DXで医療現場はどう変わる?

2021年3月1日掲載

日本では、海外諸国からも高く評価されている国民皆保険(かいほけん)制度によって、必要な人が必要な医療・看護を低負担で受けることができ、世界でもトップクラスの長寿国として知られています。一方で、医療業界はさまざまな課題を抱えています。医療体制の地域格差が解消できないまま超高齢社会を迎えていることや、医療現場の人手不足、デジタル化の遅れなどです。ニューノーマル時代への引き金となった新型コロナウイルス感染症の流行は、それらの課題を浮き彫りにしました。

本稿では、医療業界の課題と最近の動向に触れた上で、DXによって実現できることを考えていきます。

目次

日本の医療業界の現状

日本の医療業界は今、どのような状況にあるのでしょうか。まずは日本の医療が直面している課題やその背景、最近の動向を確認しましょう。

医療業界が抱える主な課題

日本の人口は2008年をピークに減少傾向にありますが、一方で高齢化率(65歳以上の高齢者が総人口に占める割合)は高まり続けています。国連のような国際機関では、高齢化率が14%を超えた社会を高齢社会、21%を超えた社会を超高齢社会としていますが、総務省統計局の推計によると、2020年9月15日現在で、日本の高齢化率は28.7%に達しています。この数字は世界トップであり、日本は世界で最高の「超高齢社会」と言えるのです。

人口減少と少子高齢化は、医療業界にさまざまな影響を与えています。人口減少に伴って日本全体で労働力が減少していますが、医療業界でも深刻な人手不足によって医療従事者の労働環境や待遇が悪化し、働き方改革が急務となっています。もちろん、高齢者の増加とともに医療費が増大し、国の財政を圧迫していることも深刻な問題です。国が医療費抑制策を推進していることも影響し、多くの医療機関は厳しい経営を迫られています。

また、大都市に人口が集中することで、都市部ではあらゆる医療が充足していて高度な設備や専門医が常勤している施設が多いのに対し、郊外や地方では医療機関や医師といった医療資源が不足する医療の地域格差が生じています。必然的に、地域によって提供できる医療の質に差が生じる懸念があります。同じ疾患でも都市部では助かる命が地方では専門医や設備がないために助からない、といった格差の解消が大きな課題とされています。

今後も総人口が減り続けるなかで、高齢化率はますます高まる見込みです。戦後の第一次ベビーブームに生まれた団塊の世代が75歳以上になる2025年には、今まで以上に医療へのニーズが高まり、医療費が急増すると予想されています。人手不足の医療現場が増大したニーズに応えられず、国民が必要な医療を受けられないケースも生じるかもしれません。この問題は「2025年問題」と呼ばれ、医療業界が早急に向き合うべき課題と考えられています。

コロナ禍で浮き彫りになった課題も

2020年4月下旬にピークを迎えた新型コロナウイルス感染症の流行第1波では、都市部を中心に感染者が激増すると、医療従事者や感染症病床の不足が生じ、医療体制はたちまち逼迫(ひっぱく)しました。第1波では持ちこたえたものの、2020年8月頃の第2波、2020年11月以降の第3波では重症患者の急増により救急医療やがん医療を制限する必要が生じ、医療崩壊寸前の危機的な状況に陥った現場も少なくありません。

第1波の流行時には、グローバルサプライチェーン(世界的な供給網)が分断された結果、マスクや防護服、消毒液といった消耗品や治療用の医療機器も不足状態に陥りました。医療消耗品と医療機器の生産を海外に頼りすぎていたことが問題視され、国内のメーカは政府の要請を受け次々と増産に乗り出しました。しかし人工呼吸器のような高度な医療機器については、国内の医療機器メーカだけでは製造が追いつかず、部品調達や規制が壁となって異業種からの参入が難しい側面があるといわれています。

医療物資をスムーズに供給するには、医療機関側の状況と供給するメーカ側の在庫情報のデータを一元管理し、政府主導で不足しているところから優先的に配分していくといった対応が求められます。しかし社会全体のIT化が進んでいる台湾と比べると、行政や民間企業をはじめ社会全体のデジタル化が進んでいるとは言い難い状況です。統合的な医療物資の管理システムが整備されていなかったことは、医療崩壊リスクを高めた一因と言えるでしょう。また、感染状況の把握においても、医療機関から全国の保健所への報告にFAXを使い、保健所の職員が手を介して紙媒体をデータ入力するという手間のかかる方法で行われていたために、対策の遅れにつながったと指摘されています。

