ニューノーマル時代の人事評価と社員教育とは?

ニューノーマル時代の人事評価と社員教育とは?

(2020年11月6日 掲載)

目次

ニューノーマル時代へと社会が動くとともに、ビジネスのあり方にも多大な影響を及ぼしました。テレワークの導入が格段に進み、オフィスに出社せずに自宅やサテライトオフィスで働く社員もいれば、従来どおりオフィスに出社して働く社員もいる、といった具合に、それぞれの事情や業務内容に応じて柔軟で自由度の高い働き方ができる環境が実現しつつあります。 そうしたなかで、多くの企業が、人事制度、特に評価の仕組みや社員教育について、見直しの必要性を感じているのではないでしょうか。今回は、社員の働き方が多様になった企業における人事評価や社員教育のあり方について考えてみましょう。

テレワーク導入時に整理しておくべきこと

ニューノーマル時代の働き方は、就業形態、場所によって次のように分類されます。

1.就業形態による区分
出勤型:従来のようにオフィス・店舗に出勤する働き方
雇用型テレワーク型:企業と雇用契約を結んだ労働者(社員)がリモート状態で勤務する働き方
自営型テレワーク:企業から委託を受けたフリーランスや小規模事業者がリモートで業務を行う働き方(今後増加すると予想される就業形態のひとつですが、企業と雇用契約を結んでいるわけではないため、従来型、雇用型テレワークのように人事制度の評価の対象にはなりません。)

2.場所による区分
出社勤務:従来型の就業形態での働き方
在宅勤務:オフィスに出勤せず自宅で仕事を行う働き方で、テレワークの代表的な形態
サテライトオフィス勤務:テレワークの一形態で、自社専用のサテライトオフィスやシェアオフィス、コワーキングスペースなどで業務を行う働き方
モバイルワーク:テレワークの一形態で、取引先や出張先、移動中の交通機関の車内、カフェなどで業務を行う働き方

テレワークを導入する際には、まず上記の働き方の区分を知り、認識を統一しておく必要があります。その上で、従業員の状況や業務内容に合わせて、テレワークの形態や勤務場所、実施する頻度などを決めていかなければなりません。

多様な働き方に合わせた人事制度と評価のあり方

従来の人事評価は、ほぼ全社員がオフィスや店舗などに出社して仕事をすることを前提となっていました。これからは、従来どおりオフィスに出社する社員やテレワークをメインとしながら必要に応じて出社もする社員、遠方に住みながらテレワークメインで働く社員などが共存することになるでしょう。多様な働き方の社員一人一人を適切に評価するためには、次のポイントに留意する必要があります。

評価制度を見直し、明確にする

テレワークの社員が多い企業では、評価方法や基準を見直す必要があります。特に、従来型とテレワークの社員が混在している場合、従来の評価方法のままだと、業務のプロセスや勤務態度が見えにくいテレワークの社員は、従来型の社員に比べて低評価になりがちです。 厚生労働省がテレワークを導入する企業と労働者に向けて策定した『テレワークにおける適切な労務管理のためのガイドライン』では、テレワーク中心で業務に当たる労働者に対しては、業績評価などについて評価者や労働者が懸念を抱くことのないよう、評価制度および賃金制度を明確にすることが望ましいとされています。

管理職の意識を変革する

評価制度の見直しと合わせて、社内の意識変革に取り組むことも重要です。特に鍵となるのが、評価者である管理職です。管理職が新しい評価基準や意識の共有を徹底しないと、評価者によって評価が大幅に変わってしまい、不公平感が生じる可能性があるからです。

また、管理職が従来の感覚のまま、テレワークの目的や必要性、適したマネジメント方法などを十分に理解していないと、テレワーク中の社員を過度に監視する、即時の応答を求めるなど、部下に余計な負担やストレスが生じることもあるかもしれません。公平で社員が納得できる評価ができるよう、テレワーク体制を整え、適宜、研修などを行って社内の意識啓発に努めましょう。

テレワーク頻度が高い場合は、成果中心の評価にする

厚生労働省が公表している「テレワーク実施時の労務管理上の留意点」によると、テレワークを導入しても、その頻度が週1、2日程度の場合は、従来の制度やルールをそのまま運用しても問題ないといわれています。一方、実施頻度がそれより高い場合やテレワークメインの社員が多い場合は、プロセスより成果を重視した評価方法を採用するのが一般的です。

ただし、極端な成果主義に傾くと、一部の社員に業務が集中したり成果を上げるために社員が無理を重ねたりと、働き方改革に逆行する結果にもなりかねません。従来型のオフィス勤務の社員とテレワークの社員間に不公平感がなく、成果だけに偏らないバランスのとれた評価ができるよう、評価項目を調整する必要があるでしょう。

