ニューノーマルな時代に不可欠!キャッシュレス決済の重要性と導入方法

ニューノーマルな時代に不可欠!キャッシュレス決済の重要性と導入方法

(2020年11月5日掲載)

目次

2020年夏の東京オリンピック開催に向けて、日本政府はキャッシュレス決済を推進してきました。さらに、ニューノーマルな時代となり生活様式が変化したことで、ビジネスのあり方はもちろん、決済方法についても見直しが進んでいます。本コラムでは改めてキャッシュレス決済の重要性やメリット・デメリット、事業者側の導入方法について見ていきます。

キャッシュレス決済増加の背景

世界的にキャッシュレス化が進むなか、日本はキャッシュレス化に向けたインフラ整備に遅れを取り、現金大国と呼ばれてきました。経済産業省が公開している「キャッシュレスの現状及び意義(1ページ)」によると2016年時点での世界のキャッシュレス決済比率(キャッシュレス決済が消費に占める割合)は、主要各国では40~60%台であるのに対し、日本では約20%にとどまっていました。

そこで日本政府は、国際的な潮流と2020年の東京オリンピック開催に伴う訪日外国人の増加に対応すべく、2014年の「日本再興戦略」でキャッシュレス化を推進する方針を打ち出しました。2019年10月から2020年6月にかけて、消費増税を機にキャッシュレス化推進策のひとつとして実施されたのが、消費者にポイント還元を行う「キャッシュレス・ポイント還元事業」です。

同事業の効果もあり、2019年には日本のキャッシュレス決済比率は過去最高の約26.5%に達しました。さらに2019年以降、新型コロナウイルス感染予防のため、電子マネーやQRコード決済といった非接触型のサービスを利用する人が増加し、キャッシュレス化の流れを加速させています。

キャッシュレス決済の重要性

国を挙げてキャッシュレス化が推進されている理由は、それが世界の潮流だからというだけではありません。1990年代以降、日本では、少子高齢化と人口減少による労働力不足が深刻な社会問題となるなか、生産性の向上が大きな課題となっています。

事業者がキャッシュレス決済を導入すれば、店舗のレジ作業の手間やコストが減るため、人手不足の解消や業務の効率化につながります。また、消費者の購入履歴データを活用することで、消費が活性化され、売上アップが期待できるとも考えられています。キャッシュレス化の推進は、事業者の生産性を高めるとともに、国全体の経済に恩恵をもたらす重要な施策と言えるのです。

また、世界的に新型コロナウイルスの感染が拡大し、キャッシュレス決済は「ニューノーマル(新しい常態)」のひとつとして消費者の間に定着しつつあります。若い世代を中心に消費者のキャッシュレス決済へのニーズは高まっており、決済可能な店舗・施設も増えています。未対応のままでは、新規の顧客を逃すだけでなく、既存の顧客もキャッシュレス決済可能な同業他社へ乗り換えられてしまう可能性もあります。事業規模にかかわらず、あらゆる事業者がキャッシュレス決済というニューノーマルへの転換を検討すべき時期が来ているのです。

主な決済サービスの種類

キャッシュレス決済とは、現金を使わない支払い方法を意味します。キャッシュレス決済サービスは多様化していますが、主に次の3つに分類することができます。

  • カード決済
    カードを利用した決済方法。後払い方式で、一括払いのほかに分割払いも選べるクレジットカード、利用するたびに預金口座から購入金額が即時引き落とされるデビットカードなどがあります。

  • 電子マネー決済
    電子マネーとは、電子化(データ化)されたお金のこと。現金をデータ化してチャージしたカードやアプリを使って支払いをします。「nanaco」「iD」「楽天Edy」「WAON」などの流通系のほか、「Suica」に代表される交通系のICカードも含まれます。

  • QRコード決済
    スマートフォンのアプリを使って決済する方法です。店舗でQRコードを読み込むか、レジでバーコードを見せて決済端末で読み込むかのどちらかの方法で簡単に決済できます。「PayPay(ペイペイ)」をはじめ、「LINE Pay」「楽天ペイ」などがあります。

キャッシュレス決済のメリット・デメリット

キャッシュレス決済は事業者や消費者に多くのメリットをもたらしますが、一方でデメリットもあります。事業者側と消費者側、両方の視点から詳しく見ていきましょう。

事業者側のメリット

  • 業務の効率化・コスト削減
    キャッシュレス決済を導入して利用が進めば、支払い時の現金受け渡しやレジ締め作業にかかる手間と時間が短縮されます。結果、業務が効率化して、従業員の働き方改革や人手不足の解消、人件費削減にもつながる可能性があります。
  • 売上や在庫の管理がしやすい
    キャッシュレス決済の履歴はデータとして残るため、売上や在庫の確認・管理がしやすくなるのもメリットです。データから顧客の消費傾向を分析して、今後の業務に生かしていくことも可能です。
  • 集客や売上の向上が期待できる
    キャッシュレス決済を導入すると、キャッシュレスで支払いたい利用者の来店が増える可能性があります。また、手持ちの現金がなくても気軽に支払いができるため、購買につながりやすく、売上アップも期待できます。
  • 感染予防対策
    キャッシュレスによる決済を導入することで、従業員と顧客の接触時間が軽減されるほか、非接触による決済が可能となるため、感染症の感染予防対策としても効果が期待できます。

