キャッシュレス決済が一般化する社会はやってくる?

"キャッシュレス決済が一般化する社会はやってくる?"

(2019年12月18日掲載)

目次

PayPayや楽天Edyなど、電子マネーでのキャッシュレス決済に注目が集まっています。消費税が10%にあがったと同時に経済産業省が実施を開始したキャッシュレス・ポイント還元事業の適用条件がキャッシュレス決済での支払いであることも普及に拍車をかけているようです。少しずつキャッシュレス決済が浸透してきているとはいえ、キャッシュレス決済を導入するとどのようなメリットがあるのか、安全に利用できるのかといった不安や疑問の声も少なくありません。そこで今回は、キャッシュレス決済を導入する企業や店舗向けに、世界では一般化しているキャッシュレス決済を導入する上でのメリット・デメリットを見つつ、選択のポイントを紹介します。

キャッシュレスとはどういうこと?

ひと口にキャッシュレスといっても、その種類はさまざまです。キャッシュレスという言葉が示すように、クレジットカード、デビットカード、プリペイドカードなど現金を使わずに決済をするものはすべてキャッシュレス決済です。その中から今回はいわゆる電子マネーと呼ばれるキャッシュレス決済について解説します。SuicaやPASMOといった交通系、WAONやnanacoといった流通系が代表的ですが、最近ではPayPayやメルペイのようなスマホアプリによるキャッシュレス決済も増えています。

現状と背景

冒頭でも触れたようにキャッシュレス決済によるポイント還元制度などが打ち出され、キャッシュレス決済を導入する企業・店舗が増えるなか、キャッシュレス決済はどれくらい浸透してきたのでしょうか。

一般社団法人キャッシュレス推進協議会が2019年4月に公開した「キャッシュレス・ロードマップ2019」によると、2016年時点での日本のキャッシュレス決済比率は19.9%。これは1位の韓国の96.4%に比べ約5分の1でしかありません。2015年(18.4%)からの伸び率も低く、世界的に見ると日本はキャッシュレス後進国であるといえます。

諸外国に比べ日本でのキャッシュレス決済が遅れている背景としては、海外に比べ治安がよく、安心して現金を持ち歩るけることや、コンビニやスーパー、百貨店などではキャッシュレス決済も当たり前になりつつあるものの、個人経営の飲食店や薬局などではまだまだ現金のみの店舗が多いことなどが考えられます。中小企業あるいは個人店舗のような小資本では、キャッシュレス決済用機器の導入、手数料の支払い、機器の扱いや管理を従業員に教えるためのコストなどが負担となり、キャッシュレス決済に対応しにくいことが考えられます。

キャッシュレス決済の種類

キャッシュレス決済の仕組みは3種類に分けられます。
チャージ(前払い):電子マネー
リアルタイム取引(リアルタイムペイ):デビットカード
後払い:クレジットカード
です。支払方法には以下の種類があります。

接触型
ICチップを内蔵したカードを用い、ICカードの接点を端末のリーダに差し込む、もしくはスライドさせ、データを読み取ることで支払いを行います。クレジットカードやデビットカードなどがこれに当たります。

非接触型IC
NFCと呼ばれる近距離通信の技術を用い、端末にかざすことで支払いを行います。NFCに対応したICカードでも対応可能です。

コード型
バーコードやQRコードをスマートフォンの画面に表示させ、店舗側がそれを読み取る形で支払いを行うストアスキャン方式と、店舗側が提示するQRコードをスマートフォンアプリで読み取り、支払い金額を入力することで支払いを行うユーザスキャン方式の2つの方式があります。PayPayやLINE Payやd払いなどのスマートフォンアプリがこれに当たります。

セキュリティ面の安全性は大丈夫?

キャッシュレス決済を導入する際、店舗側にとっての不安要素はいくつか考えられますが、そのなかでもセキュリティ面に関する不安は大きいのではないでしょうか? 

管理体制を厳重にする
キャッシュレス決済の管理は、決済事業者から提供されるツールで行うことが一般的です。この管理ツールに外部から侵入されてしまえば、売上や店舗の口座情報などが漏えいしてしまうリスクがあるため、ログインパスワードは安全性の高い複雑なパスワードに設定する必要があります。他にも、ログインパスワードが記載された付箋をPCに貼ったり、不要なメンバーにログインパスワードを共有するといった情報漏えいのリスクとなる行為を禁止することも重要です。

QRコードの確認を定期的に行う
店舗側で用意したQRコードを読み取ってもらう形の決済方法の場合、店舗側が用意するQRコードが偽造QRコードにすり替えられてしまうリスクがあります。偽造QRコードを読み取った利用者のスマートフォンに不正プログラムがダウンロードされ、不正送金がされてしまうなどのケースがあります。そのため、特に紙に印刷されたQRコードが偽造QRコードにすり替わっていないかは、定期的に確認をする必要があります。

