まだ削減できる?企業におけるコスト削減の進め方

まだ削減できる?企業におけるコスト削減の進め方

(2019年6月3日掲載)

目次

コスト削減に取り組んでいない企業というのは存在しないでしょう。コストの削減は、利益にそのまま跳ね返るため、どの企業もなんらかの取り組みはしているはずです。継続的にコスト削減対策をしており、もうこれ以上どこにも削る余地はないと考えている経営者も多いのではないでしょうか。場合によっては、コスト削減を意識するあまり、本来は必要なコストを削減してしまい、企業経営にダメージを与えている例もあるかもしれません。しかし、コスト削減方法を正しく理解し実践に移していけば、収益性を向上させながら、よりいっそう成長していくことが可能なのです。
ここでは、コスト削減を正しく進めるために、コストの種類や削減手順について説明していきます。

コストの種類を理解する

コスト削減と聞くと、どのようなことを思い浮かべますか?真っ先に文房具類などの経費削減が思い浮かぶ人もいるでしょう。その他にも、広告宣伝費などの予算の削減、ときにはボーナスを通じて給与が削減される例もあるでしょう。多くの場合、コスト削減にはネガティブなイメージがつきまといます。

しかし、それでは従業員のモチベーションが低下し、削減の効果以上に生産性が低下する恐れもあります。効果的なコスト削減をするための最初の一歩、それはコストの種類を理解すること。コストを多角的な視点で分析し、不必要コストを洗い出す必要があります。それではコストはどのように分類されるのでしょうか。

固定的なコストと変動的なコスト

固定的なコストとは、売上の増減にともない変動することのない固定費のことです。家賃や正社員の給料、機械設備等の原価償却費が挙げられます。

一方で、変動的なコストとは売上の増減にともない変動する変動費のことです。材料などの仕入れ、外注費、燃料費などが挙げられます。

固定的・変動的という視点で見たときに、まず削減したいコストはどちらになるでしょうか。一般的には、固定費を削減する、あるいは固定費を変動費化するというアプローチを取ります。なぜなら、固定的なコストをおさえて変動費化できれば、売上の増減に応じて費用も増減するようになるため、収益率の変動リスクが小さくなるからです。逆に、固定費負担が重くなると、売上が減少した際に赤字に転落する可能性が高まります。

正社員を非正規雇用社員にすること、機械設備のリース契約、クラウドによるシステム導入は、固定費の変動費化の代表例といえるでしょう。家賃交渉や余分な保険の解約などは、固定費のダイレクトな削減につながるため、手を付けていない場合には真っ先に検討したいコスト削減策であるといえます。

原価と販管費

コストを決算書の視点でみたときには、企業のコストは原価と販管費(販売費および一般管理費)に分類できます。多くの場合、原価は材料費や外注費で構成されます。販管費には人件費や広告宣伝費が含まれます。

この視点で見る場合、まず参考にするべきは業界標準です。中小企業であれば、日本政策金融公庫が公表している中小企業の経営等に関する調査が参考になるでしょう。大企業であれば、同業他社が公開している決算データが参考になります。いずれにしても同業他社と自社の経営指標を比較し、決算書上のどのコストが削減できるのか、判断する材料にするのです。
例えば、売上高総利益率の指標が同業他社より低いのであれば、原価を低減できる余地があるかもしれません。また、売上高対人件費比率が同業他社より高いのであれば、従業員の給料が高すぎるかもしれません。決算書からコスト分析するのであれば、自社のものを見ているだけでは多くの気づきを得ることはできません。他社と比較してこそ、具体的なコスト削減の立案ができると考えてよいでしょう。

直接的なコストと間接的なコスト

商品・サービス別の収益性を把握するといった視点の財務分析、いわゆる管理会計の視点を取り入れる場合に重要なコストの考え方が、直接的・間接的という概念です。直接的なコストとは、その商品やサービスを生み出すために直接的に必要なコストのことで、製品ラインに従事する作業員の人件費や原材料費のことです。一方で間接的なコストとは、商品やサービスを特定するのが難しい間接的な、しかも必要なコストのことで、工場長の人件費や本社の家賃などが挙げられます。

この視点でコスト分析する場合は、まず商品やサービスごとの収益性を算出します。そのうえで、収益性も売上貢献度も低い商品やサービスについては、販売そのものを中止することで直接的なコストを削減するというアプローチを取ります。直接的・間接的という視点でコストを把握できれば、商品やサービスごとの収益性が把握できるため、経営戦略的な視点でコスト削減を進めることができるでしょう。

コスト削減の手順

削減するべきコストのあたりをつけられれば、業務を行う現場の視点から具体的なコスト削減策を立案していきます。

1.現状分析

コストの分類に基づき「ここを削減するべきだ」という視点にとらわれて、強引なコスト削減を進めることは、現場の反感を招き、従業員のモチベーション低下につながりかねません。まずは現場担当者とのコミュニケーションをしっかりとおこなってください。そのうえで業務プロセスを正しく理解し、場合によっては業務フローなどを駆使して現状を見える化することも必要です。

2.対象となるコストの洗い出し

現状分析の結果、削減するべきコストの顕在化やコスト削減可否の判断ができます。場合によっては、業務効率化のために、ITツールへ投資することでコスト削減するというアプローチが求められるかもしれません。このフェーズでも、現場担当者とのコミュニケーションが重要となります。

3.実行と評価

コスト削減策を実行に移していきます。現状分析や従業員とのコミュニケーションといった対策をとっていても、十分なコスト削減効果が出ない、あるいは従業員のモチベーションが低下している、といったことは頻繁に発生します。コスト削減の効果を高めるためにも、モニタリングを徹底し、有効性の評価を行うようにしてください。

コスト削減を企業収益力強化につなげるために

もう削る余地がないと考えがちなコストですが、コストを多面的に把握し分析することで、削減できるコストが数多く浮かび上がってきます。効果的なコスト削減に成功した企業が、市場において競争優位を確保し、順調な成長曲線を描くことができるのです。
重要なことは、闇雲にコスト削減を進めないことです。コスト分析により削減するべきコストにあたりをつけるとともに、現場の従業員とのコミュンニケーションを取りながら、実効性の高いコスト削減策を進めるようにしてください。コスト削減策の実行は、ときに業務効率を実現するためのITツール導入をともないます。具体的な解決方法は、ソフトバンクなどの法人向けサイトを参考にしてください。

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