【講演動画公開】孫正義が語るソフトバンクグループの「AI×群戦略」

【講演動画公開】孫正義が語るソフトバンクグループの「AI×群戦略」

  • SoftBank World 2018の基調講演で、孫正義が語ったソフトバンクグループの群戦略とは
  • AIを制する者が未来を制する−−新しい未来のためには従来の考え方は忘れなくてはならない
  • ソフトバンク・ビジョン・ファンドの出資先企業の代表者たちがそれぞれの魅力をプレゼンした

■本記事はNewsPicks Brand Designの制作のもと、2018年08月21日にNewsPicks上に掲載されたものです。

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孫正義の口から、今年は何が飛び出すのか──。
ソフトバンクが毎年7月に開催する「SoftBank World」。法人向けのイベントではあるものの、ソフトバンクグループの方向性を孫正義氏自らが示す基調講演は、注目の的だ。過去の孫氏の発言で印象深いのは2012年で「iPhone 、iPad 、スマートフォン、どれも持っていないという人は、今日から人生を悔い改めていただきたい」という強い言葉はビジネス以外のメディアにまで伝搬した。当時、スマートフォンの個人保有率は23%ほどだったが、現在ではあらゆるビジネスがスマートフォンを中心に展開されており、孫氏はまさに未来を予測していた。
最近の注目は、ソフトバンクグループなどが中心となって出資する総額10兆円規模のテクノロジー分野のファンドだ。ソフトバンク・ビジョン・ファンドなどを通じての資本投下は、名の知れた大企業から気鋭のスタートアップまで、その対象は幅広い。通信インフラ、IoT、AI、ロボティクスと世界を広げるソフトバンクグループ。一体、どんな未来に導こうとしているのか。孫氏の講演内容とともに、孫氏が認めたソフトバンクグループの群戦略を担う世界の投資先企業を紹介する。

ソフトバンクは通信会社にあらず

基調講演の冒頭、孫正義氏は「本当に未来は分からないのか」と問いかけた。未来は分からないから現状を精一杯生きようというのは受け身であり、真剣に分かろうとしていないのではないか。そして、その姿勢に危機感を覚えるというのだ。

「多くのことには前触れが存在し、それを敏感に自分たちの未来として捉え、人よりも先に真剣に洞察しよう、現状を変えていこうと努力をする人と、しない人では結果が全然違う。今日は未来について語りたい」。

その未来とは、人間の英知をAIの英知が越えるシンギュラリティの世界、全ての産業が再定義される人類史上最大の革命後の世界のことを主に指していた。孫氏はこれをこう表現する。

「宇宙のビッグバンに続く、もう一つのビッグバン」

ソフトバンクは通信の会社だと思われているが、それは35年の歴史のうち3分の1にすぎない。創業から「情報革命」の会社であり、通信はその中核のひとつ。そして、それもAIのためだと思っていると説明する。
ソフトバンクグループは2016年、半導体設計を手がけるArmを約3兆3千億円で買収した。このとき、なぜソフトバンクグループが半導体企業を買収するのかと問われたが、あえて深くは説明しなかったという。世界70億人のうち30〜40億台、つまり小さな子供やお年寄り以外のほとんどがスマートフォンを使っていると推計されるが、その95%以上にArmが手がけたチップが搭載され、心臓部分の役割を果たしている。

「オセロで言えば、4つの角の1つに相当する」

Armはスマートフォン以外のチップも開発しており、機械学習専用チップも提供を開始している。そして2030年には自動車やコンシューマ向けの機器など、あらゆるものに1兆個のチップが組み込まれると予想。それらをつなぎ、開発環境も提供するArmのプラットフォームは、ビッグデータ、言い換えればAIの共通項になる。それがソフトバンクグループに迎えた理由なのだ。
「AIへの取り組みが、社内で相当進んでいると思う人、手を挙げてください」。孫氏のこの呼びかけに反応したのは、会場内で数人だった。
10年前、iPhone が登場したばかりの時にスマートフォンを活用しているか尋ねたときも、わずかだったという。それと同様に、10年後はAIが生活の中に当然のように存在するというのだ。つまり、1日でも早く取り組んだ者が勝つ、と。それはわかっているはず。なのに、なぜ全力で取り組まないのか。

