Web会議を成功に導くファシリテーションのポイント

"Web会議を成功に導くファシリテーションのポイント"

(2020年9月3日 掲載)

業種や規模の大きさを問わず、さまざまな企業でWeb会議の利用が増えています。テレワーク中でも会議に参加できる、会場費を節約できるなどメリットの多いWeb会議ですが、一方で「自分の意見やイメージを参加者と共有しづらい」「発言しにくい」「結論が出ないまま終わる」といったWeb会議参加者の声も聞かれます。

このような場合、会議の進め方や事前準備に課題があるかもしれません。改善するためには、ファシリテーターの役割を見直すことも必要です。今回はファシリテーターの重要性や身につけておくべきスキル、Web会議を成功させるファシリテーションのポイントについて考えてみましょう。

目次

ファシリテーターとは

ファシリテーションとは、会議やミーティング、研修などの場で、活動がスムーズに進行し、良好な結果を得られるようサポートすることです。ファシリテーションを担う人をファシリテーターと呼びます。Web会議の場であれば、参加者に発言を促したり、客観的な視点で議論の流れや論点を整理したりする仕切り役のような存在がファシリテーターです。

ファシリテーターの役割

Web会議におけるファシリテーターは、主に次のような役割を担っています。

会議前

  • 目的・ゴールを決める
  • アジェンダ(議題)を作成する
  • 議題ごとの時間配分を決める

会議中

  • 議論が活性化するよう、意見を参加者から引き出す
  • 参加者の意見や考えをまとめて整理する
  • 目的・ゴールに沿って合意形成へと導く
  • 時間内に終わるよう調整する

Web会議におけるファシリテーターの重要性

オンサイトの会議でもファシリテーターの存在は重要ですが、Web会議においてはより必要性が高まります。というのも、Web会議では、参加者どうしが場を共有している実感が薄く、議論が盛り上がりにくい傾向があるからです。また、参加者が議論に集中しているかどうかが一見してわかるオンサイトの会議と違って、ほかの参加者の様子や温度感が伝わりにくいため、意見を言い出しにくいというデメリットもあります。そのためWeb会議では、積極的な意見表明や提案がないまま結論が出ずに終わる、というケースも多々あります。したがって、有能なファシリテーターが幅広い参加者の意見を引き出し、参加者の合意形成をサポートすることで、議論が活発化し、生産的な結論にたどり着きやすくなるのです。

Web会議で求められる6つのファシリテーションスキル

司会者がファシリテーターを務めるケースもあるようですが、ファシリテーターは、単なる司会進行役ではありません。ただ議事進行をするだけでなく、参加者の意見を引き出し建設的な議論の場をつくることがファシリテーターの役割であり、それには高度なスキルが必要です。次に、ファシリテーターに求められるスキルを細かく見ていきましょう。

  • 意見を出しやすい環境をつくる力

ファシリテーションの第一歩は、意見を出しやすく話しやすい環境を用意することです。ファシリテーターは、会議の目的や参加する顔ぶれに合わせて進め方を考え、適した場所や時間、基本ルールなどを設定しておかなければなりません。

  • 意見を引き出す力

参加者から多様で有益な意見を引き出せるかどうかは、ファシリテーターの腕にかかっています。漠然と「何か意見はありますか?」と聞くのではなく、例えば「そう考える理由は?」「例えばどんなことですか?」「さらにどんな工夫が考えられますか?」というように具体的で答えやすい問いかけをすることで、論点を絞り込み、議論を深めていきます。

  • 意見を整理する力

参加者が発表したさまざまな意見を整理してまとめていくことも、ファシリテーターの重要な役割です。また、議論が会議の目的・ゴールからそれないよう常に注意し、話が脱線した場合には介入して軌道修正しなければなりません。

  • 参加者を尊重する姿勢

ファシリテーターは、自己主張をせず、すべての参加者を尊重する必要があります。どんな意見にも誠実に耳を傾け、受け止める姿勢が大切です。

  • 参加者全員への気配り

会議ではしばしば役職者など発言力のある人の意見だけが通ってしまい、ほかの参加者が取り残される場合があります。有能なファシリテーターは、参加者全員の様子を観察し、全員に気を配ることを忘れません。発言が少ない人にも声をかけて意見を促し、全員に当事者意識を持たせるようにします。また、多数派の意見に対立する立場の人の声も十分に聞き、不満を解消して一致点を見つけ、合意を形成していきます。

  • タイミングを見極める力

参加者の集中力を維持しながらテンポよく進行するためには、十分に意見を引き出したタイミングでまとめに入る必要があります。ファシリテーターには、タイミングの見極めのうまさが求められます。議案ごとに適切に時間配分をして、想定していたタイムテーブル通りに議論をまとめるスキルも必要です。

結果が出るWeb会議のファシリテーションポイント

では、Web会議を成功させるためには、どんなことに気をつけながらファシリテーションを行えばいいのでしょうか。ここでは、Web会議における4つのファシリテーションポイントを紹介します。

  • アジェンダを共有しておく

Web会議のアジェンダ(議題)は早めに作成し、必ず参加者全員に共有しておきましょう。そうすることで、参加者は事前に意見やアイデアを考えておくことができますし、流れを把握できるため、議論の活性化とスムーズな進行につながります。

  • 具体的な表現を使う

Web会議は、お互いに顔を合わせながら話し合うオンサイトの会議に比べると、意思の疎通がしにくい面があります。Web会議で「これ」「それ」「あれ」といった指示語を使うと、言いたいことが相手に伝わらなかったり、相手が意味を取り違えたまま話が進んでしまったりしかねません。

Web会議では、ファシリテーターも参加者も指示語を使わず、具体的な表現で話すことをルールとして決めておくといいでしょう。参加者がうっかり指示語を使ってしまった場合は、ファシリテーターがその都度「この件とは○○のことですか?」など、その指示語が何を指しているか確認するようにしましょう。

  • 参加者の意見を可視化する

参加者全員が議論についてこられるよう、出された意見やアイデアを可視化することも大切です。手法としては、ファシリテーターがホワイトボードに書き込んでいくスタイルが一般的ですが、Web会議ツールにホワイトボード機能がある場合はそれを活用するといいでしょう。

  • チャット機能をうまく活用する

Web会議では、人によっては意見を出しづらいことがありますが、チャット機能をうまく活用すれば、そのデメリットをカバーすることができます。例えば、発言するほどではない小さな疑問が生じたときや、口を挟むタイミングがつかめなかった場合などに、チャットにコメントを書き込んでもらうのです。

ファシリテーターがチャットのコメントに目を通し、適宜拾い上げてほかの参加者に伝え、議論に組み込むことで、発言力のない人を取り残すことなく、全員に当事者意識を持たせながら会議を進行することができます。

会議のゴールを常に意識して、参加者をリードしよう

ファシリテーションを行う上で気をつけるべき点は多数ありますが、常に忘れてはならないのは、目的とゴールを強く意識しておくことです。特に、当事者意識を持ちづらく、議論が活性化しづらいWeb会議では、ゴールへと参加者を引っ張って行くファシリテーターの役割は重要です。

ファシリテーターが場の雰囲気と参加者の様子を常に観察しながら、参加者を議論の場に引き込み、具体的な意見を出すように導くことで、参加者全員に充実した意見交換を行ったという満足感を与えることもできます。

Web会議でもオンサイトの会議でも、ファシリテーターの役割に大きな違いはありません。ただし、Web会議でのファシリテーションにはWeb会議ならではのポイントがあります。今回の内容を参考に、ぜひWeb会議のファシリテーターとしてのスキルを磨き、ワンランク上の議論を目指してください。

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