多様な働き方が選択できる企業を目指すために知っておくべき関連法

"多様な働き方が選択できる企業を目指すために知っておくべき関連法"

(2019年8月4日掲載)

目次

現在、日本政府は働き方改革を進めています。その目的は働く人がそれぞれの事情に応じて、多様で柔軟な働き方を自ら選択できる労働環境を確立させ、少子高齢化に伴う生産年齢人口の減少や働く人のニーズの多様化といった課題に対応することです。さまざまな事情を抱えた人びとがより柔軟に自分の能力を発揮しながら働くことができる社会を構築しようとしているともいえます。その取り組みのひとつとして、2019年4月から働き方改革関連法が施行されました。その内容と罰則を確認し、企業がとっておくべき対策について考えてみましょう。

年5日の年次有給休暇を取得させるのが義務

労働基準法において、年間5日の年次有給休暇は、原則として労働者が請求する時季に与えること、とされています。しかし実際には労働者は同僚への気兼ねや季節的な業務の状態などを考えると自分が望む時季に取得するのが難しい場合もあり、取得率は低い状態になっています。

厚生労働省の発表している「年次有給休暇の取得率等の推移」によると、全取得日数 ÷全付与日数 × 100として計算した取得率は2015年の段階では48.7%。半分以下の有給休暇しか取得していないことが分かります。

こうした状況を2020年までに70%に改善すべく打ち出されたのが働き方改革関連法です。施行によって企業の規模、パート・アルバイト、正社員を問わず、年次有給休暇を5日取得させることが企業にとっての義務とされました。言い換えると、従業員の有給管理が必須になったということです。

もう少し細かくルールを確認しておきましょう。

年次有給休暇を取得することができる労働者とは

雇い入れの日から6カ月間継続勤務しており、その6カ月の全労働日の8割以上を勤務している労働者とされています。この条件を満たしている全ての労働者に対して、原則10日の年次有給休暇を付与しなければなりません。

また、パートタイマー、アルバイトなどで、労働日数が条件より少ない場合は、所定労働日数に応じた年次有給休暇の日数が付与されることとなっています。

対象者は有給10日以上の労働者

今回の法律で年5日の有給を労働者に取得させることが雇い入れ側の義務となりましたが、その対象となる労働者は有給が10日以上付与されている労働者です。たとえば正社員として4月1日に入社した労働者は10月1日に有給10日を請求する権利をえます。そのため、企業としては翌年の9月30日までに5日の有給を取得させなければならない、ということです。

雇い入れ側が守るべき事項

1.年次有給休暇を与えるタイミング
労働者が請求する時季に与えること、というのが基本なのですが、雇い入れ側には「時季変更権」があるので、行使する場合を除き、労働者が指定した月日ということになります。

※時季変更権というのは、労働者から年次有給休暇を請求された時季が、事業の正常な運営を妨げる場合、たとえば同じ時期に多数の労働者が休暇を申請したため、正常な事業が行えないなどの場合には、労働者が請求した時季を変更することができるというものです。

2.繰り越し
労働者が年次有給休暇を請求する場合、その期限は2年間であり、前年度の取得されなかった分は翌年度に繰り越して与えなければなりません。

3.不利益扱いの禁止
雇い入れ側は、年次有給休暇を取得した労働者にたいして、賃金の減額や待遇の劣化など不利益な扱いをしてはなりません。

違反するとどうなるの?

この法律に違反すると罰則が科されることがあります。主な罰則を確認しておきましょう。

  • 年5日の年次有給休暇を取得させなかった場合は労働基準法第120条に罰則規定によって、30万円以下の罰金が科されます。

  • 雇い入れ側によって時季指定を行うことがあるにもかかわらず、就業規則に記載していない場合は、労働基準法第120条の罰則規定によって、30万円以下の罰金が科されます。

そのほか思わぬ違反を犯す可能性もあります。有給管理と有給請求への対応を正確にかつ迅速に行う必要があります。

年次有給休暇の管理方法の工夫が必要

労働者の人数も少ない、小さな規模の企業なら、労働者ごとに入社日が異なっており、誰がいつまでに年次有給休暇を5日取得しなければならないかを管理するのは可能かもしれません。しかし大きな企業になればなるほど、労働者ごとに管理するのは難しくなります。

基準日の統一

そこでまずは基準日を統一することです。新卒一括採用を実施しているなら4月1日を基準日とするとか、中途採用をしているなら月の初め(1日)を基準日にすると管理しやすくなります。

年次有給休暇取得計画表

労働者ごとに年間をとおした年次有給休暇の取得計画表をつくり、企業全体で取得時季が調整できる体制をつくりましょう。

管理体制の構築からプロの企業に相談するのも方法のひとつ

年次有給休暇の取得管理を徹底的に行うにしても、どのような手順でなにから整えていけばスムーズに実行できるのか、課題が多く、担当者に負担が増えるのも良い状況とはいえません。企業にとっての主な活動目的は業績アップですので、年次有給休暇を取得させることばかりに注力して、業務遂行に支障を来すようでも困ります。そこで選択肢のひとつとして考えておきたいのがソフトバンクのソリューションサービスです。課題に応じたさまざまな手法で、働き方改革を実現するための提案からフォローまでトータルなサポートが可能です。まずは自社の現状を把握し、早い段階で相談してみるのも最適解のひとつだといえます。

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