日本政府は2020年4月以降の第1波の流行を受け、医療機関の病床やスタッフの状況、医療物資の確保状況を把握するための「G-MIS(新型コロナウイルス感染症医療機関等情報支援システム)」、各地域の感染者に関する情報を共有できる「HER-SYS(新型コロナウイルス感染者等情報把握・管理支援システム)」の開発・運用に着手し、デジタル化を推し進めましたが、本格的に導入されるまでには時間を要しました。コロナ禍は、日本の医療が、病床や医療従事者の不足に加え、医療機器製造の海外依存、デジタル化の遅れといった弱点を抱えていることを浮き彫りにしたと言えるでしょう。

新型コロナウイルス感染症の患者を受け入れている感染症指定医療機関が医療崩壊の危機にさらされる一方で、院内感染を恐れて受診控えをする人が増えたために、小規模の診療所のような多くの医療機関が深刻な経営難に直面していることも問題視されています。過度に受診を控えることは、症状の悪化につながる可能性があります。また、重症化してからようやく受診することになると、大規模な医療機関での高度な治療が必要になり、限られた医療資源を圧迫することが懸念されます。

コロナ禍での変化

新型コロナウイルス感染症の流行は、医療業界の変革のきっかけとなるとの見方もあります。実際に、国や医療機関の多くが、新型コロナウイルス感染者増や人手不足に対応すべく、デジタル化の推進を加速させています。2020年4月に、初診も含めたオンライン診療が解禁されたことも、新しい動きのひとつです。従来は、初診では対面診療が原則で、オンライン診療は特定の疾患を対象にした2回目以降の診療でのみ認められていました。しかし、コロナ禍による受診控えを解消するために規制が緩和され、今のところ時限的ではありますが、医師が医学的に診断可能と判断した範囲であれば、初診を含めてオンライン診療が可能になりました。

また、新型コロナウイルス感染症以外の疾患への対応が手薄になる可能性もあることから、あらためて予防医療の可能性にも注目と期待が集まっています。もともと近年、国や地方自治体は、高齢化で年々膨れ上がる医療費を抑制するため、生活習慣病をはじめとする慢性疾患の予防医療に力を入れてきました。予防医療の基本は栄養バランスのとれた食事と適度な運動、定期検診の受診ですが、生活習慣を見直し健康な状態を保つことで、がんや脳卒中、心疾患などの発症や重症化を防げると考えられます。

予防医療とともに、東洋医学を起源とする「未病」という概念も広まりつつあります。未病とは、まだ病気は発症していないけれど、検査で異常値が出るといったような、軽い症状がある状態を指します。病気にならないよう健康なうちから予防に努める、もしくは未病のうちに治療することで重症化を防ぐという考え方は、今後の医療業界ではますます重視されるようになるはずです。

DXで実現できること

AI(人工知能)、IoT(モノのインターネット)、ビッグデータといった最先端のデジタル技術は、医療分野でも活用されはじめています。先述した医療業界が抱えるさまざまな課題は、DXで解決が期待できます。DXを推進するとどんなことが実現する可能性があるのかを見ていきましょう。

遠隔診療(オンライン診療)の実用化

ICT(情報通信技術)の進化は医療現場にさまざまな変革をもたらしましたが、代表例はオンラインによる遠隔診療が技術的に可能になったことでしょう。患者がタブレット端末やスマートフォンを使って自宅からオンライン受診できるようになれば、患者側は通院の手間や負担から開放され、院内感染のリスクを心配することなく医療を受けることができます。地方在住の人が都市部にある医療機関の専門医の診察を受けることもできるため、医療の地域格差を解消する一助にもなると考えられます。医療機関側にも、医師をはじめとするスタッフの負担軽減や業務効率化につながるというメリットがあります。一方で、映像と音声でしか得られる情報がないため、身体のわずかな変化や全身の状態を見ることから伝わる情報が得にくいといったデメリットもあります。しかし、先述の通り、コロナ禍を機に規制緩和が行われたことで遠隔診療に対応する医療機関が増え、実用化が進んでいます。

