中小企業こそ導入したいクラウドバックアップとは

中小企業こそ導入したいクラウドバックアップとは

(2019年1月31日掲載)

目次

いざというときのために、バックアップを取得して信頼性を高めることは重要です。しかし、バックアップデータを、リストアデータ(復元や修復するためのデータ)として有効に活用するための環境を整備することは、簡単ではありません。バックアップを取得するためには大容量ストレージが必要となり、暗号化や信頼性の向上といった適切な対策を施す必要があるからです。こうした面倒な大容量ストレージの運用を避け、バックアップを簡素化するためのツールが登場しています。それがクラウドバックアップ。クラウド上にバックアップを保存するという概念で、面倒なバックアップデータ運用を回避し、信頼性の向上などセキュリティを強化することもできるのです。

クラウドバックアップとは

クラウドバックアップとは、簡単にいえばデータをクラウド上に保管したり、複製したりすることです。一言でクラウドバックアップといっても、サービスを提供している企業によってタイプが違い、大きく「IaaS」と「SaaS」の2つに分けられます。

IaaS型クラウドバックアップ

従来から使っていたバックアップソフトはそのまま継続利用し、ストレージに格納しているバックアップデータのみを、IaaS型のクラウドサービス上に移行する手法です。IaaSとはInfrastructure as a Serviceの略で、日本語だと「サービスとしてのインフラ」。クラウドの一種であり、コンピュータシステムを動かすための基盤をサービスとして提供するというものです。バックアップデータをそのままクラウド上のストレージに直接格納する場合もあれば、バックアップデータを一旦は社内ストレージに格納し、クラウド上にも同じデータを複製することで、柔軟性と信頼性を高める場合もあります。

いずれにしても、こうした手法を取る場合には、バックアップデータはIaaS型のクラウドサービス上に格納します。すでに複数のサーバを社内で運用し、大容量ストレージによりバックアップ運用をしているような、大企業向けのクラウドバックアップ手法であるといえます。

SaaS型クラウドバックアップ

近年急速に普及してきたクラウドバックアップ手法です。SaaSはSoftware as a Serviceの略で、「サービスとしてのソフトウェア」を表し、IaaSと同様にクラウドの一種です。バックアップソフトウェアとクラウドストレージがセットになって提供されるため、一般的には設定も容易で、サーバもクライアントPCも簡単にバックアップ対象となり、バックアップデータを安全にクラウド上に格納できます。

こうしたクラウドバックアップ手法が普及している背景として、ランサムウェア被害の拡大が挙げられます。ランサムウェアは、PCやサーバの中のデータを暗号化して復号化できない状態にするため、バックアップデータを取得する必要性が高まっているのです。専任のシステム担当者がいないことも多い中小企業では、普及がさらに進むと考えられる手法でしょう。

クラウドバックアップのメリット・デメリット

一見するとメリットが多いクラウドバックアップですが、デメリットもあります。メリットにだけ目を向けるのではなく、デメリットも把握して冷静にクラウドバックアップの導入を検討しましょう。

メリット

従来であれば社内に設置するために必要となった大容量ストレージの初期費用が必要ではなくなるため、コストメリットが大きいでしょう。SaaS型クラウドバックアップであれば、ソフトウェア費用もサブスクリプション型で提供されることが多いため、初期費用をさらに抑えることが可能です。管理インターフェースはWebブラウザで提供されることが多いため、場所や情報端末を選ばずバックアップ状況を確認できることもメリットです。

そして、クラウドバックアップの場合は、日々のバックアップストレージの運用からも開放されます。しかも、暗号化やデータの冗長性により、セキュリティ強度は社内ストレージへの格納に比較して顕著に向上します。クラウドバックアップは、いざというときの確実なリストアを可能とする環境を提供してくれるのです。

デメリット

クラウドバックアップのデメリットとして、緊急時にしか使わないバックアップデータに対し、毎月のようにランニングコストがかかるということが挙げられるでしょう。ランニングコストは、面倒な運用方法からの開放や安全にバックアップデータを格納することへの費用ですが、場合によってはその対費用効果をマネジメント層に理解してもらうことが難しい場合があるかもしれません。

クラウドバックアップを導入するのであれば、インターネット回線の問題も見逃せません。場合によっては、バックアップデータをクラウド上に格納するためにインターネット回線を専有してしまい、通常業務に悪影響を与えることもあり得ます。バックアップスケジュールを適切に設定し、バックアップデータをクラウド上に格納する際は、深夜など業務時間外に設定する必要があるでしょう。

クラウドバックアップの構築方法

それでは、クラウドバックアップはどのような手順で導入を進めればよいのでしょうか。

1. バックアップソフトのインストール

IaaS型でもSaaS型でもクラウドバックアップの最初の一歩は、バックアップソフトのインストールです。サーバでもクライアントPCでもバックアップの対象とすることができますが、いずれにしてもバックアップソフトのインストールが必要となります。

2. クラウド型オンラインストレージの選択

バックアップ先としてクラウド上のオンラインストレージを選択します。IaaS型の場合は、クラウド事業者との契約などが必要となりますが、SaaS型の場合はサービスに含まれます。このため、特にバックアップ先を設定しなくても、自動的にバックアップデータはオンラインストレージに格納されるでしょう。

3. 日々の運用

オンプレミス型のバックアップと比較し、クラウドバックアップの場合は運用の手間は激減します。それでもバックアップデータが正常に取得されているか、バックアップデータが必要以上に肥大化していないか、こうした視点でモニタリングしていく必要はあります。同時に、いざというときに修復できるように、手順は整備しておくようにしてください。

クラウドバックアップという選択肢

軽視しがちなバックアップですが、クラウドバックアップの登場により、手軽に導入できる環境が整ってきたといえるでしょう。企業規模の大小に関わりなく普及が進みつつありますが、特にSaaS型クラウドバックアップサービスは、ランサムウェア対策が求められる中小企業を中心に普及してきています。今後到来するクラウド時代を見据えて、まずはバックアップから手軽にクラウド化するという選択肢もあるでしょう。企業規模に関係なく、大切なデータをバックアップすることは企業活動にとって重要ですので、検討してみてはいかがでしょうか。

関連サービス

Cohesity

Cohesityはオンプレミス・クラウドのハイブリッドクラウドに存在するセカンダリストレージのサイロを、ハイパーコンバージドかつクラウドネイティブの単一プラットフォームに統合することによりお客さまのデータ活用を支援します。→詳細をみる

あわせて読みたい関連記事

◾︎企業のデータの8割は管理できていない!?データをスマート化するストレージ「Cohesity(コヒシティ)」

◾︎中堅・中小企業の「ファイル共有の壁」と、その解決策は?