中堅・中小企業の「ファイル共有の壁」と、その解決策は?

中堅・中小企業の「ファイル共有の壁」と、その解決策は?

(2019年1月31日掲載)

目次

業務効率化の実現は、情報共有による暗黙知(経験や勘に基づく知識)を形式知(文章や図表、数式などによって説明・表現できる知識)にするナレッジマネジメントの推進がカギとなり、そのうち最も有効なツールが「ファイル共有」ともいわれています。ところが、中堅・中小企業の場合には「ファイル共有の壁」があるとされています。今回は、壁はなぜ存在し、どうすれば壁を突破できるのかを紹介していきます。

中堅・中小企業の生産性向上の隠れた阻害要因とは?

業務の生産性を上げるために欠かせないのが「情報共有」です。情報共有の目的は、「日々変化する業務状況や顧客情報を関係者全員がリアルタイムに把握することにより、迅速な行動で生産性を上げる」「情報共有をすることで、個々のスキルやノウハウの整合性を図ることによってチーム力を向上させる」などにあります。情報共有ができなければ業務の円滑な流れを阻害し、業務の生産性を低下させる主因になるでしょう。

ファイル共有のメリット・デメリット

ビジネス文書の大半がデジタル化されている中、情報共有を円滑に進めるためには中堅・中小企業においても「ファイル共有」ツールの導入が不可欠とされています。ファイル共有とは、「サーバ等外部記憶装置に保存したビジネス文書を複数の情報端末で利用する仕組み」のことです。そのメリットは、以下の通りです。

  • ビジネスコミュニケーションの円滑化
    報告、計画書等パソコンで作成した文書をファイル共有することで、関係者はいつでも閲覧・利用できる

  • 文書閲覧の迅速化
    目当ての文書やその関連文書を容易かつ迅速に検索・閲覧できる

一方、デメリットに「導入設定の複雑さ」があります。ファイルを共有する場合は、まず公開文書と非公開文書の設定が必要ですし、次にチーム・社員ごとの文書アクセス制限やセキュリティの設定も必要です。また、文書はサーバ保管が原則なので、サーバが故障すればたちまちファイルは共有できなくなってしまいます。

ファイル共有ツールとして、かつてはチャットツールや社内SNSなどが一般的に利用されていましたが、報連相の円滑化には有効でも、情報共有の本来の目的とは距離がありました。このため、ファイル共有ツールは現在、「ファイルサーバ」が主流になっています。ファイルサーバとは、社内ネットワークで利用する社内設置の「文書ファイル共有専用サーバ」のことで、社内ネットワーク利用による社内文書の共有・活用、社内文書作成の共同作業効率化、文書保管の一元化による文書管理の効率化などの機能が特徴です。また、大別するとファイルサーバには次の種類があります。

  • NFSサーバ
    UNIX系の通信プロトコル「TCP/IP」のネットワーク上で利用できるファイルサーバ。LinuxなどUNIX系のOSでそのままファイル共有ができます。

  • Sambaサーバ
    UNIX系のコンピュータがWindowsのネットワーク上で利用できるファイルサーバ。Windowsパソコンからファイルサーバを利用できるので、NFSサーバより汎用性と利便性が高いとされています。

  • FTPサーバ
    インターネットのファイル送受信プロトコル「FTP」を利用するサーバのこと。インターネットでファイルサーバを利用できるので、中堅・中小企業の場合はファイルサーバの導入が容易といわれています。反面、通信プロトコルの特性上、ファイル送受信の際のパスワードが暗号化できないので、ウイルス感染・アカウント窃取等セキュリティ面のリスクを抱えています。

これらのファイルサーバの導入・運用に際しては、相当な初期投資に加え、次の対策が必要とされています。

  • 情報漏洩対策
    貴重な社内文書の漏洩を防ぐ

  • 障害対策
    データバックアップやシステム二重化、耐震化など

  • システム肥大化防止対策
    不要ファイルの増加の防止など

これらの対策を疎かにすると、「せっかく投資したのに期待した効果が得られない」と嘆く結果を招きます。すなわち、「ファイル共有の壁」です。ビジネス文書のデジタル化が進み、情報共有の推進環境が年々進化する中で、中堅・中小企業の多くはこのファイル共有の壁に阻まれ、ナレッジマネジメントを推進できない環境に置かれているのが実情でしょう。

こんなに凄いクラウド型ファイルサーバのメリット

企業のIT化の状況を調査した経済産業省の「平成29年度情報処理実態調査」によれば、ファイル共有の壁が「情報システム管理者の層の薄さ」にあることがうかがえます。「専門組織やプロジェクトチーム、専属社員を設置している」と答えた割合は、資本金5000万円以下の企業は8.8%、同5000万円超1億円以下は16.2%なのに対し、同10億円超100億円以下は27.7%、100億円超は43.7%となっています。この調査結果からも、中堅・中小企業では「専任の情報システム管理者不在、『ひとり情シス』の企業が珍しくない」という実態が推測されます。

このようなIT活用環境に置かれている中堅・中小企業が、ナレッジマネジメント推進のためにファイルサーバを自社設置するのは困難でしょう。そこで近年、ファイル共有の壁を突破するために中堅・中小企業の間で導入が進んでいるのが「クラウド型ファイルサーバ」です。

インターネット上で利用できるアウトソーシング型のファイルサーバで、システム設定から運用まで、全てベンダが行ってくれるので、自社に専任の情報システム管理者がいなくても導入できます。具体的には、自社設置の必要がないので初期投資が不要、ファイルサーバ設置スペースやシステム運用経費が不要、社内ネットワークがなくても導入できるなどのコストメリットがあります。また、社内設置サーバは固定資産なので課税対象になりますが、クラウド型サーバの利用料は経費計上ができるので、節税要素にもなるでしょう。一方、デメリットとしては、ベンダはクラウド型ファイルサーバを基本的にパッケージで提供しているので、自社利用に最適化したカスタマイズが難しい点が挙げられます。

情報共有の悩みはクラウド型ファイルサーバが解決

専任の情報システム管理者設置が困難な中堅・中小企業においては、クラウド型ファイルサーバが最適とされています。先行企業の導入事例から「中堅・中小企業がファイルサーバを導入するならクラウド型」の認識も急速に高まっています。そこで、クラウド型ファイルサーバを導入する際は、セキュリティ対策の信頼性、操作性と利便性(ITリテラシーの低い社員でも使いこなせるか)、バックアップが適正に行われているか、の3点をポイントにベンダを選ぶのが「クラウド型ファイルサーバ導入に失敗しないコツ」と言えます。

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