医療事務業務の効率化

定型の事務作業をソフトウェアロボット技術によって自動化するRPAツールは、すでにさまざまな業種の民間企業や行政で活用されています。人間と違って休まず働き続けることができるRPAの導入は、医療現場においても、業務効率化や働き方改革を推進できるツールとなる可能性があります。

医療現場においては、診療を行う以外にも多くの業務が存在し、膨大な数の医療物資の在庫管理や、経理、レセプト(診療報酬明細書)作成なども必要な業務です。事務部門が担っていたこれら業務の一部をRPAによって自動化することで、医療事務スタッフの負荷や人的ミスの軽減につながるでしょう。

また、予約管理や来院者の受付業務も、DXによる自動化が可能な分野です。これらの業務は、診療内容やケースに応じて細やかに対応する必要があるため、煩雑になりがちです。オンラインの診療予約システムを導入して、予約から来院者の受け付け、会計までをデジタル化すれば、一気に業務を効率化できるでしょう。現場のスタッフの負担を減らせるほか、患者の待ち時間軽減につながるのも利点です。

クラウド化によるBCP(事業継続計画)強化

すでに多くの医療機関でカルテや検査結果、レントゲン画像、薬の服用歴といった医療情報のデータ化が進んでいます。施設内にサーバを設置するのではなく、クラウド上のサーバに保管すれば、メンテナンスの手間やコストを削減できる上に、外部の関係者ともスムーズに情報共有ができるようになります。

また、施設内のサーバだけにデータを保管していると、災害が起きたときにデータを損失するリスクがありますが、クラウドサービスを活用してバックアップをとっておけば、リスクは大幅に下がります。緊急事態が生じた際に、影響を最小限に抑えて事業を継続させていく「BCP(事業継続計画)」の観点からも、クラウド化は有効な対策と言えるのです。

医療情報ネットワークの構築

患者の基本情報や検査結果といった医療情報をデータ化して、病院や診療所、薬局、介護施設などの間で共有・閲覧できるネットワークを構築することは、医療分野のDXの目標のひとつです。医療情報を共有できれば、例えば患者が初めて受診する診療所の医師が、患者の同意を得た上で、以前に通っていた病院のカルテを閲覧して参考にすることが可能になります。また、ある診療所のかかりつけ医が、高度医療を行う大学病院に患者を紹介した場合には、大学病院の医師と患者の情報を共有することで、かかりつけ医もその後の患者の経過を見守ることができます。

このように複数の医療機関が連携することで、患者に継続性がある質の高い医療を提供しながら、過剰な診療や不要な投薬、重複検査を防ぎ、医療費の抑制につなげることができると期待されています。近年、日本では、高齢者が最期まで住み慣れた地域でできる限り自立した暮らしを営めるよう、「地域包括ケアシステム」と呼ばれる仕組みづくりを進めています。地域包括ケアシステムでは、医療従事者や介護スタッフなどが連携して医療や介護、住まい、生活支援といったサポートを行うことが必要とされるため、医療情報を共有できるネットワークは不可欠と考えられています。

予防医療サービスの普及

先述の通り、少子高齢化による医療費の増大を抑えるために予防医療の必要性が高まっています。そうした社会状況を背景に、テクノロジーを駆使した予防医療サービスが開発され、利用者を増やしています。例えば、睡眠の改善をテーマにしたスマートフォンアプリ、センサを搭載したウェアラブル端末を使って、脈拍、血圧などの情報を取得して健康管理に役立てるサービス、ビッグデータをもとにAIに生活習慣病との関連性を解析させ、検査結果とあわせて将来の健康状態を予測するシステムなど、多種多様なサービスがあります。これらの予防医療サービスが、企業や行政で活用され普及すれば、健康管理の習慣が根づき、健康寿命の延伸と医療費の抑制につながる可能性があります。

医療ビッグデータの研究への活用

テクノロジーの進化により、ビッグデータを保管、解析することができるようになりました。Webマーケティングを中心にさまざまな分野でビッグデータの活用が広がっていますが、医療分野の研究開発への活用も進んでいます。

