【2019年最新版】デジタルシフトがもたらす企業の働き方改革 | SoftBank World 2019

【2019年最新版】デジタルシフトがもたらす企業の働き方改革 | SoftBank World 2019
  • テレワーク、リモートワークが増加するなか、企業がとるべき対策とは?
  • セキュリティ対策や認証技術についても言及
  • 働き方改革に寄与するRPAやBotソリューションなども紹介

(2019年10月1日掲載)

国内で働き方改革の大きなうねりが起こるなか、テクノロジーを活用した生産性向上への取り組みに期待が高まっている。Day1、Day2に行われた講演のなかから「働き方改革」と関連性の高い5つの講演を振り返ってみよう。

ビジネス拡大の鍵? NISTベースのセキュリティ対策

北山 正姿

ソフトバンク株式会社
法人プロダクト&事業戦略本部
戦略事業統括部 IoT・セキュリティ事業推進部 部長

かつて私たちは、労働時間の大半をオフィスで過ごし、業務も紙ベースで行っていました。しかし昨今、オフィスのシェアリング、あるいはリモートワークなどが増え、業務も紙ベースからクラウドベースへと移行しています。

そのような変化に伴い、事業環境はますます便利になっています。その反面、保護された環境以外からのアクセスが増えたことにより、脅威は増加しています。狙われる企業も大企業、有名企業だけでなく、それらと取引のある企業にまで広がっており、すべての企業が狙われていると言っても過言ではありません。

一度狙われてしまったらサイバー攻撃を完全に防ぐことは難しく、企業は侵入されたことをいち早く検知し、対策する手段の確保が必要です。
そんななか対策の指標となるのがNISTのサイバーセキュリティフレームワークです。NISTとはアメリカ国立標準技術研究所のこと。NISTが定めた新しい産業サイバーセキュリティフレームワークが「NIST SP800シリーズ」です。NIST SP800シリーズは、防御だけでなく侵入された後の検知、対応、復旧までがカバーされていることが特徴です。日本でも2020年度以降、政府調達先の防衛関連企業に対して「NIST SP800-171」に合わせた情報保護策を義務づけました。入札制限など、厳格な要求がサプライチェーン全体に課されるようになります。

ソフトバンクではそうした時流を踏まえ、NIST SP800ベースで簡易問診ができる「サイバーリスク検診」、社内セキュリティ環境の安全性を確認できる「セキュリティヘルスチェック」などで構成された「セキュリティアセスサービスラインナップ」を展開。セキュリティ全体の可視化から、状態・課題把握、そして対策の導入までを支援いたします。

企業のセキュリティ対策は自社の置かれた状況を正しく知ることから始め、その後、社員の働き方に合わせて優先順位を決めながら、正しく対処を行うことが肝心であると考えています。

より安心安全な認証基盤を目指して
~ソフトバンクと日本ユニシスが考える新しい多要素認証~

藤長 国浩

ソフトバンク株式会社
常務執行役員
法人プロダクト&事業戦略本部長

八田 泰秀

日本ユニシス株式会社
執行役員 インキュベーション部門
ストラテジックアライアンス長

昨今のビジネスシーンでは「テレワーク」という働き方に注目が集まっており、「同じ場所に出勤し、同じ場所で仕事する」という古い働き方では社員をつなぎ留めることはできなくなりました。

ソフトバンクはそうしたテレワークに柔軟に対応すべく、Microsoft Teamsと連携したクラウド型音声サービスの提供を開始。同サービスにより「03〜」から始まるような「固定電話番号」を、いつでもどこからでも利用可能となります。

こうした時代変化・利用者ニーズ変化による新しい課題の1つが、機密情報漏えいのリスクです。ある調査では「紛失・置き忘れ」「誤操作」「不正アクセス」の3大原因が、個人情報漏えいの約70%を占めることがわかりました。

2018年の「インシデント・トップ10」においても、3大原因のうち「不正アクセス」による影響が上位を占めました。企業は今、侵入を前提とした対策が求められており、当社も「Cybereason」「Zimperium」というサービスを提供しています。

