【業界別】インバウンド対策の課題と解決策

【業界別】インバウンド対策の課題と解決策

(2019年8月2日掲載)

目次

日本を訪れる外国人旅行者の数は年々増えています。JNTO(日本政府観光局)の発表によると、2019年4月の訪日外国人は2,926,700人で、前年度比で0.9%の伸びとなっています。この傾向は今後も続き、日本を訪れる外国人旅行客は増えることが予想されます。こうした状況のなかさまざまな業界で注目されているのがインバウンド対策です。生活習慣が違う外国人旅行者が日本で旅行を満喫できるようなサービスを提供することは、各業界・店舗にとって業績を安定拡大させる課題のひとつだと認識されています。今回はそれぞれの業界でどのようなインバウンド対策が必要なのか、いくつかの業界を例に見ていきましょう。

インバウンド対策とは

インバウンドというのは「入ってくる」ことを意味する単語です。つまり外国人旅行者をいかに取り込み、満足させるかを工夫することが、いま注目されているインバウンド対策の目的ということになります。

インバウンド対策の特徴は、直接的な広告で宣伝をするのではなく、外国人旅行者が訪れたとき高い満足感を得て、そのことが口コミ(SNS)を介して広がり、結果として認知度の高い企業・店舗となることを目指すところにあります。

社会的背景

インバウンド対策に注目が集まり、加速度的に各業界で取り組まれるようになったのには、日本政府が積極的に訪日旅行者の増大を目指していることを示しているからです。観光立国推進閣僚会議(2014年)以降、ビザの緩和や円安傾向が後押しとなり、日本を訪れる外国人の数は増え続けています。その結果、旅行者が各地で使うお金の額も増え、2018年で4兆円を超えています。日本政府は2020年の旅行消費額目標を8兆円に掲げています。

参考:観光庁
http://www.mlit.go.jp/kankocho/news02_000339.html https://www.kantei.go.jp/jp/singi/kanko_vision/kanko_kaigi_dai28/siryou1.pdf#search

地方にとっての収入獲得手段として

日本政府が観光立国を掲げていることの重要性は、外国人旅行者が使うお金が、とくに地方都市の収入源になると考えているからです。

日本全体で経済の拡大を狙えるインバウンド対策を、業界ごとに見てみましょう。

業界別課題

インバウンド対策を考える前に、どのような課題があるのかを考えておく必要があります。

各業界に共通する課題

共通の課題は2つ。言語対応と決済方法です。

  • JNTOが調査した「訪日外国人個人旅行者が日本旅行中に感じた不便・不満調査」報告書を見ると、最も不満に感じるのが案内板や道路標識の少なさ、分かりにくさが挙げられ、次が観光案内所がどこにあるのか分かりにくい点が指摘されています。さらに、3番目が言葉、4番目がクレジットカード(決済)となっています。つまり、1〜3までに上がっている不便・不満は言語に関わる要素が大きく、ついで決済方法ということになります。

  • 言語:言葉が通じない環境というのは不安を感じさせるものです。はじめて訪ねる国や地域で、現地の人に教えてもらいたいと思うことは多々あります。そうしたときに、対応してくれる日本人はけっして多くはない、というのが現状のようです。

  • 決済:日本ではキャッシュレス決済があまり進んでいませんが、海外では決済方法としてクレジットカード、電子マネー、スマートフォン決済などが多用されています。こうした現金以外での決済方法も対応しておく必要があります。

では、それぞれの業界の課題を見ておきましょう。

・飲食業:外国人が食事を楽しめる環境作り

1.注文の仕方:テーブルの上に置かれたベルの使い方や券売機の使い方の説明が不十分
2.メニューの説明(素材、味覚)が不十分:日本と海外との違い、宗教、文化の違いを意識した説明がなされていない
3.食事マナー:日本での食事のマナーと海外との違いをどの程度許容するかが分からない

・小売業:免税の手続きや商品説明の充実

1.免税対応:免税対象金額の計算をしたり、免税対象の商品であるかどうかの判断をしたり、レジで迅速に対応するのが大変
2.商品説明:使用方法や海外での使用可否などについての説明が十分にできていない