キャッシュレス決済を使うメリット

キャッシュレス決済が社会で一般化するには、利用者にも店舗や企業にとってもメリットが必要です。それぞれどのようなメリットがあるのかみてみましょう。

店舗・企業のメリット

  • 売上管理をデータ化でき、販売戦略に役立てられる
  • キャッシュレス決済を求めている顧客の集客になる

利用者のメリット

  • 現金を持ち歩く必要がなくなる
  • ポイントがたまるほか、お金の管理もしやすくなる

双方のメリット

  • 決済時間の短縮につながる
  • 取引履歴が残るので管理しやすくなり、支払いに関するトラブルにも対応しやすくなる

キャッシュレスが普及することで得られる社会的メリット

キャッシュレス化が進むことは店舗や企業、利用者にとってメリットがあるだけではありません。
現金には印刷、運搬、補充、偽札チェックなどさまざまなコストがかかりますが、キャッシュレスであればこれらのコストが削減され、結果として社会全体のお金の節約につながります。さらに、キャッシュレス決済を採用すると取引履歴が明確に残るため、現金決済・現金取引に存在した匿名性がなくなり、非合法取引や犯罪者の価値貯蔵の手段を抑制しやすくなります。

キャッシュレス決済を使うデメリット

一方で、利用者にとっても店舗や企業にとっても良いことばかりではありません。現金での決済とは違って、目には見えないシステムを使って決済が行われるわけですから、デメリットを理解しておくことは必要です。どのようなデメリットが考えられるかみてみましょう。

店舗・企業のデメリット

  • 現金とキャッシュレスの二重管理が必要になる
  • 決済端末購入、ネットワーク回線の料金、端末を設置するスペースの確保など初期コストがかかる
  • 決済方法の選択によっては入金が遅くなることがある

利用者のデメリット

  • さまざまなキャッシュレス決済方法があるため、支払いの度に従業員に伝える必要がある
  • 複数のキャッシュレス決済方法が存在するため、現状では自分に適したものを選択しにくい

双方のデメリット

  • システムに障害が起きた際にデータが消失してしまうリスクがある
  • 地震や台風といった自然災害で長期的な停電が起きた場合、キャッシュレス決済の機能を使えない場合もある

キャッシュレス決済の選び方

ここまでキャッシュレス決済の種類やメリット、デメリットを見てきましたが、そのうえで実際に導入する際のポイントをご説明します。

導入コスト
キャッシュレス決済の導入をためらう大きな理由の1つが、導入コスト(運用コストも含む)ではないでしょうか。導入コストや運用コストが高いと、特に個人経営のお店では経営を圧迫する可能性もあります。そこで、最初に導入するのであれば、QRコード決済がおすすめです。なぜなら、利用者にとって年会費や会員登録費用がかからず、また店舗にとっても利用者がコードを読み取る方法を採用すれば、QRコードを読み取る端末を用意するといった導入コストがかからないことがあげられます。さらに、店舗の運用コストとして考えられる決済システム利用料や入金手数料といったものがかからないサービスもありますから導入しやすいキャッスレス決済方法だといえるでしょう。

知名度の高さ
知名度が高く多くの店舗が利用しているということは、運用の安定性が高いことの証明でもあります。また、知名度が高いということは、利用者も多いということですので、高い集客効果も見込めます。 

PayPayが総合的におすすめ 

キャッシュレス決済の選び方で注目した導入コストや知名度の高さから総合的に考えると、PayPay株式会社が提供しているキャッシュレス決済「PayPay」が有力候補としてあげられます。
まず店舗にとって最大の魅力となるのが、決済手数料が無料であること(2021年9月30日まで)、入金手数料も無料となっていること(2020年6月30日まで)でしょう。さらに売上金の入金サイクルも基本的には翌々営業日であり、短時間での確認がしやすいといえます。
利用者側にとっても知名度も高く、対応店舗が多いのも魅力です。

キャッシュレス決済は日本に普及するのか

日本は治安の良い国です。そのおかげで、現金を持ち歩いていることに不安を持つことは少ないでしょう。そうした治安の良い国に暮らしている私たちにとって、現金を持ち歩くことのデメリットが少ないことが、キャッシュレス化を遅らせているひとつの要因です。

しかし、キャッシュレス決済は管理のしやすさや還元制度など政府の後押しもあり、今後は利用者が増えることが予想されます。さらに、2020年には東京オリンピック・パラリンピックの開催があり、今まで以上に海外からの旅行者が増えることが見込まれています。そのため、訪日外国人への対応という点でも、急速にキャッシュレス決済導入の動きが加速されると考えられます。

そうした社会の変化を見据えて、店舗・企業側もキャッシュレス決済導入を視野に入れビジネスを展開する必要があります。
導入にあたっては、安全性はもとより運営側・利用者側ともに使いやすいシステムであるか、などを検討した上で選択することをオススメします。

資料ダウンロード

【ホワイトペーパー】国内のキャッシュレス決済動向

国内のキャッシュレス決済や決済方法一覧、さらに電子マネー市場規模や消費者の意識調査レポートを纏めた資料を無料でダウンロードできます。
→ダウンロードはこちら

あわせて読みたい記事

◾︎今さら聞けない「キャッシュレス決済」。なぜ、PayPayが消費増税10%対策に?

◾︎QRコード決済の現状とは!?中国の状況を踏まえながら導入のポイントを解説

◾︎まだ入れてないの!? キャッシュレス決済に今対応すべき3つの理由

◾︎【業界別】インバウンド対策の課題と解決策