離職率の高い企業の問題とは?人材流出を防ぐために有効な改善策

離職率の高い企業の問題とは?人材流出を防ぐために有効な改善策

目次

深刻な人手不足が叫ばれるなか、企業にとって離職率を下げることは大きな課題のひとつです。離職率の高い企業にはどのような問題があるのでしょうか。今回は、国内の企業・業界ごとの平均離職率を紹介するとともに、離職率を改善するために具体的にどのような取り組みが有効であるのかについても取り上げてみます。

離職率の算出方法

まず始めに、「離職率」とは具体的に何を指す数字なのか、その定義からご紹介します。一口に離職率といってもさまざまな算出根拠があります。今回は厚生労働省が発表している雇用動向調査の算出基準で考えてみましょう。

厚生労働省による雇用動向調査の離職率は「離職者の数÷1月1日時点の従業員数×100」で算出しています。ちなみに離職率の定義や算出方法は法律で規定されたものではありません。そのため、企業や団体が発表している離職率は4月1日を起算日とし、年度ごとに統計をとっているケースがほとんどです。

日本企業全体と産業別の平均離職率

次に、日本全体の離職率の現状を見てみましょう。今回は日本企業全体の離職率と産業別の離職率について取り上げてみます。

日本企業全体の平均離職率

2017年の雇用動向調査では、日本企業全体の離職率(パート・アルバイト除く)は11.6%となっています。男女別で見てみると、男性13.0%、女性17.2%となっており、女性の離職率が高い傾向が分かります。女性の場合、結婚や出産を機に退職するケースがあるため、このような数字となっていることが推測されます。

産業別の平均離職率

次に産業別の離職率を見てみましょう。もっとも高いのが宿泊・飲食業の30.0%、次いで生活関連サービス業・娯楽業の22.1%、サービス業の18.1%。反対にもっとも少ないのが複合サービス事業の7.7%、次いで建設業の8.4%、製造業の9.4%となっています。離職率が高い産業はそれに比例するように入職率も高い傾向にあり、人材の入れ替わりが激しいことが分かります。

ちなみに離職率がもっとも少ない「複合サービス事業」とは、主に郵便局や協同組合などが該当します。協同組合には農業協同組合や漁業協同組合、信用事業、共済事業などが含まれます。

離職率が高い企業の特徴と改善の取り組み

日本国内の企業は産業別によって離職率も大きく異なることが分かりましたが、離職率が高い企業にはどのような特徴があるのでしょうか。

離職率が高い企業の特徴

離職率が高いということは、従業員にとって働きやすい環境ではないケースが多いものです。離職率が高い企業に多く見られる特徴をいくつか挙げてみましょう。

・ 福利厚生が充実していない

育児休暇や介護休暇といった福利厚生は働きやすさに直結する福利厚生制度の一つです。特に日本では女性が結婚、出産を機に退職するケースが少なからずあり、女性の離職率が高い傾向にあります。その背景には十分な育児休暇が制度化されていないことも考えられます。また、そのほかにも、住宅手当や休暇制度、年金制度などの福利厚生が乏しい場合も離職率の高さに直結する要因といえます。あらためて自社の福利厚生制度が十分整っているか確認してみましょう。

・ 長時間労働やハラスメントが横行している

労働基準法に明らかに違反している行為が横行している企業も当然ながら離職率が高い傾向にあると考えられます。長時間労働やセクハラ、パワハラなど、ハラスメント行為が代表的な例といえるでしょう。上司に相談しても改善されず、黙認されているような企業もまだまだ存在します。従業員にとって過酷な労働環境はその会社から逃げ出すための動機になりえるものです。労働基準法を満たしていない場合は論外ですが、満たしている場合も自社の労働環境は働きやすいものであるか、今一度考える機会を作りましょう。

・ 教育体制が整っていない

慢性的な人手不足に陥っている企業のなかには、教育をする余力がないケースも少なくありません。実際に仕事をしながら覚えていくことになりますが、適切なアドバイスや助言をしてくれる上司や先輩がいないと従業員も不安に感じてしまい、安心して仕事に取り組むことができません。そんな状況では、万が一大きな失敗をした時に助けてもらえないのではないかという企業への不信感から、退職を考える従業員も出てくることでしょう。

・ 報酬に納得感がない

多くの従業員にとって報酬は企業を選ぶ重要なポイントです。労働時間や業務内容、責任の重さなどを考えたときに適切な報酬が支払われていないと転職を考える要因にもなります。報酬の相場と照らし合わせたときに明らかに低い水準であったり、評価基準があいまいな状態であったりすると報酬に対する納得感が感じられず退職を考える従業員もいるでしょう。

離職率の高さを改善するための取り組み

離職率が高くなる原因と考えられるポイントを挙げましたが、離職率を改善するにはどのような取り組みが有効なのでしょうか。具体的に紹介していきましょう。

・ 長時間労働の是正

慢性的な残業や休日出勤などが続いている場合はその原因を探りましょう。業務フローの見直しで改善できるケースや、従業員のスキルアップや配置の見直しで解決できるケースもあります。全社的に長時間労働が常態化している場合は人的リソースが十分足りているかを確認してみることも重要です。人的リソースが不足しており、フローや仕組みの見直しでは解決できない場合は新たに従業員を迎え入れることも必要になるでしょう。

・ 在宅勤務制度

多くの企業が採用し始めているのが在宅勤務制度です。通勤が不要であるため時間の自由度が増え、より快適な労働環境を実現できます。ITツールの整備や細かなルール化などの手間はかかりますが、従業員の満足度の向上や離職率の低下を目指す場合には有効な方法といえます。

・ 福利厚生制度の充実

育児休暇や介護休暇といった基本的な福利厚生制度を見直すことはもちろんですが、企業オリジナルの福利厚生制度を検討してみることも有効です。たとえば、朝食の支給や懇親会の費用補助、自己啓発への費用支給などが一例として挙げられます。従業員にとって身近で目に見える福利厚生制度であればあるほど、満足度も高くなるといえるでしょう。

・ 教育体制の整備

長時間労働の是正とも共通する部分が多いですが、教育を担当する人材や時間を確保するために、根本的な教育体制から整備しなおすことも重要です。人手不足で新たに人材を迎え入れる余裕がない場合は、eラーニングなどの教育システムを導入することによって解決できるケースもあります。また、従業員自らスキルアップをしてもらうための施策として、資格手当などを導入することも有効といえるでしょう。

離職率悪化を防ぐために

企業にとって人材は貴重な存在です。離職率が高く、人材の入れ替わりの激しい企業は業務のノウハウが蓄積されず、生産性も上がりにくくなってしまうでしょう。従業員にとって働きやすい環境を整え、人材の流出を防ぐことは多くの企業にとって重要な課題といえます。今回ご紹介した内容を参考にし、離職率の改善を考えるきっかけにしましょう。

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