業務内容や部門、職種によっては成果が数字で表れにくいケースもあります。その場合、個別またはグループごとに目標を設定し、それを達成した度合いで評価を決める「目標管理制度(MBO)」を採用する方法もあります。

積極的にコミュニケーションを図る

テレワーク中、社員の仕事への姿勢や進め方を評価するには、社員とのコミュニケーションの機会を増やす工夫が不可欠です。業務開始時と終了時の上司への報告を習慣づけるといった、リモート状態でも欠かさずコミュニケーションできるような仕組みを構築するといいでしょう。チャットツールのようなものを導入すると、より連絡や情報共有がしやすくなります。

業務を見える化する

さらに、社員の業務状況をできる限り見える化することも重要です。業務管理用のツールを活用すると、顧客対応や資料作成といったタスクを各自で記録し、社内共有することができます。

スキルアップの機会均等を実現する社員教育の方法

2020年5月に、人材育成サービスを提供する株式会社ラーニングエージェンシーが、企業の人事・教育担当者948人を対象に、新型コロナウイルス感染拡大が企業の組織運営や人材育成に与えた影響についてアンケート調査を実施しました。アンケート結果によると、新型コロナウイルス対策としてテレワークを導入した企業に「多様な働き方が社員に与えた影響」を聞いたところ、最も多く挙がったのが「コミュニケーション不足」、その次が「職種間の不平等」でした。

さらに、こうした状況下にある企業では、差し迫った課題に対応するため、「コミュニケーション力」や「自己管理力」を社員に求めていることも明らかになっています。これらのスキルは、職種や働き方問わず、ビジネスパーソンには必須のスキルです。にもかかわらず、テレワークが多い社員ほど、スキルアップのチャンスに恵まれていません。

というのも、テレワーク中は、日々の業務のなかで上司の仕事ぶりを見て学んだり直接指導を受けたりするOJT(職場内訓練)を体験することが難しいからです。多様な働き方の社員が共存する企業では、集合型の社内研修を実施しにくいという事情もあります。

こうした課題を解決し、あらゆる社員にスキルアップの機会を与えるニューノーマル時代の社員教育法として注目されているのが、eラーニングです。次に、eラーニング活用のポイントを見ていきましょう。

eラーニングの活用法と注意点

eラーニングとは、ICT(情報通信技術)を用いた学習形態の総称です。最も一般的なのは、集合型の社内研修で実施する講義を動画にしてオンラインで配信し、社員が個別に学習するという活用法です。その他、テレワークの社員へのOJTの代わりに、ベテラン社員が商談や接客をする様子を動画にして共有するという活用例も考えられます。業務の流れや手順を動画マニュアルにして配信するのもひとつの方法です。

自社の業務内容に合ったeラーニングツールやLMS(学習管理システム)を導入すれば、グループごとに必要なノウハウを共有したり、学習の成果を個別にテストしたりすることも可能です。個別の受講状況やテスト履歴を簡単に一元管理できるため、人事業務の効率化にもつながります。

しかしeラーニングでは、実地での体験を伴う学習が難しいため、その効果は、知識を身につけるだけにとどまりがちです。社員の成長につなげるためには、個々が得た知識をスキルに変える工夫が求められます。代表的な例が、ディスカッションやグループでの実習など、体験学習が必要な講座のみ実地での集合研修を実施し、eラーニングと組み合わせる「ブレンディッド・ラーニング」という方法です。これにより、eラーニングと集合研修、双方の利点を生かしながら、効率的に社員のスキルアップを図ることができます。

企業が発展し続けるためには、人材の育成が不可欠

人材は企業の資産のひとつですが、ニューノーマル時代においてはより貴重なものになると予想されます。テレワークが推進され、場所にとらわれないさまざまな働き方が混在するなかでは、企業が社員を公平に評価し、モチベーションを維持できる環境を提供することが、人材確保や定着の鍵となるでしょう。

今後も自社を発展させ続けるためには、人事評価を見直し、評価基準を現状に適したものに構築し直す必要があります。加えて、多様な働き方の社員に教育の機会を平等に提供していかなければなりません。そのためには、インターネットを介した学習環境やeラーニングシステムの導入を検討することも必要です。

ソフトバンクでは、マルチデバイス対応のクラウド型eラーニングシステム「AOMAI」を提供するとともに、導入に当たってのサポートも行っています。ICT環境の構築や見直し、eラーニング導入に向けた検討を始めるなら、まずはソフトバンクに相談してみるのもよいでしょう。

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