handyは「旅のリモコン」。旅行業界を変革する次世代観光インフラをつくる

handyは「旅のリモコン」。旅行業界を変革する次世代観光インフラをつくる
  • 年間8,760万人にリーチするターゲットメディア
  • ホテル業界にデジタルトランスフォメーションを
  • タビナカのすべてがつながる未来に

ホテル客室設置型のスマートフォンレンタル事業を手がけるhandy。今後はソフトバンクとの共同開発でメディア、ホテルIoT、トラベルエージェントの3つの機能をhandyに付加し、IoTプラットフォームとしての世界観を目指していくという。handyとソフトバンクが目指す次世代観光インフラの全貌について、handy Japan勝瀬博則氏、平林朗氏、村上臣氏、ソフトバンクの河本氏に話を聞いた。

勝瀬博則

handy Japan株式会社
1992年より米国大手事業会社にて通信、サーチエンジン、ヘルスケア事業を手掛け、2015年、Booking.comの日本統括マネジャーに就任。訪日客増加を強力に後押しし、Booking.comの日本事業を大きく成長させた。現在は現職の他、神奈川県観光政策統括アドバイザー、パソナ株式会社地方創生特命アドバイザー、フォートレスキャピタルマネジメント顧問などを兼任。

平林朗

handy Japan株式会社 CEO-handy Travel
2008年、株式会社エイチ・アイ・エス代表取締役社長に就任。2016年より同社取締役副会長兼M&A本部長、H.I.S.ホテルホールディングス株式会社の代表取締役社長を歴任。2018年7月よりhandy Japanのトラベル事業のCEOを務める。

村上臣

handy Japan株式会社 Head of handy IoT
LinkedIn 日本代表
大学在学中に有限会社電脳隊を設立。モバイルインターネット黎明期において「WAP」の普及に尽力し、2000年、ヤフー株式会社へ入社。2012年から同社執行役員、CMOに就任。現在はLinkedInの日本代表を務める。2018年7月よりhandy JAPANのIoT領域のエグゼクティブアドバイザーを兼任。

河本亮

ソフトバンク株式会社
デジタルトランスフォーメーション本部
第一ビジネスエンジニアリング統括部 統括部長
handy Japan株式会社 取締役
2003年に現ソフトバンク入社。2017年よりデジタルトランスフォーメーション本部の統括部長として、新規事業立案・パートナーアライアンスに従事。2018年7月にhandy Japan株式会社取締役就任。

年間8,760万人の旅行者にリーチする
唯一無二のターゲットメディア

2017年12月末の時点で、handyの契約台数は24万台。客室が365日稼働すると年間で8,760万人にリーチできる可能性があり、handyはメディアとして大きなパワーを持っている。例えば、位置情報を分析して宿泊者に合わせた観光情報やクーポン、VRコンテンツやチケットなどのエンターテイメント、更には防災情報などを提供することが可能だ。handyが持つメディアとしての強みを勝瀬氏、村上氏は次のように語る。

勝瀬:

handyを客室で手に取る人たちは100%旅行者です。旅行という非日常を楽しんでいて、今現地にいて、何か未知の体験をしたいと思っている。そこにピンポイントで情報を提供できるので、ターゲットメディアとしてhandyの価値は高いと言えます。宿泊客にもメリットがあります。ホテルのコンシェルジュやGoogle 検索はどちらかと言えば自分で情報を取りに行くプル型です。一方、handyはこちらから何も言わなくても、「こんなものがありますよ」と情報を次々と提供してくれる旅館の女将に近い。これはプッシュ型です。これまで旅行のプッシュ型の情報提供はほとんどが紙媒体で行われていました。しかし、紙媒体だとどれくらいの人が見て、行動したのかがわかりません。それをhandyに置き換えれば、より効果的に、安いコストで宿泊者への情報提供をすることが可能です。例えば、岩手にある八幡平スキー場の情報を東京エリアのhandyに掲載したところ、それまではHPへの流入が1日2件程度だったのが、掲載後は1日2,000件ほどになりました。このように東京にいる旅行者に地方の魅力を発信するという使い方もできます。

村上:

