データドリブンとは? ”根拠ある意思決定”を行うために必要なこと

2025年3月4日掲載

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現代のビジネス環境は急速に変化しており、企業が競争力を維持・向上させるためには、迅速で正確な意思決定が求められます。その中で注目されているのが「データドリブン」という考え方です。このブログでは、データドリブンの定義やそのメリット・デメリット、最適な進め方などを分かりやすく解説していきます。

目次

データドリブンとは?

データドリブンとは、データを戦略的かつ効果的に活用し、ビジネスを成長させていく考え方や手法を指します。具体的にはマーケティングや営業、経営戦略の立案などにおいて、客観的なデータを収集・分析し、その結果に基づいて行動を起こす手法です。これにより、企業は勘や経験に頼るのではなく、根拠のある意思決定を行うことが可能になります。

例えば、顧客の購買履歴やウェブ上での行動データを分析することで、適切なタイミングで適切なアプローチを検討しマーケティングの戦略に活用したり、これまで個人に依存していたデータ分析作業を見直し、組織全体でデータを共有・活用しあうことで、部門間の連携を強め、一貫性のある意思決定を可能とします。

AI時代におけるデータドリブン

近年の生成AIの急速な進歩により、ビジネス環境は大きな変革を遂げています。生成AIが大量のデータから新たな価値を創出し、迅速かつ正確に分析やコンテンツの生成を行うことで、これまで以上に高度なデータドリブンのアプローチが可能となりました。また、生成AIは、分析者の手助けになるだけでなく、分析結果の利用者にとっても有効です。例えばデータ構造を専門的に理解していなくても、自然言語で分析結果を受け取ることができます。グラフの読み取る際も生成AIが分析結果を分かりやすく説明してくれます。

こうした生成AI時代のデータ活用の重要性が高まる中で、データドリブンの手法は多岐にわたる分野で採用されています。経営者がデータを中心に経営判断や戦略立案を行う「データドリブン経営」、顧客データや市場データを活用してマーケティング戦略を最適化する「データドリブンマーケティング」、営業戦略の最適化や顧客関係の強化を図る「データドリブン営業」、人材配置やトレーニングプログラムの最適化を図る「データドリブン人事」などが挙げられます。このように、生成AI時代のデータドリブンアプローチは、ビジネスや組織全体に広がり、企業がより効果的かつ効率的に業務を遂行するための基盤となっています。

データドリブンのメリット・デメリット

【メリット】

1. ビジネス最適化と潜在的な強み・課題の発見

データに基づく意思決定により、主観や偏見を排除し、根拠のある判断が可能になります。これにより、ビジネス上のリスクを最小限に抑えつつ、業務プロセスの無駄や非効率な部分を特定・改善できます。その結果、業務効率の向上やコスト削減を実現し、的確な戦略策定とリソースの最適配分が可能となります。さらに、自社の潜在的な強みや課題を発見することで、新たなビジネスチャンスの創出につなげることができます。

2. 売上拡大と顧客満足度の向上

顧客データを活用してマーケティング戦略を最適化することで、ターゲットに合った商品・サービスを提供できます。これにより、顧客満足度が向上し、リピート率の増加や新規顧客の獲得につながります。また、ビジネスチャンスを発見することにより、新規事業の創出の可能性が高まり、企業の競争力を維持することができます。

3. 一貫性がある

従来の業務では、勘や個人の経験に頼って進められることが多く、その結果、手法が属人化し、担当者が変わると引き継ぎが難しい場合が少なくありませんでしたが、データドリブンによって適切にデータを記録・活用することで、新しい担当者でも同じ結果を得やすくなったり、チーム内で手法を共有しやすいというメリットがあります。

4. クラウド活用による効率化や精度の向上

現状、Excelやスプレッドシートなどでデータ管理を行っている企業にとって、クラウドを活用したデータドリブンのメリットは大きいです。クラウド上で分析をすることで大量データの処理が可能になり、データの共有や予測、生成AIなどにデータを活用しやすくなるため、データ分析の効率性と精度が飛躍的に向上します。

【デメリット】

1. 専門知識とスキルが必要

データの収集・分析には専門的な知識や高度なスキル、これまでの経験が求められます。

2. データ品質と管理の課題

正確で信頼性の高いデータを確保するために、データガバナンスの整備が不可欠です。データの不備やバイアスがあると、誤った意思決定につながるリスクがあります。

3. セキュリティとプライバシーの懸念

大量のデータを扱うため、情報漏えいや不正アクセスへの対策が重要です。適切なセキュリティ対策と法律遵守が求められます。

4. 初期投資とコスト

データドリブンを実現するためのシステム導入や人材育成には、コストがかかります。投資対効果を見極めながら進める必要があります。

データドリブンを実現するための進め方

データドリブンを実現するためには、まず組織全体でデータ活用の重要性を共有し、全員がデータの価値を理解して協力することが不可欠です。その上で、自社の課題を洗い出し、データを利活用することにより、どのように課題を解決でき、分析・可視化された指標により意思決定(ネクストアクション)ができるのかが大事です。目標達成に必要なデータを特定し、内部データだけでなく外部データも積極的に収集して、幅広い視点から分析を行います。

また、適切なツールを導入してデータの可視化と分析を効率化し、専門的な知識がないメンバーでも洞察を得られる環境を整えます。こうして収集・分析したデータから得られた洞察を具体的な施策に反映し、マーケティング戦略や商品開発、業務プロセスの改善などに生かすことで効果的な成果が期待できます。

なお、データドリブンは継続的な改善が求められる取り組みであるため、PDCAサイクルを回しながら進めていくことが重要です。これにより、データ活用の文化が組織内に根付き、持続的な成長と競争力の強化につながります。

データドリブンに役立つ「Looker」とは?

Google社が提供する「Looker」とは、データ分析・活用を強力に支援するデータ活用プラットフォームです。データ指標を定義することで、誰が分析しても同じ結果が得られるだけでなく、その指標を生成AIに渡すことで、ドメイン情報を理解し、生成AIが回答をしてくれます。

また、Lookerは、LookMLを使いデータを定義することでデータガバナンスを損なわずに、データ品質や管理の課題を解決できます。データの暗号化、細かなアクセス制御、データのマスキング、監査機能などを含む強力なセキュリティ対策を実装しており、セキュリティとプライバシーの懸念にも対応することができます。

まとめ

データドリブンは、データをしっかり活用してビジネスを成長させるための重要な考え方です。マーケティングや経営戦略の場面でデータを活用することで、売上拡大や業務効率化、新たなビジネスチャンスの創出が期待できます。ソフトバンクでは、企業の課題を特定し、その解決策を導き出すところから、データの収集、変換、可視化、レポート作成に至るまで、包括的にサポートします。データ駆動型の業務改善を全社的に推進し、持続的な成長を達成することが可能です。ぜひ一緒に貴社のデータ利活用戦略を次のレベルへと引き上げましょう。

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本橋 恵美
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本橋 恵美
2018年からソフトバンクにてB2Bマーケティングに従事。 セミナー企画やウェビナーの立ち上げを担当した後、2023年よりドキュメント制作に携わる。 主な担当領域はスマートワーク実現に向けた内容のコンテンツ。

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