膨大な量の客観的な診断データや検査結果などを解析すれば、予防医療や再生医療、製薬などの分野で大きな成果が上がると考えられています。とりわけ新しい医薬品の研究開発においては、AIとビッグデータを組み合わせることで大幅に開発スピードを高め、コストも削減できるとして期待が高まっています。ただし、医療ビッグデータには大量の個人情報が含まれているため、活用する際には情報の徹底した匿名化と情報漏えいを防ぐセキュリティ対策が求められます。

医療業界におけるDXの事例

医療分野では、どのようにしてDXが推進されているのでしょうか。すでに複数の現場で、DXによって人手不足や医療従事者の長時間労働といった課題を解決し、現代社会の実情に合わせた医療を提供することに成功しています。ここでは、医療業界における具体的なDXの事例を紹介します。

オンライン健康医療相談サービス「HELPO」を活用した大規模PCR検査

2020年12月から、福岡市は、新型コロナウイルス感染症の流行第3波への対策として、市内の医療施設・高齢者施設・障がい者施設の職員約11万人を対象としたPCR検査を開始しました。福岡市から委託を受けて検査をはじめとする運営全般を担当したのが、ソフトバンク株式会社のグループ会社であるヘルスケアテクノロジーズ株式会社と、ソフトバンクグループ株式会社の子会社であるSB新型コロナウイルス検査センター株式会社による合同チームです。

同チームは、スムーズな検査体制を確立するため、手作業中心だったPCR検査をDXによって効率化しました。施設へのメールや郵送による周知、陽性反応が出た場合の対応といったマンパワーが必要な一部の業務を除き、全ての業務を一括で処理できる独自システムを開発。また、受検者が検査の予約や結果確認をする際には、ヘルスケアテクノロジーズが提供するオンライン健康相談サービス「HELPO」のスマホアプリが活用されました。福岡市のPCR検査では、受検者が自身のスマートフォンに「HELPO」のアプリをダウンロードし、PCR検査の予約や検査結果を確認するツールとして機能しただけでなく、検査に関する受検者からの相談、質問等にもアプリ上で対応しました。

このケースは、独自システムと「HELPO」を活用したDXによって、煩雑な検査オペレーションの大部分が効率化・自動化され、自治体職員に負担をかけることなくPCR検査を実施した事例と言えます。その後、福岡市では、九州最大の歓楽街である博多区中洲でのクラスター発生を受け、飲食店の従業員を対象としたPCR検査を開始しましたが、そこでも引き続き同チームによる検査システムが活用されています。地方自治体における新型コロナウイルス感染症との戦いは長期に及ぶと予想されますが、DXが大きく貢献することは間違いないでしょう。

ICU(集中治療室)の遠隔管理

新型コロナウイルス感染症への対応では、ICU(集中治療室)の確保が大きな課題となっています。ICUの不足は、実は以前から日本の医療業界で指摘されていた問題でした。昭和大学は、課題解決を目指し、2018年からフィリップス・ジャパンの「遠隔集中治療患者管理プログラム(eICU)」を導入しています。

同プログラムは、病院と離れた場所にある支援センターとネットワークでつなぎ、支援センターにいる専門医が、病院のICU患者の様子をモニタリングしながら現場をサポートするというものです。eICUのようなICUの遠隔管理システムを導入することで、医療現場では、人手不足のなかで疲弊している医療従事者の負担や感染リスクを軽減しながら、重症患者にスピーディかつ適切な治療を提供することができるようになります。また、医療資源やスタッフを効率的に配置することが可能になるため、より多くの患者を受け入れられるようになります。 昭和大学病院では、新型コロナウイルス感染症の流行以降、重症患者の増加でICUを増床しましたが、すでにeICUの導入によるDXを進めていたため、変化にスムーズに対応できたといいます。コロナ禍を機に、さらに多くの医療機関で遠隔ICUシステムの導入が進むと考えられています。