一方で、そもそもID&パスワードが必要なければ、なりすましを防ぎ、利便性も上がるのではないでしょうか。

そうした考え方をベースとした新しい認証基盤が「多要素認証」「多段階認証」「秘密分散」という考え方です。

「多要素・多段階認証」は、「秘密分散処理」された生体情報をもつスマホを本人認証に用いることで、ID&パスワードレスでPCへログインし、「SIM」と「デバイス」、「生体情報」の3要素認証を段階的に実施することにより社内LANへアクセスする、というものです。

どこでも社内LANと同じレベルのセキュリティを確保し、ネットワーク、デバイス、本人のすべてを特定可能にします。オフライン利用時においても「秘密分散」という手法をとることで、PC紛失などの情報漏えいのリスクを限りなくゼロにします。

さらに、ここに5Gネットワークが加わることで、より機密性の高い大容量の情報の取り扱いが可能となります。

例えば、機密性の高い情報を取り扱う「医療」の世界。遠隔地にいる医者が高画質・高解像度の映像を見ながら行う「手術の遠隔指示」の実証実験にも成功しており、タイムラグはたった“0.01秒”でした。

確実な認証がより重要となるロボット支援手術にも期待が高まるでしょう。

デジタルワークフォース内製化を実現する次世代RPA

秋本 尚吾

オートメーション・エニウェア・ジャパン株式会社
シニアセールスエンジニア

97%——。これは「RPAに投資、または1年以内に投資する日本企業」の割合です。企業の意思決定者を対象とした調査で、ロンドン大学と当社の共同調査でわかりました。日本以外の調査対象国であるアメリカ・インド・イギリスと比べても、かなり高い数値と言えます。

しかしこの調査の半年後、今度は企業の一般ユーザを対象に「RPAやAIを自分の業務で利用しているか」という共同調査を行いました。その数値はなんと「12%」。企業のRPA導入においては「内製化」がうまく進んでいないことがうかがえる調査結果となりました。

当社が開発を進めている次世代の「Automation Anywhere Enterprise」(以下、AAE)は、どんな業務にロボットが適用できるか誰よりも知っている「ビジネスユーザ」、コストやセキュリティを考える「IT」(RPAマネージャ)、ロボット開発のスペシャリストである「開発者」——これらすべてのユーザにとっての利便性を高め、さらなる内製化へと導きます。

学習能力を持つ「IQ Bot」、リアルタイム分析を行う「Bot Insight」、デジタルワーカのマーケットプレイス「Bot Store」を提供してきた当社の次世代AAEは、ブラウザベースで稼働し、クラウドにも対応するRPAプラットフォーム。

クラウド、オンプレミス、モバイルのいずれの展開方法にも対応し、大企業から中小企業間ですべての市場で活用してもらいたいと考えています。

RPA×AIで実現する新しいDXのカタチ
~RPA×AIの内製化に向けた取り組み~

上永吉 聡志

ソフトバンク株式会社
法人事業統括
法人プロダクト&事業戦略本部 副本部長 兼 RPA事業推進室室長

西川 智章

株式会社aiforce solutions
CEO 兼 AI Business Producer

大企業を中心に「RPAを導入している」あるいは「導入を検討している」という企業は増えていますが、そこには「組織」「プロセス」「人・スキル」の各点において課題が存在し、会社全体に体感・共有・発展させることができておらず、結果としてスケールにまで至っている企業はまだ少ないのが実状です。

ソフトバンクでは2017年4月から「Smart & Fun!」をスローガンに働き方改革を推進しており、RPAによる業務効率化も重要な施策の1つに置いています。

一歩一歩、できるところからRPA化に取り組んできた結果、RPA化の対象業務は3,600業務、開発人数は498名に拡がり、月間64,000時間の削減効果を生んでいます。

次なる頂に向かうため——。今後はRPAの横展開とは別に、Class1からもう一歩踏む込んだ施策として、「RPA×AI」により、非定型業務の自動化(Class2)や高度な自律化(Class3)の実現も目指しています。

「AI」という言葉が社会に浸透して久しいですが、メディアで言われるほどAIの商用化は進んでいません。また、データサイエンティストや機械学習エンジニアにかかる人的投資も大きいものです。

