に少ないんです。すきま時間で作成していると、意外と時間がかかってしまいます。
そこで、まずはじめの20分で「ブレストシート」と呼ばれる設計図を作成します。プレゼン資料の構成としては、課題→原因→解決策→効果の流れでシナリオを作成すると分かりやすいと言われています。その後、横軸として結論→根拠となるデータ→ビジュアルの順に書き起こしていきます。
そのあと、次の20分でブレストシートをもとにストーリーにしていきます。はじめは1スライド1メッセージで、スライドにドキュメントを記載していきます。それらの1枚1枚を、「接続詞」でつないでいくことで、1つのストーリーが出来上がるのです。
例えば、「店舗来客数の改善」という資料タイトルについて、「まずは」という接続詞で現状を伝え、「さらに」という接続詞で次のページにつないでいきます。このように接続詞でストーリーをつなぐことで1つの資料が出来上がっていきます。
ここまでできたら、残りの110分で資料をきれいなスライドに起こしビジュアルを整えていきます。時間をかけてしまう人の特徴は、フォントが気になってしまったりフラグの見せ方に時間をかけてしまったりと、1つのページで時間をかけてしまうことが多いです。
まずはブレストシートでシナリオを作成し、ストーリーを作成し、ビジュアルを整えていく。この流れでぜひ挑戦してみてはいかがでしょうか。結論と根拠をセットに考えることで、悩む時間も少なくなりお勧めです。
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「プレゼンのときに緊張してしまう!」誰しもこんな経験があるかと思います。全く緊張しない、という人も中にはいるかもしれませんが、実は適度な緊張感をもつことも重要。
この章では、プレゼンで緊張しすぎないコツをお伝えしていきます。緊張の種類には2つあります。
1つ目は、上司や取引先から承認を得るために「失敗したらいけない」という気持ちから極度の緊張に陥ってしまうケース。想定外の質問がくると頭が真っ白になってしまい結果が伴わないかもしれない・・・という不安から、極度の緊張に繋がりがちです。これには、聞かれる質問に対し受け答えできる準備をしておくこと。なるべく多くのQ&Aを用意しておくことで、余裕を持った受け答えができ、緊張も少し和らぎます。
2つ目は、たくさんの人の前でプレゼンをすることに緊張してしまうケースがあります。数人なら大丈夫だけど、数十人となると緊張してしまう・・・という人も多いでしょう。
これは、なるべくたくさんの人の前で話す機会を持ち、経験を積むことにつきます。緊張は、慣れや経験が不足していることによって引き起こされるのでたくさんの人前で話す機会を増やし、経験を重ねることで徐々に慣れることができるのです。緊張を感じることは自然なことです。以前、「緊張は成長痛である」と言っていた方がいました。緊張していることをチャンスとらえ、落ち着いて挑むことが大切です。
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プレゼン資料の内容はもちろんですが、話し方で注意すべきポイントをマスターすれば、さらにプレゼンが成功に近づきます。話し方のポイントは3つです。
3つ目の、フィラーを使をよく使ってしまう方は注意が必要です。フィラーは癖になってしまったり、プレゼンに自信がないとき、緊張しているときに頼ってしまいがちです。しかし無意識に使われることで話が長引き、聞いている人にとっては負担になる場合があります。
明日からフィラーの使用を極力なくしていきましょう。フィラーを意識して使わないように意識し、自分がどんな場面や状況でフィラーを使ってしまうのかを意識的に観察してみるのも効果的です。スライドとスライドの間の「えー」を言わないようにして、相手に考える時間として与える、という意識を持つのも効果的です。
また、次のスライドに行くときに「予告編として使う」こともお勧めです。例えば、「次のスライドでは、さらに効果的な〇〇ついて詳しくご紹介します」などと、「えー」や、「あのー」を、意識的に有益な情報に置き換えていくとよいでしょう。
また、プレゼンの練習は6回がお勧めです。はじめの3回はセルフ練習で、時間内に終わっているかやフィラーがないかを確認します。3回目は動画に撮って第三者に送り、質問をもらうことをお勧めします。この流れで、本番での想定質問に対する回答の準備もできます。
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リモートワークが定着し、オンライン会議や商談の機会が増えてきました。とある調査によると、今後も78.6%の企業がオンライン会議を継続するという数字がでています。相手の反応が見えなかったり、資料がちゃんと見えているか? きこえているか? など、不安になることも多いですよね。オンラインプレゼンのコツはこちらの3つです。
冒頭の3分で概要を説明、10分でディスカッションや質疑応答、残り2分で意思決定の時間にするよう時間をデザインします。そうすることで理解度、納得度も上がっていきます。
質疑応答にはチャットをフル活用しましょう。オンラインの場合、特に参加者が複数名いると質問する側のハードルが高いと感じる方はいませんか? より有意義な時間にするためにも、事前にチャットでの質疑応答をアナウンスしておくことで、スムーズに進めることができます。
なお、スライドとスライドの間の画面の切り替えでアニメーションの使用はお勧めしません。環境によって固まってしまい、進行の妨げになる場合があるからです。
それでもやはりリアルよりオンラインの方が説得力が弱いことは否めません。そこで、上記の3つのポイントに加え、カメラのレンズを見ながら話すこと、ボリュームは2割増しでゆっくり、はっきり話すことも大切です。自分がしゃべった声が自分の耳に届いてるかを意識すると、よいペースで落ち着いて話すことができます。
ほかにも、見え方や聞こえ方も重要。外付けのカメラや有線タイプのイヤホンマイクがお勧めです。カメラのレンズに目を向け、相手と目をあわせる気持ちで、気持ちを込めてプレゼンを行いましょう。
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いかがでしたでしょうか。プレゼンと一言で言っても、資料作成時のポイント、相手の感情を動かす構成作り、緊張しすぎず相手に安心感を与えプレゼンを成功させるコツなど、重要な要素が盛りだくさんですが、気にしていればすぐに取り組めることも多かったのではないでしょうか。
ぜひこのブログが、皆さまのプレゼン成功の一手になれば幸いです。
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