知らなければ損をするWi-Fi導入のメリット

2019年7月15日掲載

生産性の高いオフィス環境を実現できる社内ネットワークとして、Wi-Fiが中堅・中小企業の間で注目されています。しかし、従来のネットワークと比べ新しいネットワークであるため、Wi-Fiに詳しい総務部社員や情報システム部社員がいない企業が多いといわれています。その結果、導入後の運用トラブルに悩まされる例が珍しくないのが現状のようです。コストパフォーマンスの高いWi-Fiを導入するにはどうすればよいのでしょうか。

目次

総務や情シスは正しく知っておきたいWi-Fiの仕組みと特徴

Wi-Fiとは、Wi-Fi Alliance(米国のWi-Fi業界団体)の登録商標のこと。電気通信の国際規格「IEEE 802.11」に準拠した無線LAN端末間の相互接続を認証する名称ともなっています。

無線LAN端末が製品化された当初、異なる端末間の相互接続は保証されておらず、無線LANの普及阻害要因になっていました。この問題を解決する業界団体としてWi-Fi Allianceが結成され、Wi-Fi Allianceが異なる端末間の相互接続試験を行い、それに合格した端末に「Wi-Fiロゴ」を発行しました。その結果、無線LANが急速に普及し今日ではWi-Fiが無線LANの代名詞のように使われています。

1.Wi-Fiの仕組み

Wi-Fiの仕組みを簡単にいうと「無線LANに接続したPC、スマートフォンなどのWi-Fi端末をインターネットに接続するシステム」です。また、Wi-Fi端末をインターネットに接続するにはWi-Fiルータが必要になります。

2.Wi-Fiの通信規格

Wi-Fiの通信規格はIEEE 802.11に準拠しており、現在6種類の規格があり、3つの周波数帯で使用できます。

周波数帯                           通信規格                           通信速度                           
2.4GHz帯IEEE 802.11b(11b)11Mbps
IEEE 802.11g(11g)54Mbps
5GHz帯IEEE 802.11a(11a)54Mbps
IEEE 802.11ac(11ac)433Mbps
60GHz帯IEEE 802.11ad(11ad)4.6Gbps
2.4GHz帯・5GHz帯IEEE 802.11n(11n)150Mbps

各周波数帯の特徴は次の通りです。

2.4GHz帯
通信距離長い、電波干渉受けやすい、障害物に強い、という特徴があります。

5GHz帯
通信距離短い、電波干渉受けにくい、障害物に弱い、という特徴があります。

60GHz帯
通信距離が非常に短い、電波干渉受けにくい、障害物に非常に弱い、という特徴があります。

3.Wi-Fiのセキュリティ規格

Wi-Fiのセキュリティ規格は、基本的にWi-Fi端末への接続を許可する「パスワード認証」と通信の盗聴を防ぐ暗号化通信の方式を定めたものです。Wi-Fiの主なセキュリティ規格は次の通りです。

WEP
無線LAN普及初期から使われている簡易な規格です。パスワードは5~13字/半角英数字で設定します。

TKIP
WEPを高度化させたものです。 TKIPは一時的にカギとなるものを創って、その整合性を以て認証するものです。パスワードは8~63字/半角英数字・記号で設定します。

AES
TKIPをさらに高度化させたもので、盗聴の難易度がWEP、TKIPより高まっています。パスワードは8~63字/半角英数字・記号で設定します。

WPA/WPA2
Wi-Fi Allianceが認証した規格で、現在のWi-Fi規格の中で盗聴の難易度が最も高いとされています。パスワードは8~63字/半角英数字・記号で設定します。

4.次世代Wi-Fiの通信規格とセキュリティ規格

現行のWi-Fi に対するユーザの不満は「多数同時アクセス時の通信の不安定(回線が繋がらない・速度が遅い)」と「セキュリティリスク(盗聴されやすい)」の2つといわれています。この解消を目指し、IEEEで標準化作業が行われている次世代Wi-Fiが通信規格の「11ax」「11ad」とセキュリティ規格の「WPA3」・「Enhanced Open」の3つが2019年秋以降に実用化の予定とされています。各規格の概要は次の通りです。