今はオンラインでの情報の信頼が揺らいでいると思います。知り合いから聞いた情報とマス広告の情報、どちらを信用するかというと人から聞いた情報を信用する人が多くなっています。従来のメディアの情報が届きにくくなっている中、handyの場合は、信頼と利用のコンテクストが合わさったメディアです。宿泊者とホテルの間にはすでに信頼関係があります。handyはその信頼を借りて、旅という文脈に沿った情報を届けているわけです。

ホテル業界にデジタルトランスフォーメーションを

handyにはメディアとしての機能のほか、ホテルIoT、トラベルエージェントとしての機能も追加されていく予定。旅行業界の中でも電車や飛行機に比べてホテルはデジタル化の対応が遅れているという。handyによってどのような変革を起こせるのだろうか。

平林:

日本には6〜8万軒の宿泊施設がありますが、日本最大規模の楽天トラベルにも2万5000軒ほどしか掲載されておらず、HPがない旅館がたくさんあります。ホテルの予約システムや運営システムを入れるには数千万単位でお金がかかりますから、小さな旅館では投資ができません。それを変えていけるのがhandyです。

それに、handy があることでサ—ビス面の向上にもつながります。handyは多言語でメッセージを表示できますから、言語対応の課題もクリアできます。外国人観光客にお風呂の入り方を案内したり、食事の説明をしたりできるようになり、より旅を楽しんでもらうことができるはずです。小さな旅館こそ、こうした機能が役に立つのではと思います。

勝瀬:

今後の展開としてhandyはPMSやPBXなどのホテルシステムとの連携を視野に入れています。その他、さまざまなホテルのコストリダクションに寄与することができます。例えば、ホテルにある紙の館内案内。印刷費用や人的コストがかかりまし、1つ情報が変わっただけで全室分を差し替えることになりますよね。handyを使うことでそれらのコストを抑えることができます。また、これまでやっていなかった付加価値として、近隣の施設のご案内などもhandyで行うことができます。

河本:

スマートフォンならではの機能としては、プッシュメッセージの活用も可能です。例えば、ホテルのレストランのアイドルタイムに来店してもらえるように、handyの端末にプッシュメッセージでワンドリンク無料のお知らせを送る。ホテルの付帯収入のアップにつなげることができますし、送ったメッセージが開封されたのか、実際に誘客出来たのかをトレースすることも出来ます。ホテルはこの情報を基にどのようなメッセージを発信すればコンバージョンに繋がるのか、PDCAを回してCVRを高めていけます、これはこれまでの紙チラシでは出来なかったことです。

handyは「旅のリモコン」になる

ホテルごとに異なる鍵や電気などの規格を一元化し、スマートロックのほか、エアコンやテレビのコントロールなど部屋の中のすべての操作をhandyだけでできるようにする試みもある。

村上:

ホテルによって電気のつけ方が変わって、操作方法がよくわからないということがありますよね。ホテル側としては差別化のポイントかもしれませんが、消費者にとっては規格がそろっているほうが便利です。面倒くさいということは、テクノロジーの入る余地があるということ。旅に関しては、面倒なことがまだまだたくさんあります。

照明やエアコンの調整、スマートロックなど、ホテル内でのさまざまな行動をhandyの端末をスイッチに行うことができる。
 

それにIoT化することで、さまざまなデータを取ることができます。宿泊客の趣味趣向、温度や照明を付けている時間までデータを取って可視化できるので、さまざまな相関が見えてきます。そこからまた新しいサービスが生まれるのではと思います。

勝瀬:

handyはいわば「旅のリモコン」です。室内ではリモートコントローラーとして、部屋から出たときはリモートコンシェルジュとして使ってもらえます。タクシーの配車、宅配サービスなどもhandyからできるようにする予定です。宿泊客はhandyだけですべてをまかなうことができ、ホテル側はhandyを使ってもらうことでさまざまなデータを取れます。

将来的には決済もhandyでできるようにしたいと思っています。外国人旅行者にとって現金での支払いは大変です。ホテルではフロントに部屋付けしすべて後払いにできますよね。この仕組みを街に持ち出せたら素晴らしいと思います。handyを持っていると宿泊先が証明されて、チェックアウトしたときに一括で支払いできるような仕組みにすれば、ユーザは店舗ごとで支払う手間がなくなるし、購入履歴を分析することもできます。

