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スターリンク(Starlink)は、低軌道衛星を利用したブロードバンドインターネットサービスです。通信環境が整っていない山間部や海上といった地域でも、スターリンクを利用することで高速かつ低遅延のインターネット接続が可能になります。
本記事では、スターリンクのメリット・デメリット、法人利用における導入事例をご紹介します。実際に屋外でスターリンクをセットアップする様子も動画で解説していますので、導入を検討されている方はぜひ参考にしてみてください。
スターリンクは、スペースX社によって提供されている低軌道衛星ブロードバンドインターネットサービスです。地球の低軌道(約550km)に多数の小型衛星を配置することで、高速かつ低遅延のインターネット接続を実現しています。同社の発表では、約6,750機以上※1の衛星が稼働しており、このネットワークは世界中をカバーし、都市部から離れた場所や海上・山間部など、従来通信インフラが届きにくい地域でも安定した通信を提供しています。
※1 出展:スペースX社(STARLINK SATELLITE DEMISABILITY)2025年3月時点
衛星の軌道高度は、地上から2,000kmの範囲の「低軌道」と、36,000km付近の「静止軌道」の2つに大きく分かれます。
静止軌道上にある衛星は広範囲な地域に信号を送ることができるため、数個の衛星で地球全体をカバーすることができます。一方、低軌道上にある衛星の場合は1機のカバー範囲が狭いこととカバー範囲が移動するため、多数の低軌道衛星を連携させることで、通信を途切れなく広範囲をカバーする工夫がされています。
また、静止衛星は特定地域の通信や放送を提供することに適しているのに対して、低軌道衛星はリアルタイム性を要求されるサービスや移動体に、広範囲の地域において高速・低遅延通信をシームレスに提供する通信に適しています。
▶関連記事:衛星通信とは? 地球と宇宙をつなぐ通信技術の活用方法
スターリンクの通信システムは、主に以下の3つの要素から構成されています。
通信方法は利用用途やコストなどを考慮して最適な手段を選択していく必要があります。そこでスターリンクのメリットとデメリットについて確認します。
<スターリンクの通信速度※2>
アップロード | 8~25Mbps |
ダウンロード | 40~220Mbps |
遅延時間 | 25~50ms |
※2 上記数値は法人向け固定設置アンテナの場合における数値です。通信速度、通信遅延はいずれもベストエフォート値になり、記載されている速度と中断のないサービスの使用は保証されておりません。
<スターリンク個人向けサービスとの主な違い>
カテゴリー | 項目 | 個人向け(レジデンシャル)STANDARD KIT | 法人向け(ビジネス)HIGH PERFORMANCE KIT | ビジネス優位点 |
---|---|---|---|---|
サービス | 通信優先度 | 法人向けより劣後 | 個人向けより優先(プラン毎の容量まで) | 特に使用量のピーク時により高速で安定したダウンロード /アップロード速度が確保※3 |
期待される速度 | 25-100Mbps(DL) 5-10Mbps(UL) | 40-220Mbps(DL) 8-25Mbps(UL) | スペック差分 | |
端末性能 | 耐環境性 | IP54(水噴霧耐性) | IP56(水流耐性) |
|
融雪機能 | 最大40mm/時 | 最大75mm/時 | 降雪時のパフォーマンスの向上: 1.7 倍の融雪能力 (インチ/時)※3 | |
動作温度 | -30°C ~ 50°C | -30°C ~ 50°C | 高温時(35°C以上)のDLパフォーマンスが3倍※3 | |
視野 | 100° | 140° | 上空の視野が広いため、より多くの衛星に接続可能※3 |
※3 2025年3月現在 https://support.starlink.com/ 掲載
