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顔認証機能を搭載したスマートフォンが発売されてから3年が経った。起動するためのロック解除や、ユーザID・パスワードの自動入力等、発売当初は目新しかった新機能も、今ではすっかり身近なものになっている。
この便利な顔認証。
スマートフォンだけではなく、オフィスや施設などの防犯カメラや、ドアの開錠にも広がると、どのようなことが実現できるのだろうか。本記事では日本コンピュータビジョンが提供している顔認証サービスを例にとって紹介する。
自動入退室を可能にする顔認証サービスの全体構成は下図の通り。
入退室するゲート・ドアに設置された顔認証専用デバイスに、自分の顔を映す。管理プラットフォーム上で、その映った顔と、登録されているユーザ情報や特徴点を認証し、開錠される、といういたってシンプルな仕組みだ。
顔認証にかかる時間は、ほんの0.3秒。ICカードや物理鍵での開錠と比べても圧倒的な速さだ。
驚くべきは認証速度だけではない。その精度も高い。
実験①:眼鏡なしの登録写真だが、眼鏡をかけてゲートは通行できるのか?
結果:通行可能!
実験②:明るいまたは暗い環境でも認識できるのか?
結果:認識可能!
実験③:登録ユーザの写真や動画の場合、本人と認識されるのか?
結果:生体検知機能により、ブロック!
ICカードや物理鍵の盗難・紛失・譲渡によるなりすましといった、セキュリティリスクを軽減できそうだ。
顔認証機能をビジネスで活用する上でのセキュリティ面以外のメリットを、ユースケース別に紹介したい。
ユースケース① 倉庫の作業順序
一人の記録を時系列でつないでいくことで、その人の移動をトレースすることができる。例えば倉庫内での動線を見える化することによって、効率的な物品のピッキング順序を計画することも可能だ。
ユースケース② オフィスレイアウト
オフィスでは、執務ゾーンと書類キャビネット、コピー機の配置分けなどフロアレイアウト、ゾーニングの見直しに役立つ。最適なオフィスレイアウトは業務効率向上や働きやすさにつながるだろう。
ユースケース③ 対面コミュニケーション
顔認証データと従業員の行動データを組み合わせるとコミュニケーションの状態が可視化できる。
例えば、どのような人がどんな場所にいたのか、という行動をトレースできると、コミュニケーションの密度が見えてくる。対面やオンラインでのコミュニケーションの情報と、組織の活動成果などを組み合わせてみることで、組織をより良い状態にする、働きやすさ向上のための施策を検討することにつなげることができる。
このように顔認証機能の活用を工夫することで、働き方の見直しにも役立てることができるだろう。
顔認証機能との合わせ技で、業務上テレワークができず、出勤が必要な従業員をサポートできるソリューションがある。それがAI温度検知ソリューション「SenseThunder」だ。
出勤前の体温測定を義務付けていても、自己申告制だと本当に検温してきたかの把握は困難だ。来訪者に対して体温測定をお願いすることも難しいだろう。
また、人による検温実施でも、接触感染のリスク、人員確保の問題、一人一人の検温時間の発生等、新たな課題が生じる。
顔認証と温度検知の組み合わせにより、サーモグラフィで測定した体表温から誤差±0.3℃で温度検知が可能だ。
専用端末に顔を映すだけなので、大規模イベント等での不特定多数が来場する際の本人確認と感染予防にも有効だろう。
ほんの数年前までは、顔認証機能はSF映画に出てくる近未来的テクノロジーだと思われていたかもしれない。
しかし、近未来テクノロジーは確実に現代のものに進化している。
顔認証機能は、セキュアに、簡単に、働きやすい環境を整備するために不可欠のツールだと言えるのではないだろうか。
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