ホテル内だけでなく、旅行中の決済をhandyで行えるようになることで、旅の一連のデータが取得できるようになる
河本:

ソフトバンクとしても、決済を含む旅ナカでの旅行者の行動データをどう握れるかということも資本・業務提携を行った大きな目的の1つです。

日本の旅行業界の未来を握る「安心・安全」のインフラ

外国人旅行者が増え続けるにつれて、旅行業界は今後もさまざまな変革を求められていく。旅行業界にとって避けて通れない課題が、言語の問題と災害時の対応だ。これに対して、平林氏、勝瀬氏、村上氏は次のような見解を述べた。

平林:

旅行業界にこれから起こると言われているのが、言語の壁がどこかで崩れるということです。今でも訪日外国人が日本語の看板にアプリをかざして翻訳をしていますし、手軽な翻訳機も登場しています。言語の壁がなくなることで、人の交流の仕方、旅行の仕方が加速度的に変わってくるでしょう。旅行業界はそれに対応していくことが求められます。そのときに、handyとしては業界をリードするポジションにいたいと思っています。

勝瀬:

これまで対応が難しかったのが旅行者の危機管理です。旅行者は基本的に情報弱者。先日、大阪で大きな地震が起きたとき、私も現地のホテルにいました。外国人観光客の方はホテルのロビーに集まってパニック状態でした。日本は災害が多いですから、いざというときに外国人旅行者に正しい情報を伝える仕組みを確立しておくことが大切です。災害時のインフラとしてhandyを利用できるようにしたいと思っています。

大阪の地震のときはhandyのプッシュメッセージで災害情報をお知らせしました。各都道府県の災害情報センターが多言語で情報を出しているので、そのリンクを貼ったところ、約6割の方が開封しました。海外からの旅行者が安心、安全に、旅行を楽しんでもらえる環境を整えるために、handyにできることはたくさんあると感じています。

村上:

旅行者が多く利用するような案内看板サインの多言語表示をしている施設でさえ、何かが起きたときには日本語と英語くらいのアナウンスしかされません。そういう点では、handyなどで自国語の情報にアクセスできるというのはすごく重要なことだと思います。

旅行中のすべてがワイヤレスにつながる未来

ソフトバンクとの資本・業務提携によって加速していくhandyの「旅の総合プラットフォーム化」。次世代の観光インフラとして、handyは旅行の楽しみ方を大きく変えていく可能性を秘めている。

勝瀬:

私たちとしては日本にいらっしゃる旅行者のみなさまに、日本の魅力を知っていただくメディアとして、旅を楽しむためのサービスを提供するツールとして、そして緊急時のときも安心して使えるインフラとして、handyを活用してもらいたいと考えています。安心、安全をサポートすること、旅行を楽しんでいただくということを両立させていきたい。それが本来の意味でのおもてなしだと思います。

河本:

今後の5G化による大容量、多接続、低遅延の通信環境、コンテンツのリッチ化は間違いなくhandyにも良い影響を与え、新たな宿泊体験を提供できる未来が近づいています。そんな世界になるであろう数年後に、handyプラットフォームは旅行客にとって今よりも更に有意義で、なくてはならないインフラとなっていると確信しています。

5G時代には街のあらゆるものがIoTでつながっていく。ソフトバンクのAI、IoTのテクノロジーと、handyから得られる「タビナカ」のあらゆる行動データを融合させることで、新たな顧客体験の創造を実現するとともにホテル側の経営効率化にもつながっていく。チェックインから、ホテルの室内、そして街での買い物の決済すべてのデータが連携する未来がすぐそこまで来ている。

■取材協力

京王プラザホテル

handyも導入している京王プラザホテルは、1971年の開業以来、西新宿の地で世界100カ国以上のお客さまに愛されてきた国際ホテルです。今回の取材が行われたインペリアルスイートルームはインテリアデザイナーの剣持勇氏が室内設計から家具や照明のデザインまで手がけたというジャパニーズモダンテイストの空間。開業時から日本の歴史と共に各国の要人やセレブリティに愛されてきた一室です。
https://www.keioplaza.co.jp/

■関連リンク

handy Japanとソフトバンクでつくる観光客を動かすタビナカメディア


handy Japan

https://handy-japan.com/