中堅・中小企業も無関心ではいられない「機械学習」のメリットとは?

中堅・中小企業も無関心ではいられない「機械学習」のメリットとは?

(2019年6月14日掲載)

目次

購買行動分析や売上予測などの精度向上実現に向け、「機械学習」のビジネスでの活用が本格化しています。このため、今や機械学習の活用は中堅・中小企業でも「無関係」と言えない状況になりつつあります。機械学習は中堅・中小企業の経営において、どのようなメリットをもたらすのでしょうか。

機械学習のビジネス活用が注目される理由

機械学習とは、AI(人工知能)の中核的技術のことです。ビジネスでの活用においては、過去の取引データ、工場の操業データなど大量のデータを反復的に学習し、そこからより的確な予測や意思決定支援に役立つパターン(規則や法則)を導き出すコンピュータ技術といえます。
近年、機械学習が注目されているのは、技術発展によるコンピュータ処理能力の向上により、膨大なデータを処理するコストパフォーマンスが飛躍的に向上したためだと言われています。これにより、大量の多様かつ複雑なデータ分析を低コストで実現することが可能になり、人力では時間もコストもかかる精度の高い分析を迅速に出力できるようになりました。そして、迅速に精度の高い分析が得られるようになれば、企業は機会損失や逸失利益の発生防止、利益確定タイミングの特定、未知のリスク予測などが行いやすくなり利益増につながるため、機械学習のビジネスでの活用が注目されているのです。

1.三手法に大別される機械学習の仕組み

機械学習の仕組みは次の三手法に大別されます。プログラミング手法やアルゴリズムがそれぞれ異なります。

教師あり学習
教師あり学習における「教師」とは「例題とその答え」のことです。これを「教師データ」と呼びます。
AIに教師あり学習の手法で機械学習をさせる場合には、この教師データをAIに参照させながら膨大なデータを分類させる学習手法です。
これにより、データを分類する精度を効率的に上げていくことができますが、逆に言うと「教師データの種類」=「AIが分類できる種類」ですので、教師データが用意されていない分類を見つけ出すことはできません。

教師なし学習
入力したデータの規則性をAIが発見する手法です。教師あり学習の場合は「答えの設定」によりデータを判別しますが、教師なし学習の場合は「違いの発見」によりデータを判別するのが特徴です。この性質から、未知のデータを分析しその特徴を洗い出し分類する分野で活用されるAIにおいて用いられるケースが多い機械学習の方法です。

強化学習
教師ありも教師なしも「答え」が学習のキーポイントになっています。これに対して、答えを求めず、代わりに「行動と報酬」をキーポイントにしているのが強化学習の特徴です。具体的には、入力したデータの状態をAIが自ら分析し、どのような行動(結果を出す)をすれば報酬を最大化できるかを学習する仕組みです。この性質から、人間にも正解の判断が難しい場合でも学習することができるため、強化学習を行ったAIは人間よりも高度で精密な分析が可能になる場合もあります。

2.混同されやすい機械学習とディープラーニングの違い

機械学習と混同して論じられやすいのが「ディープラーニング(深層学習)」といわれています。ディープラーニングとは「機械学習の一部であり、かつ機械学習機能を特化的に進化させたAI」とされています。すなわち、機械学習は入力したデータをAIがアルゴリズムにより解析し、そのデータの特徴や規則性を発見します。一方、ディープラーニングは人間の神経を参考に開発された「ニューラルネットワーク」によりデータ解析機能を特化的に進化させたAIです。ディープラーニングは現在、医療診断、大規模自然災害発時期予測など公共的な分野での実用化が進められています。

3.人間の介在が重要な機械学習導入手順

企業が機械学習を導入する場合の手順は、

1. 学習データの用意:導入目的に基づいたデータ収集

2. 機械学習手法の選択:導入目的に合った手法選択

3. 入力データの前処理:収集したデータの中から機械学習に利用するデータを選別し、データ変換によりデータ処理形式を統一する

4. モデル創出の学習:学習データでハイパーパラメータのチューニング(調整)とモデル創出の学習を行う

5. モデルの評価:学習済みモデルの精度チェックと、テストデータによる汎化性能の評価を行う

6. 機械学習の運用開始:精度チェックと汎化性能評価により選び出した学習済みモデルを、機械学習運用環境で実行できるデータ形式に変換し、AIツールに組み込む

7. 4と5の反復により機械学習の精度を高める

の流れが基本になります。

この中で最も重要な手順が④の「モデル創出の学習」といわれています。機械学習の良し悪しは、「人間が手動で行うハイパーパラメータ(機械学習のデータ設定値)のチューニングに左右される」とされているからです。

大企業の74%が導入に前向きな機械学習のメリットとは?

機械学習が得意とする仕事は、多種多様な大量データから普遍的なパターンを見つけ出して情報を適切に仕分ける「分類」、パターンに基づき将来発生する事象を予知する「予測」、パターンから逸脱した異常や想定外事象を的確に捉える「検知」などとされています。

これをビジネスに当てはめると、

小売業……需要・売上予測、新規出店店舗の販売予測、消費者の購買行動可視化

サービス業……来場者予測、来場者の特性分類

製造業……工場のエネルギー消費最適化、設備の故障検知、製品検査の精度向上

などの業務で効果を発揮しそうです。

マーケティング分野では機械学習の導入が進んでいます。販売実績・商品売れ残り、イベント参加者の情報、ネット通販サイトの購買履歴など膨大なデータを機械学習により処理することで、より精度の高い予測や販促企画立案に役立てているようです。
また、機械学習の導入は、経験豊富なマーケターの採用が難しいため、効果の高い販促活動に悩んでいるケースが多いといわれる小売・サービス業の中堅・中小企業が、効果の高い販促活動を実施できる点でもメリットが大きいといわれています。
さらに機械学習は、情報システム運用自体へのメリットも大きいようです。例えば、IT市場専門調査会社のIDC Japanが2018年9月13日に発表した『2018年 AI(人口知能)/ML(機械学習)がストレージ支出に与える影響に関するユーザー調査結果』によると、調査対象企業611社のうち454社(74.3%)が、AI/MLを自社のITインフラ管理で「すでに利用中」、「1~2年以内の利用を計画」、「時期は未定だが利用を検討中」と答えています。
そして、これらの企業がAI/MLを「ITインフラ管理で利用する理由」(複数回答)は「保守サポートコストの抑制」(49.3%)、「ビジネス要求への迅速な対応」(43.0%)、「人員コストの抑制」(40.7%)が上位3項目を占めています。この調査結果からは、企業の多くが「AI/MLはコストパフォーマンスが高い」と認識している様子がうかがえます。

機械学習活用は中堅・中小企業でも間もなく「当然の時代」に

機械学習はさまざまな可能性に満ちた先端テクノロジーです。しかもそのビジネス活用範囲は多岐にわたっています。したがって中堅・中小企業が機械学習を当たり前のように活用する日が来るのも、そんなに遠くないでしょう。
とはいえ、現時点で中堅・中小企業が機械学習ツールを活用しようとすると、さまざまな壁に直面するのも事実。この壁を乗り越えるソリューションとして、ソフトバンクが提供しているのが機械学習のクラウドサービスMAGELLAN BLOCKS(マゼランブロックス)です。
MAGELLAN BLOCKSはプログラミング技術やプログラミングデータの解析・処理など機械学習の知識がなくても、データの集計、分析、分類などにより様々な予測を可能とするため、中堅・中小企業でも導入しやすいツールといえるでしょう。

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