11ax
2.4GHz帯と5GHz帯対応で、下位規格の11a・b・g・n・acとの接続互換性を保ちながら、約9.6Gbps(11acの約1.4倍)の高速通信が可能。11axの特長は実効速度にあります。通信速度は11acのわずか1.4倍ですが、実効速度は11acの4倍以上とされています。「マルチユーザー伝送方式」の採用により周波数帯の利用効率を高め、実効速度を上げています。

11ad
60GHzという高い周波数帯を使うのが特徴です。速度は11n、11acよりも2倍以上になります。しかし、近距離でしか使えないという制限があります。従来の無線LANのように「家中どこでもインターネットに接続できる」といった広範囲で使う用途には向いていません。

WPA3
現在主流のWPA2の拡張版として策定された規格。WPA2との接続互換性を保ちながら、WPA2の弱点とされてきた盗聴とパスワード解読に対する脆弱性を改良。Wi-Fiのセキュリティ性を高めたとされています。

Enhanced Open
公衆無線LANなどパスワード認証なしで通信する「オープンWi-Fi環境」のセキュリティ問題を解決するために策定された規格です。オープンWi-Fi環境下で盗聴を防ぐには、ユーザ自身が盗聴防止対策をしなければなりません。しかし、Enhanced Openはパスワード認証なしのオープンWi-Fi環境の利便性を保持しながら、暗号化通信によりセキュアな通信が可能とされています。

オフィス環境の課題はWi-Fiが解決する

オフィスではPC、タブレット端末、スマートフォンなど様々な情報端末が使われています。これらの情報端末をWi-Fiで接続した「Wi-Fi環境」を実現すると、業務効率と生産性が大幅に向上します。例えば、多くの中堅・中小企業にもありがちなオフィス環境の問題として、次の2つが挙げられるでしょう。

  • 有線LANが敷設されていない場所では、情報共有に手間暇がかかる
  • プロジェクトを推進する際、座席移動やオフィスレイアウト変更が容易にできないので、プロジェクトの業務効率が低い

Wi-Fi環境の導入は、このような課題の解決策となります。そのメリットは次のように集約できます。

場所を問わず社内打合せができるので、
情報共有の迅速化と業務効率向上が図れる

たとえば有線LANが敷設されていない社員食堂などの片隅でも互いに手元のスマートフォンにデータを表示し、情報を共有しながらの打合せができます。

プロジェクトを迅速に推進できる

どこの場所でも仕事ができる「フリーアドレス」が可能になるので、プロジェクトを推進する際はメンバーの座席やオフィスレイアウトの変更を検討する必要はなく、プロジェクトの立ち上げ・推進を迅速化できます。

コスパの高いWi-Fi環境導入のポイント

Wi-Fi環境を導入するうえで、重要なのが「Wi-Fiルータ」選びといわれています。Wi-Fiルータとは、Wi-Fiとインターネットを接続する装置のこと。Wi-Fiの実効速度、電波干渉対策、通信セキュリティの良否を左右する中核的要素となっており、その選定には慎重さを要します。

そこでWi-Fiルータ選びのポイントですが、2019年3月現在、60GHz帯の11ad規格対応装置はまだあまり流通していないので、まずは現在主流の11ac規格対応装置が選定候補になるでしょう。

5GHz帯・2.4GHz帯対応の11n規格対応装置はWi-Fi端末のカバー範囲が広いのでWi-Fi環境導入の柔軟性が高く、実売価格も安いので魅力的ですが、実効速度は11ad規格対応より著しく劣ります。

Wi-Fiを低リスクで導入するには?

Wi-Fi環境を導入するうえで、もう1つ重要なのが運用性と拡張性です。Wi-Fi環境下で利用する情報端末の数が多い、フロア内が幾部屋にも仕切られているなどのオフィスの場合、Wi-Fiルータから端末へ無線電波を中継するAP(アクセスポイント)が複数必要になります。このため、端末のバージョンアップや故障対応には多大な手間がかかり、運用コストも増大します。この状況に対応するためには、運用性と拡張性に優れたWi-Fi環境を導入する必要があります。

では、どうすればこのようなWi-Fiをスムーズに導入できるのでしょうか。ソフトバンク提供のネットワークサービス「Internet Plus」といえるでしょう。Wi-Fi環境の新規導入や見直しを検討している企業は、Internet Plusという選択肢があることを覚えておいてください。

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