人事
ソフトバンクの採用活動とテクノロジー活用

毎年大規模な人材採用を行っているソフトバンクは、テクノロジーを上手に活用しながら戦略的な採用活動へ進化をさせてきました。近年はAIを導入し、エントリーシートや動画面接を効率化。その先には「攻めの採用活動」というビジョンがあります。「SoftBank World 2021」Day3(Communication DX 新時代に求められる働き方)に行われたソフトバンク人事部門のセッションの模様をお伝えします。

※記載内容は2021年9月時点のものです。

登壇者

ソフトバンク株式会社
人事本部 採用・人材開発統括部
人材採用部
荒木 舞美

ソフトバンクの採用活動

荒木「当社は、絶えず巻き起こる事業環境の変化をチャンスと捉えてほしいという思いから、採用で求める人物像=『ソフトバンクの変化を楽しみ 何事もチャンスと捉え挑戦する人』を掲げています。中でも新卒採用で大切にしているのは『学生ファースト』であり、自由な時期に自分の意思で採用活動ができるユニバーサル採用もその1つ。年齢に関しても30歳未満であれば新卒としてエントリーが可能です。過去には大量の母集団を形成し選抜する方式(例:合同会社説明会など)のみを採っていましたが、現在は採用プロセスの工数削減に注力し、空いた工数は“攻めの採用”にシフトするよう努めています。

ソフトバンクの採用手法は実にさまざまです。例えば『JOB-MATCHインターン』は、ソフトバンク社員と同じ環境でPC・業務用端末の提供を行い、2週ないしは4週の間、ソフトバンク社員と仕事をしてもらう、採用直結型のインターン制度です。2019年度には過去最大規模の460名の受け入れを行いました。20年度はコロナウイルスの影響で受け入れができませんでしたが、今年度は規模を少し縮小し、オンラインとのハイブリッドで実施しています。

オンラインワークショップは、リモートでの体験型ワークショップです。4コース(SDGs 新規事業提案コース・営業体験コース・SDGsハッカソンコース・エンジニア体感コース)、総勢800名規模で受け入れを行いました。オンライン型プログラムは私たちにとっても初めての経験でしたが、学生の皆さまにとって意義のあるプログラムを提供できたと考えています。

地方創生インターン『TURE TECH』は、実際に自治体に出向いていただき、その土地のリアルな地域課題を一緒に解決していくインターン制度です。1週間の短期間ではありますが、サポーター役・メンター役のソフトバンク社員とともに、フィールドワークを通じて仮説を立てながら、最後は当地の市長に課題解決策を提案します。昨年度は約3,000名にエントリーいただき、参加者30名を選抜しました。こちらもコロナウイルスの関係で残念ながらオンラインでの実施となりましたが、それでも学生さんから高い満足度を得られました。」

採用におけるテクノロジー活用

荒木「このほか年間を通じた通常選考も実施していますが、やはり多くの学生さんが集まる同プロセスには、多くの労力・工数を費やします。そこで当社では数年前から AI を活用したプロセス改善をスタートしました。

実は当社は、AI導入よりずっと以前の10年ほど前から、採用テクノロジーの活用を積極的に進めていました。例えば『面接官アサイン システム化』では、各部門から600名規模の面接官をアサインする仕組みをシステム化。自動化システムの開発・導入により、約80%の工数削減(アサイン作業時間1,630時間→360時間)を実現しました。

ここからは、このたび導入した採用×AIの取り組みをいくつかご紹介させていただきます。

まずはエントリーシート(ES)です。人事担当の皆さまはよくご存じかと思いますが、一度の採用活動で届くESの数は膨大です。それを人の手で目視するとなれば、かなりの工数が割かれてしまいます。そこで当社は IBM Watson を用いたES評価を実施。具体的には“一次評価”から IBM Watson がESの合否判定を行いますが、不合格となった応募者に対しては、人事の採用担当による再評価を行います。AIだけで闇雲に評価するのではなく、最終的には必ず人の目を介したジャッジを行っているのがポイントです。

次は動画面接です。当社は2019年春頃まで集団面接(一次面接)を行っていました。しかし多くの学生さんに本社へご来訪いただかなければならないうえ、我々採用側にも先ほど申し上げたのと同様、膨大な工数がかかってしまいます。1人の面接官が複数名の面接を行うため、評価のブレも生じていました。そこで2019年秋頃から一次面接で動画面接を導入し、学生さんと当社双方の時間・コスト削減、そして面接官アサイン工数削減を実現。さらに2020年春からはこのAI評価を実施しています。

動画面接でのAI活用では、学生さんにスマートフォン・PCで撮影・提出いただいた動画をエクサウィザーズ社と共同開発した解析システムにかけて合否を判定。ESと同様、不合格となっても最終的には人事の採用担当による再評価を行っています。

ESと動画面接にAI 評価を導入したことで、それぞれ75%、70%の工数削減を実現。導入後の反響も大きく、学生さんからはポジティブな反応を得られました。同取り組みでソフトバンクという会社自体に興味を持ちエントリーした、という学生さんも大勢いらっしゃいます。もちろんここで創出された時間は『戦略的な採用活動』に充てていく所存です。」

<編集後記>
このほかにソフトバンクは、年間4,000件も対応していたという「面接の予約は?」「面接時の服装は?」等、シンプルな設問に自動応答をするチャットボットを導入。問い合わせ業務(1次対応)を自動化しています。そうして最大限創出されたリソースは「攻めの採用活動」に展開。ソフトバンク人事部門の挑戦はこれからも続いていきます。

このセッションはオンデマンド配信でご覧いただけます

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