事業者側のデメリット

  • 操作方法を覚える必要がある
    店舗や施設にキャッシュレス決済を導入すると、従業員は決済端末の操作方法を覚えなければなりません。複数のキャッシュレス決済を導入する場合、サービスによって決済方法が異なる上に、消費者からの問い合わせや返金のようなイレギュラーな対応が従業員の負担になる可能性があります。
  • 初期費用や手数料がかかる
    キャッシュレス決済の導入時には、端末やシステムを購入するための初期費用がかかります。また、消費者がキャッシュレス決済を利用するたびに3.24~3.74%程度の決済手数料が発生しますが、これも事業者が負担しなければなりません。ただし、PayPayのように初期費用や決済手数料が無料※のサービスもあります。

※決済手数料は2021年9月30日まで無料。2020年4月1日以降新たに加盟店になる年商10億円以上の法人の場合は有料です。

消費者側のメリット

  • 利便性が高まる
    消費者にとってキャッシュレス決済の一番のメリットは、現金を持ち歩く必要がなく、クイックに支払いができることです。特にQRコード決済の利用者は、スマートフォンさえ持っていればいつでも支払いが可能なので、身軽に出かけられます。
  • 家計管理がしやすくなる
    キャッシュレス決済では購入履歴がデータ化されるため、利用している決済サービスと家計簿アプリなどを連携すれば、複数の決済を一括管理することも可能です。
  • ポイントが貯まる
    サービスごとにポイント還元の仕組みがあることも、キャッシュレス決済のメリットのひとつと言えます。還元率はサービスごとにさまざまで、なかには引き落としに使うクレジットカードの種類によって還元率がアップするものもあります。

消費者側のデメリット

  • 使いすぎるリスクがある
    キャッシュレス決済は現金が手元になくても支払いができる利便性の高さが魅力ですが、その半面、つい使いすぎてしまう傾向があります。特にクレジットカードは後払い方式のため、引き落とし口座の残高が不足しないように気をつける必要があります。
  • 加盟店でしか使えない
    キャッシュレス決済は、そのサービスを導入している店舗や施設でしか使うことができません。キャッシュレス決済を導入している店舗や施設自体は増えていますが、なかには使える店舗が少ないサービスもあるので利用したいサービスがどこで使えるのか確認する必要もあるでしょう。

キャッシュレス決済導入までの流れ(PayPayの場合)

では、事業者が実際にキャッシュレス決済を導入するには、どのような手続きが必要なのでしょうか。ここでは、QRコード決済のなかでも普及率が高く登録ユーザ数が3,300万人以上(2020年10月19日現在)のPayPayを例に、導入の流れを見ていきましょう。

1.申し込み

サイトにアクセスし、申し込みフォームにメールアドレス、氏名、法人名または屋号名、連絡先電話番号を入力します。

2.申し込み案内メール受信

入力したメールアドレスに申し込みフォームのリンクが送られてきます。リンクをクリックし、次の手続きに進みます。

3.審査情報入力

審査情報を入力し、法人の場合は法人番号と申込者の本人確認書類を、個人事業主の場合は代表者の本人確認書類をアップロードします。業種によっては、許認可証原本の添付が必要になる場合もあります。

4.審査

申し込み後、約2営業日で審査結果が登録メールアドレスに送られてきます。

5.初期設定

審査完了後、登録した住所に「PayPayコードキット」が届きます。スタートガイドを見ながら、スマートフォンでPayPayアプリを立ち上げ、テスト決済、アカウント登録などの初期設定を済ませます。

6.利用開始

店頭にQRコードのステッカーを貼ったスタンドを設置して利用を開始します。 なお、申し込みから利用開始までの期間は通常1週間程度となっています。

社会のニーズを捉えて生産性アップにつなげよう

ニューノーマル時代における生活様式の変化はキャッシュレス化へのニーズを高め、非接触型の決済サービスの普及を進めました。東京オリンピック、大阪万博といった国際的な一大イベントが近づけば、インバウンドの増加とともにキャッシュレス決済の需要はますます高まるでしょう。 感染症対策としても有効で、集客や生産性の向上につながるキャッシュレス決済の導入は、事業者にとって、もはや選択肢のひとつではなく、これからの時代に必須の取り組みと言えます。キャッシュレス決済導入の必要性やメリット・デメリットを理解したうえで、自社にとってよりメリットが多く、顧客が使いやすいサービスを選ぶことが重要です。

関連リンク

PayPay店舗向けサイト