【5G・IoT最前線】動くサイネージ、全天球映像通話。ソフトバンクの最新テックをレポート

【5G・IoT最前線】動くサイネージ、全天球映像通話。ソフトバンクの最新テックをレポート

(2020年8月19日 掲載)

2020年から5Gサービスがスタートし、IoTによってビジネスやエンターテイメント、暮らしが変わろうとしている。そんな中、5GやIoTを組み合わせることで何ができるのかを模索している企業も多いだろう。

ソフトバンクでは、5GやIoTを利用した各種サービスの導入を考える企業との新たな価値の共創を目指すプログラム「5G×IoT Studio」の展示・体験ルームを2018年に開設。2020年6月末に汐留本社での展示内容をリニューアルした。

展示されている最先端テクノロジーの中には、すでに企業との共創がスタートしているものもある。「5G×IoT Studio」の展示・体験ルームで直接触れ、未来を体験することで、新しいビジネスのヒントを得られるはずだ。本記事では、展示内容の一部をレポートする。

目次

【展示1】360度の映像をライブ通信「全天球映像通話システム」

"ソフトバンクの「5G×IoT Studio」展示・体験ルーム 360度の映像をライブ通信「全天球映像通話システム」"

近年、高まりつつある遠隔会議や遠隔視察、遠隔監視などの需要。こうした中で、離れた場所にいても、現場にいるかのような映像をリアルタイムで確認し、通話できるのが「全天球映像通話システム」だ。

手のひらサイズの360度カメラと接続し、PC経由で映像を配信。離れた場所にいる人はPCのブラウザ、または、よりリアルな映像を見たい場合はVRゴーグルを通して見ることができる。通話や映像の録音機能もついている。

"配信用PCと360度カメラ"

"VRゴーグルを通して映像を見ることが可能"

「全天球映像通話システム」を使うことで遠隔地にいながら空間全体を把握できるため、現地に行くことなく、建設現場や製造現場、倉庫などの視察、状況確認が可能。また、人の目が届きにくい狭い場所や危険な場所にカメラを設置して映像を配信することもできるため、メンテナンス業務の効率化、安全性の向上などに役立てられ、さらに、限られた人しか入れない工場の様子や、職人目線で作業する360度映像を配信することで、遠隔地からリアルで研修を実施することも。

【展示2】遠隔接客も可能。自律走行型ロボット「サイネージくん」

"ソフトバンクの「5G×IoT Studio」展示・体験ルーム 自律走行型ロボット「サイネージくん」"

これまで広告は決められた場所に掲出されるものだった。しかし、これからは人が多くいる場所に移動する自走サイネージが活躍するかもしれない。それを実現するのが、自律走行型ロボット「サイネージくん」だ。

3面にディスプレイがあり、エリア内を自走してサイネージを表示することが可能。AIカメラを設置すれば、性別や年齢層を判断して、ターゲットに合わせたサイネージを表示することもできるという。

利用にあたっては詳細にルート設定する必要はなく、一度フロアを回れば、自らルートを学習。センサで人や障害物を感知すると迂回ルートを探すため、人が多くいる場所でも安全に走行できる。

大規模店舗やイベント会場などでのサイネージとしての活用のほか、倉庫や建設現場の遠隔監視にも応用できる。また、上部に荷物を置けるので、オフィス内での書類など軽量な荷物運搬を任せることもできる。人との接触回避、人員不足に対応する手段としても有用だ。

「5G×IoT Studio」展示・体験ルームでは、サイネージくんの上部に「全天球映像通話システム」を設置したデモを実施。360度の映像を確認しながら通話もできるので、遠隔接客などにも活用できるという。

【展示3】センチメートル級測位サービス「ichimill(イチミル)」

"ソフトバンクの「5G×IoT Studio」展示・体験ルーム センチメートル級測位サービス「ichimill(イチミル)"

農業機械やドローンの自動制御、バスの自動運転などを実現するためには、正確な位置情報の取得が不可欠だ。しかし、一般的なカーナビシステムやスマートフォンなどで利用されているGPSでは数メートルの誤差が生じる。この課題を解決するのが、RTK測位技術を活用したセンチメートル級測位サービス「ichimill」だ。

RTK(リアルタイムキネマティック)測位 … 準天頂衛星「みちびき」などのGNSSから受信した信号を、固定局と移動局の2つを利用して、リアルタイムに位置情報のずれを修正する測位方法

"「ichimill」のGNSS端末"

ソフトバンクでは汐留、豊洲間を運行するシャトルバスの一部に「ichimill」を搭載しており、「5G×IoT Studio」展示・体験ルームではバスが移動する様子をリアルタイムトラッキングするデモを実施している。バスが出発すると、単にどの道を走っているかだけでなく、道路のどの車線を走っているかまで正確にタブレット端末上に表示されていく。今後さまざまな機器の自動制御が求められる中、高精度に位置を把握できる「ichimill」は、社会のIoT化を支えるテクノロジーになるはずだ。

【展示4】周辺の街の様子をARで表示「ソフトバンク新本社AR」

"ソフトバンクの「5G×IoT Studio」展示・体験ルーム 周辺の街の様子をARで表示「ソフトバンク新本社AR」"