「まだ自分の仕事を真剣にやってないということ」

“AI群戦略”の宣言

ソフトバンクグループはこれまで、「群戦略」を打ち出し、遂行してきた。それを今後は一歩踏み込んで、「AI群戦略」を推進すると表明。現在のネット社会をけん引するAmazonなどの可能性は、まだ規模が小さい頃から予見していたが、そのときは資金がなかったという。
ところが今は、今後産業ごとにトップになると目される企業に出資。AIを制する者が未来を制する−−そのためにまっすぐ進んでいることを示した。
あわせて孫氏は、AIが当たり前になる世の中を妨げようとする、政府や企業の固執した考え方の問題点を指摘することも忘れない。ライドシェアが禁止されていることを引き合いに出してこう説明した。

「こんなばかな国がいまだにあることが、僕には信じられない。ライドシェアによって、交通の混雑が減り、事故も少なくできる。それなのに、国が未来の進化を自分で止めている。過去を守り未来を否定する。もう考えられない状況だ」

既得権益を守ろうとし、規制でがんじがらめの状況からの変化を拒むことは、みずから未来を閉ざしてしまうことだ。

孫氏の講演では、ソフトバンク・ビジョン・ファンドの出資先企業の代表者たちが、自社の強みを説明する時間が設けられた。そして孫氏みずから、そのビジネスを取り入れる重要性と期待を明かした。孫氏のAI群戦略を担う企業のユニークネスを孫氏の視点とともに紹介していこう。

Key Company 1 Didi Chuxing AI×交通

サスティナブルな都市を実現するため、 AIで渋滞を管理し、信号が変わるタイミングを最適化する取り組みを20都市で進めている。現在30のメーカーと連携しており、今後、商用自動運転の実現に向けて注目度は高い。

Key Company 2 CM Cruise Ai×トランスポーテーション

General MotorsのDaniel Ammann社長がみずから来日し登壇。出資発表後、GMの株価は10%上昇し、自動運転に対する期待の高さが伺えた。
交通事故によって世界で年間120万人が死亡しているが、AIによって人間よりも安全で効率的な運転を実現することができる。運輸業界は数年で50%以上のコストダウンにつながり、保険も含めて世界が変わり膨大なビジネスチャンスをもたらすと言われている。
強みは開発環境にある。開発拠点を1か所に集約しており、また研究走行は郊外ではなく最も難しい複雑な大都市(サンフランシスコのダウンタウン)において実施している。

Key Company 3 Paytm AI×決済

スマホとQRコードによって決済を可能にしたソリューションを提供する。インドでは独自のATMサービスも提供することで、単なる支払いではなく銀行サービスも手がけており、インド最大の銀行を超える規模で展開している。
インドでは、この簡易的な決済が受け入れられ、ほぼデファクトスタンダードとなっている。日本ではクレジットカードが現金に次ぐ決済手段になっているが、発展途上国ではクレジットカードはそれほど強くない。そうした状況を踏まえて、スマホを有効的に活用し、絶対的地位を築いた。

Key Company 4 ZhongAn Insurance AL×保険

ネット専業保険で、1年間で54億件の契約件数がある。保険は未知に対するサービスで、データが重要。エンジニアが半数を超えるのが特徴。中国本土以外での展開も視野に入れている。

Key Company 5 Ping An Good Doctor AI×医療

中国には総合病院が1,000弱しかないうえ、ファミリードクターが不足しているのでさらに混雑している。待ち時間が3時間で診察が3分弱というのが現実という課題がある。それを解決するオンライン診療を実現。待ち時間ゼロ、24時間365日診察を目指している。
医師なら誰でもいいわけでなく、トップクラスの医師1,000人が診ている。毎日、中国全土で37万件を超える診察を行っており、これを可能にしているのはAIで、5倍の効率化を実現している。外部の医師や医療機関との提携などエコシステムを形成している。1万件の薬局から1時間以内に薬を発送可能。

Key Company 6 Mapbox AI×地図

都市の営み、人間の活動を地図化するなど、ライブロケーションを実現する地図プラットフォーム。利用者のGPSとAIによって市中のデータを集めて地図を作成している。強みは中立性と自由なカスタマイズにあり、自社サービスにあわせた独自デザインが可能なことだ。

Key Company 7 Cohesity AL×ストレージ

バックアップ、テストや開発、分析など、クラウドサービスの管理はサイロ化し分断されていて、管理は複雑化している。これを統合して扱いやすく提供するプラットフォーム。世界の銀行や名だたる企業、政府機関に採用されており信頼性が高い。ソフトバンク・ビジョン・ファンドの支援により、展開できる体制が整った。

Key Company 8 Petuum AL×機械学習

AIのエキスパート集団。あらゆるデータやハードウェアに対応する汎用的なAIを提供する、マシンラーニングのプラットフォーム企業。AIの産業化を使命とし、製造業が多い日本への可能性を感じて展開しようとしている。

■後記

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