DX推進
業務量可視化で加速する自治体のDX

先般、コニカミノルタは自治体職員の業務を見える化する「自治体DX支援プラットフォーム」を発表しました。同取り組みには「自治体DX」を旗印にさまざまなパートナー企業が参画し、ソフトバンクもその内の1社です。「SoftBank World 2021」Day1(Power of DX  テクノロジーで変える、今と未来)に行われた同社セッションでは、自治体DX支援プラットフォームの全貌が明らかにされました。セッションの模様をレポートします。

※記載内容は2021年9月時点のものです。

登壇者

コニカミノルタ株式会社
デジタルワークプレイス事業本部 自治体DX推進部 部長 兼 関西支社 支社長
別府 幹雄 氏

ソフトバンク株式会社
法人事業統括 法人プロダクト&事業戦略本部 デジタルオートメーション事業第3統括部 統括部長 兼 鉄道・公共事業推進本部 公共事業推進室 副室長
伊藤 寿

 

業務量可視化なくしてDXなし

コニカミノルタは自治体・企業と連携し、自治体DX支援プラットフォームの開発に取り組んでいます。セッションスピーカーである別府氏は「自治体職員の方にとって最たる“困りごと”は公務員じゃないとできない仕事とそうでない仕事の区別ができないこと」だとしながら、同社が2年半ほど前から行う、全庁業務量調査について説明しました。

別府氏「全国80以上の自治体に協力いただいた全庁業務量調査では自治体職員の業務を見える化し、ヒアリング結果を分析しました。例えば『人口規模約4万人・職員数320名』の、ある自治体でのコア業務(公務員でなくてはできない仕事)とノンコア業務(公務員でなくてもできる仕事)の比率は35:65ほどでした。
ノンコア業務65%を人員換算すると120人工(約234時間)にのぼります。他の自治体でもだいたい同様の比率(一般市35:65、中核市40:60、政令市45:55)を示します。さらに興味深いのは、ノンコア業務の80%以上が紙に依存していたことです。いずれにせよ、この120人工分のリソースをいかにして市民サービス向上に波及させていくのかが業務標準化、そして自治体DXにおいての肝であると考えます。

さて、全庁業務量調査でわかったコア業務・ノンコア業務をさらに細かく『①コア業務』『②専門性が必要なノンコア業務』『③専門性が不要で定型なノンコア業務』『④専門性が不要で非定型なノンコア業務』の4パターンに分類しました。先ほどの人口規模約4万人・職員数320名の自治体では、市民課業務の75%が『③専門性が不要で定型なノンコア業務』に該当し、ICTツールへの置き換えを検討する必要があることがわかります。
他方、建設課業務では70%が『①コア業務』に該当。市民課のICTツールへの置き換えにより生まれた余剰人員は、建設課に補充するのがよいのかもしれません。“鳥の目”で自治体内部の業務状況を見える化する全庁業務量調査のデータは、そうしたリソース配置にご活用いただけますし、RPAなどのICTツール導入を検討する際にもお役立ていただけると考えています。

昨年中は、総務省『自治体行政スマートプロジェクト』に参加し、愛媛県と11市町に向けて全庁業務量調査を実施。調査結果から業務比較による最適な標準モデルを検討できるようになり、はじめはICTツール導入を敬遠していた職員からもポジティブな反応を得られました。また、ある市では51%の工数削減、別のある市では79%の工数削減を達成しています。

このほか今年度はこの業務量調査の発展形として、長野県+4市町および福島県会津13市町で『AI-OCRとRPA共同利用』の実証実験を実施。三重県7市町の介護サービス見直し、熊本県3市町との災害対策標準化・BCP推進にも取り組んでいます」

自治体DXを見据えた業務標準化を

国の進める自治体DXの取り組みでは、基幹系17業務(住民基本台帳、選挙人名簿管理、固定資産税、個人住民税、法人住民税、軽自動車税、就学、国民年金、国民健康保険、後期高齢者医療、介護保険、障害者福祉、生活保護、健康管理、児童手当、児童扶養手当、子ども・子育て支援)について「2025年度までに標準システムを導入する」ことが目標に置かれています。今年7月7日にはガイドラインとして「自治体情報システムの標準化・共通化に係る手順書」が発表されましたが、何からはじめればよいのかわからない自治体も多いようです。

別府氏「ガイドラインには『各自治体のAs-Isの業務フローを可視化し、総務省が出すモデル的業務フローとのFit & Gap分析を行う』といったことが記されていますが、システムから見たモデル的な業務フローとしてまとめられ、皆さまが日々行っている業務をどう改善すべきかまでは詳しく言及されていません。

当社は自治体の皆さまを支援する取り組みとして、今年7月1日に自治体DX支援プラットフォームを発表しました。これまでにまとめてきた80以上の自治体に対する全庁業務量調査から全体業務の40%、17業務に関して言えば80%の詳細業務フローを私たちはすでに保有しており、自治体業務を7パターンに分類したテンプレートも作成しました。これらをご参考いただきながら、自治体DXを見据えた業務標準化を進めていただきたいと考えています」

最後にソフトバンクの伊藤はセッションを次のようにまとめました。

伊藤「コニカミノルタ様は先行して自治体業務の可視化・標準化に着手されました。ソフトバンクとしても、コニカミノルタ様とご一緒に自治体DX推進に貢献していく所存です。当社にご連絡いただければ、さまざまなご提案・ご支援をさせていただきます」

<編集後記>
自治体DX支援プラットフォームで連携協定を結ぶ都道府県・政令指定都市・中核市・その他自治体は多岐にわたります。各地ではすでに業務改革・改善活動に関するユースケースも続々と生まれているようです。自治体DXの成果は自治体職員の働き方改革のみならず、住民サービスの向上、ひいては社会課題解決にもつながっていくでしょう。今後の動向にも要注目です。

このセッションはオンデマンド配信でご覧いただけます

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