ARコンテンツ開発ツール「Vuforia」によって生成された竹芝の街。移転予定のソフトバンク新本社ビルの模型にタブレット端末をかざすと、ビルと周辺の街がARで表示される展示。角度や目線の高さを変えることができ、平面の地図や映像を見るよりもダイナミックに街の様子を見ることができる。将来、スマートシティが広がっていけば、リアルタイムに交通量や通信トラフィック量をAR表示することも可能。歴史的建造物をARコンテンツ化して、観光PRなどに役立てることもできるという。

【展示5】ゲートの向こうは観光地!観光業向け「5GゲートAR」

"ソフトバンクの「5G×IoT Studio」展示・体験ルーム 観光業向け「5GゲートAR」"

"ソフトバンクの「5G×IoT Studio」展示・体験ルーム 観光業向け「5GゲートAR」"

こちらも、ARコンテンツ開発ツール「Vuforia」を活用して制作された「5GゲートAR」。展示されたゲートにiPadのカメラを向けると、ドアの向こうにあらかじめ用意した映像、例えばスキー場のゲレンデやリフトから見た景色などが見えて、現地を訪れているかのような体験を楽しむことができる。駅や空港などに設置して、観光地PRに活用できそうだ。5Gを活用することで、リアルタイムの映像を配信することも視野に入れているという。

【展示6】電車との接触事故を体験できる「安全教育VR」

"ソフトバンクの「5G×IoT Studio」展示・体験ルーム 電車との接触事故を体験できる「安全教育VR」"

"触車を疑似体験できるVR動画"

JR東日本で導入されている「安全教育VR」は、車両基地や線路内での作業の危険性を疑似体験できるVRコンテンツだ。VRゴーグルを装着して映像を視聴すると、電車が一瞬で間近に迫ってくる様子を体験できる。座学の研修では自分事化しにくい事故の恐ろしさを、VRを通してリアルに体験できるため、製造業やインフラ業界などの研修に活用されているという。

【展示7】LED蛍光灯一体型カメラを用いた防犯サービス「SecuLight(セキュライト)」

"ソフトバンクの「5G×IoT Studio」展示・体験ルーム LED蛍光灯一体型カメラを用いた防犯サービス「SecuLight(セキュライト)"

従来のネットワークカメラを設置するには工事の負荷やコストの課題があった。その点、蛍光灯と一体になった防犯カメラを用いた「SecuLight」の場合は、蛍光灯器具がある場所ならすぐに設置が可能。SIM搭載でWi-Fi環境がない場所でも通信できる。すでに東急電鉄の車両にも実装されているほか、小売や倉庫など防犯カメラが必須の場所での導入が検討されている。

【展示8】オフィスをセンシングして最適化する「IoTソリューション」

"ソフトバンクの「5G×IoT Studio」展示・体験ルーム オフィスをセンシングして最適化する「IoTソリューション"

ドアの開閉データ、温湿度などの環境データをセンサで検知し、ソフトバンクのIoTプラットフォームと接続する「IoTモジュール」。スマート可視化サービス「スマ可視」を活用すれば、アプリでリアルタイムに集計したデータを確認できるので、オフィス環境の最適化や会議室の稼働率などを把握できる。「5G×IoT Studio」展示・体験ルーム内にも多数のセンサが取り付けられており、実際の管理画面を確認することも可能だ。

【展示9】スタジアムの試合をアバターで観戦「マルチアングルVR」

"ソフトバンクの「5G×IoT Studio」展示・体験ルーム スタジアムの試合をアバターで観戦「マルチアングルVR」"

5Gによって可能性が大きく広がるスポーツ観戦。離れた場所にいながら、スタジアムで目の前の試合を観戦しているような楽しみ方を実現するのが「マルチアングルVR」だ。デモではVRゴーグルを装着し、バスケットボール日本代表国際試合の一場面をアバターになって観戦することができる。5Gネットワークを活用することで、離れた場所にいる友人どうしでVR空間に集まって一緒に楽しむことも可能。5Gの世界観を体験できる展示だ。

【展示10】アバターで受付業務ができる「モーションキャプチャー」

"ソフトバンクの「5G×IoT Studio」展示・体験ルーム アバターで受付業務ができる「モーションキャプチャー」"

映画やゲーム業界でCG制作に用いられる「モーションキャプチャー」。最近では、接客業や受付業務への導入が検討されている。デモでは、体の動きをneuronという磁気センサ付きのスーツで読み取り、顔の表情をスマートフォンで認識。すると、それらの情報がMECサーバに送られて、アバターに動きがリアルタイムで反映される。その表情は実にリアルでなめらか。自宅にいながらアバターで受付業務や店舗での接客なども行うことができるため、働き方改革や人材不足対策に役立ちそうだ。

5G×IoTの未来を体験できるショールームへ

"5G×IoTの未来を体験できるショールームへ"

「5G×IoT Studio」では、今回紹介した以外にも、映像にリアルタイムでぼかしを入れる「リアルタイムぼかし処理」、遠隔地にいるロボットなどが触った物の力触覚を伝える「リアルハプティクス」など、さまざまな最先端テクノロジーを体験できる展示がそろっている。

製造業、建設業、観光業、放送業、小売業、自治体など、あらゆる業界でIoT化が進んでいる中で、「5GとIoTによって何ができるのか」を知るには、実際に体験することが一番だ。「こんなことができるのか」という驚きと感動を、「5G×IoT Studio」展示・体験ルームで、ぜひ味わってほしい。