AI-OCRとは?RPAと組み合わせて実現できることとは?

AI-OCRとは?RPAと組み合わせて実現できることとは?

(2019年8月1日掲載)

目次

現在、業務効率化の動きが加速度的に進められており、それは企業・自治体に限らない流れになっています。作業の効率化を図るための技術としてOCRがありますが、OCR単体では業務効率化の課題が解決されるものではありませんでした。そして最近になってさらにAI-OCRという技術に注目が集まっています。手書きの文字や資料をデータ化するだけではなく、作業事例を繰り返し、機械学習や深層学習を進めることで、識字率と項目の識別能力が格段に高いのがAI-OCRです。その新たな技術の活用でどのような改善が図れるのでしょうか。東京都足立区の取り組みを見ながらRPAとAI-OCRを組み合わせることで実現できることを紹介していきます。

AI-OCRってなに?

まず、先にも触れたOCRとAI-OCRの違いについて確認しておきましょう。

OCRとは

OCR(Optical Character Recognition/Reader)は光学的文字認識技術のことです。つまり手書き文字や印刷された文字をデジタルカメラやスキャナによって画像として取りこんだ後、デジタルで活用できるテキストデータに変換する技術を指します。

AI-OCRはOCRと何が違うの

AI-OCRはAI技術を付加したOCRのことです。その大きな違いは識別率の高さとより柔軟な判断技術が加わったことでしょう。

OCRにおいて文字を認識するためには、ある程度決まったルールで書かれた文字であることが必要でした。たとえば決められたフォーマットの決められた場所に書かれていることで、文字であることが認識されていたのです。言い換えればフリーフォーマットで大きさもバラバラなメモ書きの文字や指定された位置に書かれていない文字は、何の情報であるのか識別できなかったのです。

ところがAI-OCRは、「機械学習」「深層学習」というAI機能をもつため、情報の読み取りを繰り返し経験することによって、AIが自動的に非定型の文字情報も内容を判断し、読み取る精度を高めていくことが可能になりました。つまり、非定型の文字データであっても、手書きの文字メモであっても、取引先ごとに異なる伝票などであっても、項目を判断してデータ化することが可能になったといえます。

RPAとの組み合わせで何が変わる?

ここで考えておきたいのが、人が今まで行っていた作業を自動的に処理するためにはどういう技術の活用が最適なのかということです。OCRもAI-OCRも手書きの伝票や文字、あるいは印字されたものをデジタルで使えるテキストデータへと変換できる技術です。しかし、そのテキストデータをシステムなどに入力するためにはやはり人が動かなくてはなりません。ここをさらに効率化するために活用されているのがRPAという技術です。

RPAとは

RPAというのはRobotic Process Automation(ロボティック・プロセス・オートメーション)の略で、事務作業のなかでも主な定型作業をPCにインストールしたソフトウェア型のロボットが自動的に行ってくれるための技術およびそれらのシステムを指します。

具体的にはRPAツールが作業手順を動作ルール(シナリオ)として記憶し、その作業をシナリオに従って正確に行うというものです。このとき必要なシナリオ作成も、特別な専門知識を必要としないRPAツールもあります。

AI-OCRとRPAを組み合わせるとデスクワークを自動化できる

つまり、AI-OCRとRPAを組み合わせると、今まで人が手書きの文字情報を読み取り、自社で定めているフォーマットに添って入力し、デジタルデータとして保存していく一連の作業が、自動で、ミス無く、時間的な制限(勤務時間内に行う必要)無しに実行できるようになるのです。

東京都足立区の実証実験で効果が見込めた

具体的な事例として東京都足立区で実施されたAI-OCRとRPA技術を活用した業務効率化に対する実証実験を紹介しましょう。

まず足立区がこの技術を検証するまでに抱えていた課題は以下です。

1.保育に関わる申請や税申告の処理など、ある時期に集中する業務の効率化を図りたい

2.AI-OCRやRPAに詳しい職員がいないので実施が難しい

こうした状況のもと、足立区は総務省が提供した「業務改革モデルプロジェクト」に係る提案事業に参画し、AI-OCRとRPAを活用した業務自動化を検証しました。期間は2019年1月から2019年2月までの2ヵ月。専門的な知識を持った職員がいないことに対して、ソフトバンクの全面的なバックアップを受けて行いました。

この実証実験にはソフトバンクのRPAソリューション「SynchPoid」とコージェントラボのAI-OCR「Tegaki」が使用されました。

対象業務には処理件数が多く自動化による期待効果が大きい業務であること、定型作業でルールがある業務であること、他部署や他業務のモデルケースになりうる業務であることなどを基準に、5課10業務が選定されました。

これらの業務のうち、以下6業務において年間で合計約1,400時間の削減が見込めるという結果になりました。

  • 区民税・都民税の申告書データ入力

  • 給与所得者の移動届の処理

  • 公的年金等の支払報告の処理

  • 児童育成手当現況届の処理

  • 保育施設利用申込書の処理

  • 職員の通勤届けの処理

対象業務を洗出し、専門知識のある企業と連携することが成功のカギ

東京都足立区の事例でもAI-CORとRPAを組み合わせた技術を導入することで、かなりの業務を効率化、自動化することが可能であることが伺えます。

ただし、効率化を実現するためにも、足立区の事例を参考にし、期待した効果が得られなかった業務とその要因を確認しておく必要もあります。つまり対象業務を見極めておくことが必要なのです。

そこで導入を検討した段階で提携を考えておきたいのが専門知識のある企業です。足立区のバックアップを行ったソフトバンクは自社での導入実績があり、さまざまな過程において対応することが可能です。どのような業務への適用が良いのかという導入前から相談をはじめ、自社に最適な方法を検討するようにしましょう。

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