結果として、予算を潤沢に持つ一部の超大企業のみがAIを導入し、日本を支える大多数の企業にはAIが浸透していない状態が生まれています。

aiforce solutionsは、誰もが「読み・書き・そろばん」と同レベルでAIを使いこなせる、そんな「AIの民主化」を実現する世界を目指しています。

実務で成果を上げているAIは、機械学習を搭載したものが大半です。そしてその機械学習によってできることは、正常品か不良品かを見分けるような「分類」の機能と、数値を予測する「回帰」の機能に大別できます。

「RPA×AI」の基本的な最適化フレームワークは、RPAでできないことをAIの機能が補うような構成で成り立って、製造業における製品別需要予測精度の高度化や産業用機械部品の故障検知、金融業における融資審査業務自動化や証券貸株金利自動推定ですでに実績を上げています。

日本最大級LINE WORKSの最新導入事例

佐久間 佳史

ワークスモバイルジャパン株式会社
法人ビジネス事業部 パートナー営業統括
第一営業 部長

秋貞 雄大

株式会社ジェネストリーム
代表取締役

ある調査では「ビジネスパーソンの約60%が仕事でもLINEを使ったことがある」と回答するなど、ビジネスシーンでもLINEの活用の輪が拡がっています。

そうした需要があるなか、2016年1月、ビジネス版LINE「LINE WORKS」がリリースされました。よく使われるチャット機能以外にも、掲示板、カレンダー、アンケート、アドレス帳、ファイル共有などの機能を含み、セキュリティも万全で、1つのアプリで企業内コミュニケーションを完結できることが大きな特長です。

サービス開始からの3年間で、有料契約社数は累計27,000社を突破しました。

2018年以降、他社のLINE WORKS、あるいはコンシューマ向けのLINEともやりとりできる外部トーク連携を強化してきました。またLINE WORKSはAPIを公開しているため、その他のクラウドサービス、社内システムとも連携可能です。LINE WORKSが目指すところは、すべてのビジネスパーソンの「フロントエンドアプリ」となることです。

ジェネストリームは、ビジネスチャット「LINE WORKS」 のサービスパートナーとして、安否確認ソリューション「安否確認BOT」、顧客商談管理ソリューション「Rekuru」のソリューション開発を行いました。

これらはいずれも「何かを入力したら、何かを自動的にアウトプットしてくれる」という「Botソリューション」と呼ばれるもの。

国内外に多数存在するBotソリューションはなかばカオスのような状態となっていますが、細かく整理分類すると、ログ型、選択肢型、辞書型、選択肢&辞書型に分類できると思います。

これだけ種類が豊富だと「どのBotを選べばいいのか」「どう選べばよいのか」という疑問が生じるものですが、その答えは「誰の、何を解決するのか」という視点です。

ジェネストリームが過去に見てきた失敗例から分かったBot定着のポイントは「目的を定めないまま導入すれば、結局使われないシステムになる」ということ、そして「現場と管理者の間にギャップがあると定着しない」ということです。

Bot選びの際には、今すでに現場に存在している業務をなくしてあげるという視点がとても重要で、導入後は「Botに慣れる→業務課題を意識する→Botをカスタムする」という3ステップが効果的だと言えるでしょう。

それを踏まえ、あらためてどういうBotを選べばよいのか整理するならば、社内外で利用できる「単機能Bot」から始めることが大きなポイントです。

ジェネストリームの「安否確認BOT」および「Rekuru」はそれぞれ「社内利用の単機能Bot」「社外利用の単機能Bot」であり、実際に多くの企業が導入しています。

後記

テレワークやリモートワークなど、多様な働き方へのニーズの高まりに伴い、企業側の対応も喫緊の課題となっている。デジタル化による働き方改革を実現するためには、既存のワークプロセスを根本的に変革する必要があり、今はまさにその移行期である。企業は移行期ならではの課題を一つ一つ解決しながら、デジタライゼーションの歩みを進めなければならない。必ず来る、働き方の未来に向けて――。

関連リンク

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