AIの仕組みとは_ビジネスでの導入事例を踏まえてわかりやすく解説

AIの仕組みとは_ビジネスでの導入事例を踏まえてわかりやすく解説

(2019年6月10日掲載)

目次

AIはあらゆる分野で活用でき導入後にすぐ効果が出る、という誤解から、導入後に認識の食い違いが明らかになりAIを適切に活用できていない企業が少なくありません。しかしながら、AIに関して正しい知識を持ち、適切に活用すれば業務効率化、生産性向上、顧客満足度向上を図ることができます。

今回は、AIについての定義や仕組みを確認したうえで、現在のAIができることやビジネス現場でどのようにAIが活用されているかについてわかりやすく紹介します。

AI(人工知能)の定義・仕組みとは?

AI(人工知能)には、実は明確な定義はありませんが、通常は「人間の脳が行っている知的な活動をコンピュータで行うこと」を指します。従来のコンピュータはあらかじめプログラムされたことしか実行することができませんが、AIは自律的に認識・学習・判断・推測を行うことができ大きく分けて2種類あります。
1つ目は、強いAIといわれる「汎用型人工知能」と呼ばれるAIです。強いAIとは、人間のように自我や自意識を持ち、広い範囲で自律的に行動をするロボットを指します。
2つ目は弱いAIといわれる「特化型人工知能」と呼ばれるものです。特化型人工知能は特定の領域においてのみ知的な活動を行えるAIです。現在、実用化されているのはほとんどがこの「特化型人工知能」で、具体的にはお掃除ロボットや囲碁のAIなどがあります。
AIを実現する仕組みの一つが機械学習です。機械学習とは、コンピュータに学習させる手法のことで、大量のデータを反復して学習して、そこに潜むパターンを見つけ出すことです。従来は、大量のパターンを人間が用意してコンピュータに覚えさせる必要がありました。例えば、AIに「犬」を認識させるためには、さまざまな犬の顔やひげ・耳・尾などの特徴を読み込ませます。現在は、CPUの高性能化によりコンピュータ自身が自らインターネット上の画像から特徴を認識し、パターンを認識できるようになっています。この機能を「ディープラーニング」といいます。ディープラーニングの実現により、高速かつ正確な機械学習が行われるようになり、飛躍的にAIの実現性が高まりました。

AIができることとは?

弱いAIができる3つの分野のことと、強いAIの現状について紹介します。

1.画像解析分野

画像解析では、カメラに映った映像をコンピュータが認識し、状況を推測したり、映像を補正したり、音声で説明したりすることが可能になります。具体的な技術としては、車の危険運転防止機能や自動運転機能、不鮮明な画像やモザイク処理をした画像の修復、モノクロ画像のカラー化などの機能が画像解析によって研究・開発されています。

2.音声解析分野

音声解析分野では、人の言葉を聞いて記録したり、わずかな音の違いを聞き分けたりする技術が研究されています。例えば、会議の議事録を取ってくれたり、熟練の職人にしか聞き分けられないような微妙な音の違いを聞き分けて工場内の機械の異常を感知したりする機能です。

3.自然言語処理分野

自然言語処理分野では、人と会話をしたり、情報をまとめてニュース記事を書いたりする機能が研究されています。会話のできるスマホアプリや天気予報ではすでに実用化がされていますが、精度の向上にむけて研究が進んでいます。

続いて、強い人工知能について紹介します。

4.強いAI・汎用型人工知能はまだ研究段階

特定の機能に特化せずに人間のように考えて動く強いAIの実用化に向けては、まだ大きな壁があります。ワシントン州にあるアレン脳科学研究所のCEOであるOren Etzioni氏によると、現状の強いAIは「3歳児の能力にも及ばない」とのことです。とはいえ、実用化された際には科学者のアシスタント、企業の敵対的買収の際の助言、高齢者の日常動作補助などあらゆる場面での活躍が期待されており、研究が進められています。

実用化されているAIの具体例

現在、ビジネスの現場で用いられているAIの具体例について紹介します。

1.画像解析機能を活用した空席検知

アミューズメント施設や飲食店、各種イベントなどで、AIの画像解析を活用したリアルタイムの空席検知システムが導入されています。従来の空席検知システムでは座席ごとにセンサーやカメラの設置が必要でしたが、AIを活用した場合は全体を見渡せる位置に1台カメラを取り付ければ、その映像からAIが空席を判断してくれます。Twitterなどと連動し、リアルタイムの情報を周知することもできます。

2.画像解析・音声解析機能をIoTの頭脳に用いて産業機械を監視

IBMは画像解析・音声解析機能を持つAI「Watson」を頭脳として搭載したIoTを開発しています。それにより、例えばトラックや社用車の耐用年数の把握や産業機械の監視が行えるようになります。その結果、故障やトラブルが発生する前に交換を行うことが可能になり、コスト削減や安全性向上を実現することができます。

3.音声解析と自然言語処理機能によるコールセンター補助

AIの音声認識と自然言語処理機能によってコールセンターのサポートも行われています。例えば、チャットボットはオペレーターが介在せず機械が自動応答をしてくれるAIです。チャットポッドが回答できない問い合わせのみをオペレーターが対応することで、オペレーターの業務負担の軽減、人件費の削減、待ち時間の減少による顧客満足度の向上を図ることができます。

4.画像解析とディープラーニングによる店舗改善

AIを実店舗の改善に役立てている事例もあります。来店者の行動を可視化・分析、来店者の属性(年齢・性別・年齢など)、表情の分析によるリピート推定などのデータ分析をAIで行い、売り場のレイアウトや商品仕入れに反映させることで、売上のアップを図ることができます。

AIの業務への活用は生産性向上の手段に

画像解析分野、音声解析分野、自然言語処理分野でAIは、すでに非常に高度な働きを示しており、紹介した事例のように、すでに売り上げの増加や業務効率化に役立てられています。今後、AIの開発は加速し、重要性がさらに高まっていくことが予想されますので、仕組みやできることを正しく理解し、ぜひ活用法について検討してください。

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