スターリンクをビジネス用途でご検討の場合は「Starlink Business」がおすすめです。ソフトバンクはStarlink認定インテグレーターとして、法人のお客さま向けサービス「Starlink Business」を提供しています。スターリンク自体の機能差分に加え、アンテナ設置などのオンサイト工事・保守支援といったサポートや「Starlink Business」と組み合わせて活用できる、無線LANの環境構築や音声通話ソリューションなどさまざまな法人向けソリューションもご提案可能です。
スターリンクの設置方法や基本的な使い方は直感的でシンプルです。以下に、法人向けの「HIGH PERFORMANCE KIT」を例に、具体的な設置手順と使用方法を詳しく解説します。また、実際の設置作業を動画で確認したい方は、動画リンクをご覧ください。
※Starlinkアプリのアップデートにより、実際の操作画面と異なる場合があります。
※動画のような設置方法の場合は、ポータブルブランの契約が必要となります(2025年3月時点)
広い視野を確保できる屋外の開けた場所を選び、スマートフォンからStarlinkアプリを使って障害物が通信に影響しないか見通し確認を行います。
設置場所が確定したら、Starlinkキットの内容物が揃っているか確認し、アンテナを台座に設置したり、その他の機器同士と電源を接続します。電源をONにしてStarlink衛星のサーチ完了を待ちます。(つながらない場合は再度見通し確認を実施)
Starlinkアプリで設定したSSIDを利用し、スマートフォンのデバイス設定でStarlink Wi-Fiネットワークと接続します。アプリ上で「オンライン」の表示がでたら接続完了です。アプリ上でスピードテストを行うことも可能です。
スターリンクのアンテナは非常に重量があるため、持ち運びにはあまり適していません。使用用途上、持ち運びが多いケースが想定される場合には便利なキャリーバッグのご用意もありますので、併せてご検討ください。
法人の導入事例を通じて、スターリンクがどのように企業で活用されているかを紹介します。
超高層住宅や橋梁などの建築・土木事業を手掛ける総合建設会社である三井住友建設株式会社(以下、三井住友建設)。物流・物量が複雑化する建設現場ではICT活用が生産性に直結するものの、高層階においては通信キャリアの電波が届かないため、業務に不可欠な通話や生産管理システムなどが利用できないという課題がありました。そこで、高層階での通信環境改善のため衛星通信サービス「Starlink Business」とメッシュWi-Fi「PicoCELA(ピコセラ)」を導入。
高さ100メートルを超える建設途中の施工階でも、通話や図面確認、遠隔監視用のWebカメラの利用が可能となり、“人をつなぐICTシステム”を利用してコミュニケーションの改善と業務効率化を実現しました。
▶三井住友建設様の導入事例詳細はこちら
石油などエネルギー資源の海上輸送事業を担う旭タンカー株式会社では、業界課題である人手不足が深刻化しており、乗組員の労務環境改善に注力する中で従来からの課題である「海上での通信環境」に着目。インターネットにつながりにくい環境が、乗組員の満足度を低下させてしまう一つの要因であったことから、低軌道衛星通信サービス「Starlink Business」を導入しました。これにより、乗組員は余暇時間にインターネット経由での娯楽が可能となり、船内生活の質を大きく向上させることに成功しました。また、さまざまなデジタルツールを海上で活用できるようになったことで業務効率化も実現しました。
中山間地域では、交通や通信の不便さに加え、コロナ禍以降は人との交流が希薄になってきています。鳥取県江府町は町民のもとへ行政サービスを届ける「出かける役場推進室」を令和6年4月に新設。利便性を高めるため、衛星通信も導入しました。
スターリンクは、これまであきらめていたエリアでも高速かつ低遅延なインターネット接続を可能にします。特に法人向けとしては、スターリンク単体での導入に留まらず、ソフトバンクが提供する包括的なサポートや周辺ソリューションと組み合わせて活用することで、より効果的なビジネス運営が実現します。
当社からデモ機の貸し出しも行っておりますので、想定されている場所で利用ができるかお試しされたい企業や自治体のお客さまはぜひご相談ください。
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