専用車両で遠隔診療を行う「モバイルクリニック」実証事業

地域の医療格差の解消に大きく寄与すると期待されているオンライン診療ですが、デジタルデバイスやインターネットを使い慣れていない人が自分でアクセスするのは難しいという問題があります。また、少子高齢化が進む日本では高齢の単身世帯が多く、家族のいない高齢者がオンライン診療を受けるには、訪問看護師や介護士などのサポートが不可欠です。

高齢化社会と医師不足という課題を抱えていた長野県伊那市は、2019年12月から2020年3月末まで、公共交通機関の少ない中山間地域の住民にも医療を届けることを目的に、MONET Technologies(ソフトバンクとトヨタ自動車の共同出資会社)とフィリップス・ジャパンとの協業で「モバイルクリニック」実証事業を実施しました。モバイルクリニックでは、医療機器と看護師を乗せた専用車両が住民宅を訪問し、医師が遠隔地からビデオ機能を使ってオンライン診療をした上で、看護師が医師の指示に従って検査や必要な処置を行います。

ICTの活用により、マイカー以外の交通手段による移動をひとつながりのサービスとして提供する手法をMaaS(Mobility as a Service)と呼びますが、モバイルクリニックもMaaSによる画期的な取り組みのひとつと言えます。患者の医療機関への移動や医師の往診の負担が軽減されるほか、高齢者が自らオンラインツールを使用する必要がない点、専用車両の車内という設備の整った環境で診療を受けられる点が評価され、全国的に注目されています。

データを活用したオンライン妊婦検診

高齢や基礎疾患など、ハイリスク因子を持つ妊婦が多く通院する慶応義塾大学病院 産科では、新型コロナウイルスへの感染リスクを抑えるため、2020年6月から妊婦検診をオンライン化しました。診察時には、メディカルデータカード社が提供する医師と患者のためのコミュニケーションツール「MeDaCa PRO」のビデオ通話機能を使用。体重や血圧などのデータは妊婦が自宅で計測・記録し、中部電力が提供するプラットフォームを介して医師と共有する仕組みです。

同病院では、もともと2018年からパーソナルヘルスレコード(PHR)アプリケーション「MeDaCa」を使って妊婦のスマートフォンに超音波画像や検査結果を送信するサービスを導入していたことが、コロナ禍における迅速なオンライン化につながりました。さらに同病院では、2020年11月より、中部電力、メディカルデータカードと共同で、糖尿病・肥満症外来の患者を対象に、血糖のクラウド管理システムを活用した遠隔診療を開始しています。このシステムは、妊婦検診で使ったシステムをベースに、糖尿病患者向けに機能を追加して整備されたものです。

一般的にはオンライン診療といえばビデオ通話による診察のみで、検査や触診ができないため、対象となる疾患が限られます。しかし、同大学の試みのようにデータを活用すれば、オンラインでも対面診療と大差ない診療を行えるようになります。オンライン診療の可能性を広げる革新的なDXの事例のひとつといえるでしょう。

医療体制を維持していくためには、DXの推進が不可欠

今後ますます少子高齢化が進み、人口が減少していくなかで、日本は世界に誇る国民皆保険制度と全ての国民が等しく医療を受けられる体制を維持することが求められています。高齢の世代ができる限り長く自立した状態で健康に暮らせるよう、医療、介護、予防、生活支援といったサービスを一元的に提供する仕組みが必要と考えられており、国が推進している「地域包括ケアシステム」がそれに当たります。

もちろん、若いうちからの健康管理も重要です。近年では、人々の予防医療への関心が高まり、企業や地方自治体などでは従業員や市民の健康づくりをサポートするシステムを導入する動きも見られますが、そうした取り組みは今後ますます求められるようになるでしょう。

超高齢社会に合わせた環境整備や健康を促進するシステムの構築に欠かせないのが、AIやIoT、ビッグデータといったデジタル技術です。ほかのあらゆる分野と同様に医療業界においても、時代の流れに合わせ、迅速にDXを推進していく必要があります。まずは今回紹介した点を参考に、現状の課題を分析するところから取り組んでみましょう。

健康と命に関わる医療現場におけるDXは、現状の業務プロセスを踏まえた上で慎重に進めていかなければなりません。DXに関するノウハウと経験が豊富な専門企業に相談し、連携しながら取り組むことが最適解であると言えるでしょう。

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