・宿泊業:日本人旅行者と外国人旅行者の対応において、両者に満足してもらえる環境作り

1.館内・接客サービス:くつろぐというイメージの違いの理解が不十分
2.入浴・食事マナー:入浴、食事など生活習慣の違いを十分に説明できていない

業界別インバウンド対策とソリューション

共通の課題も、それぞれの業界における課題も大まかに理解できました。では具体的な対策を見てみましょう。

共通課題への対策

言語:案内板や商品、メニューの説明においては代表的な外国語での表記が必要になります。英語、韓国語、中国語、フランス語など多くの外国人旅行者が理解できる言語を想定して説明・案内をしましょう。また、タブレット通訳サービスを活用して、言葉が通じないことへの不安、不満、不便を解消するようにしましょう。

決済:キャッシュレス決済への対応は必須だといえます。クレジットカード、電子マネー、スマートフォン、QRコードなど多様化する決済方法を理解し、自社で対応できる範囲を検討しておく必要があります。iPadとクラウドを利用して実現できるPOSレジとしてソフトバンクが提供しているクラウドPOSも最適解のひとつだといえるでしょう。

飲食業

食事はそれぞれの国の文化、生活習慣と深く関わった行為です。食べ方も食材も、味付けも、それぞれの国で特徴があります。日本では当たり前だと思われているものでも、外国人旅行者にとっては初体験のことは少なくありません。まずは正しく伝える必要があります。難しい表現で長々と説明しても、理解を促すことはできません。「食事を楽しみに来た人たち」であることを意識して、完結に、やさしい表現で伝えることが肝心です。外国語に対応できるスタッフを配置するほか、タブレット通訳サービスなどの活用で、柔軟に対応できる工夫をしておきましょう。

小売業

旅行者にとって買い物は旅の楽しみのひとつです。日本人旅行者にとっても外国人旅行者にとっても同じでしょう。両者が訪れると考えられる小売業においては、限られた時間で商品の内容を理解してもらい、スムーズに決済ができる環境を整備しなくてはなりません。

まずは、商品説明にタブレット通訳サービスなどを活用するほか、簡単な単語を使った説明ができるスタッフの配置も必要でしょう。

また、免税への対応など手間がかかる決済をスムーズに行うための設備を準備する必要がありますが、初期費用を抑えた導入であることも重要です。ソフトバンクが提供するクラウドPOSは、クラウドとiPadを組み合わせて利用するサービスなので、店舗内を移動して使うことも可能です。さらに、免税関連の業務をサポートするソリューション「Smart免税」と組み合わせると、免税書類の作成、パスポートの読み取りなどにも対応できます。ソフトバンクによるサポートが受けられる点も安心です。

宿泊業

外国人旅行者の中で日本文化の体験を希望する人が増えています。正式なものから、気軽に体験できるものまで希望する体験の内容はさまざまですが、そういった希望に対応できる環境を整えておくことも大切なインバウンド対策です。

また、「くつろぎ方」についても、簡単な日本文化として説明することで、宿泊する、宿に泊まること自体が日本文化の体験になるともいえます。こうしたサービスを充実させるには、やはり言語の多様性に対応することが重要です。

宿泊業においては人と人の関わりは重要ですから、多様な言語に対応できるようにスタッフを教育することも必要でしょう。

また、外国人旅行者それぞれに適切な接客も求められます。まずは、どこからの旅行者が多いのかを把握し、その国の言語、文化、接客についてはスタッフ全員が共有しておくようにしましょう。

相手が求める快適さを想像し、提供する

インバウンド対策において、もっとも必要な視点は相手が求める快適さとはどういったものか、を想像することです。それは日本人旅行者に対しても、外国人旅行者に対しても共通していえることです。
そのうえで、決算方法など海外と日本との生活習慣の違いを把握して、システム的に対応できるところは漏れなく準備しておくことが必要です。

いろいろな面を一度に進めるのは混乱する原因ともなりますから、専門的な知識をもったソフトバンクのような企業に相談するのは成功への近道でもあります。

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