デジタライゼーションがもたらすビジネス変革|SoftBank World 2020 ダイジェスト

Cloud Future Conference デジタライゼーションがもたらすビジネス変革|SoftBank World 2020 ダイジェスト

(2020年12月10日 掲載)

目次

コロナ禍により、国内企業のビジネスモデルや働き方は転換期を迎えた。2日間の「SoftBank World 2020」を締めくくる特別プログラムとして開催された「Cloud Future Conference デジタライゼーションがもたらすビジネス変革」には、日本のクラウドビジネスを牽引する日本マイクロソフト、グーグル・クラウド・ジャパン、日本アイ・ビー・エム、アドビの4社が登壇。クラウド活用がもたらす社会やビジネスの変化とは。本セッションをダイジェストで紹介する。(本講演は、2020年11月29日、30日に「東京ポートシティ竹芝 ポートホール」よりライブ配信された。)

日本マイクロソフト株式会社 執行役員 常務 パートナー事業本部長 檜山 太郎 氏

檜山 太郎 氏

日本マイクロソフト株式会社
執行役員 常務 パートナー事業本部長
グーグル・クラウド・ジャパン合同会社 上級執行役員 パートナー事業本部 石積 尚幸 氏

石積 尚幸 氏

グーグル・クラウド・ジャパン合同会社
上級執行役員 パートナー事業本部
日本アイ・ビー・エム株式会社 常務執行役員 クラウド&コグニティブ・ソフトウェア事業本部長 伊藤 昇 氏

伊藤 昇 氏

日本アイ・ビー・エム株式会社
常務執行役員 クラウド&コグニティブ・ソフトウェア事業本部長
アドビ株式会社 常務執行役員 デジタルエクスペリエンス営業統括本部長 浮田 竜路 氏

浮田 竜路 氏

アドビ株式会社
常務執行役員 デジタルエクスペリエンス営業統括本部長
ファシリテーター ソフトバンク株式会社 常務執行役員 藤長 国浩
ファシリテーター

藤長 国浩

ソフトバンク株式会社
常務執行役員

コロナ禍で起こったビジネスの劇的変化

Cloud Future Conference コロナ禍で起こったビジネスの劇的変化|SoftBank World 2020 ダイジェスト

——コロナ禍における自社、および皆さまのお客さまの事業環境や意識の変化についてお答えください。

檜山氏:Microsoft CEOのサティア ナデラは「2年間分のDXがたった2ヵ月のうちに起こった」と言っています。当社のビジネス案件数も、昨年の同時期との比較で200倍ほどになりました。Microsoft Teamsのユーザ数も急拡大しており2020年10月現在、1 日あたり1億 1,500 万人以上にお使い頂いています。ソフトバンクさまにはTeamsからの音声通話サービス「UniTalk」を展開いただいており、さらなる加速のためご一緒させていただいています。

当社も完全リモートワークに切り替わりましたが、今後は従業員一人一人の働く環境、メンタルサポートも重視していく方針です。

石積氏:お客さまとお話をさせていただくと、リモートワークに切り替えられた企業ばかりではありません。「対面」を要する仕事や業務は切り替えが難しいですし、レギュレーションの問題から出社を必要とするケースもあります。特に金融機関はデータ保全性の観点で「リモートワークはまったく頭になかった」「必要性は感じていても、そうはいかない」といった事情があったようです。しかしそうした企業においても今回のコロナ禍で様相が変わりつつあります。これを機会にオープン化、デジタル化、クラウド化を進めていくご意向が増えていくと思います。

伊藤氏: IBMには長い歴史の中で培った行動規範やガイドラインがあり、こうした状況下でも社員やお客さまを守っていくステップが既にできあがっていました。その甲斐もあって不測の自体にも即座に対応できましたし、社外にも公開しています。その点は自社のことながら非常に素晴らしいと思っています。他方、お客さまからは、石積さまがおっしゃられたようなDXを求める声が届いています。DXがいよいよ日本でも進んできているという実感があります。

浮田氏:今までのやり方では、稼ぎたくても稼げなくなる、そんな時代にきているのかなと感じています。Adobeは今夏にBtoB、BtoCのお客さまを対象とした調査を実施しました。その中で「(回答企業にとっての)お客さまの購買行動が急激に変化している」というデータも出てきました。顧客の興味をいち早くキャッチし、デジタルエクスペリエンスを向上させていく、それこそが今後の自社の営業力強化に不可欠である——そう考える企業が増加していると感じます。

クラウドが変革する日本のビジネス、ワークスタイル

Cloud Future Conference クラウドが変革する日本のビジネス、ワークスタイル|SoftBank World 2020 ダイジェスト

——メガクラウド3社の皆さまへの質問です。皆さまのクラウドサービスで日本のビジネスやワークスタイルをどのように変えていきたいですか。またデジタライゼーションの実現に向け、どのようなアプローチでお客さまの意識を変えていきたいとお考えでしょうか。

檜山氏:企業のIT責任者の方たちからは、「システムもクラウドも重要だが、そこで行われるコミュニケーションやコラボレーションの質を上げることが大命題」だとお聞きします。そのためのソリューションを提供し、支援することがMicrosoftとしての使命です。また行政や自治体の皆さまともハッカソンなどを開催し、業務の効率を上げる取り組みをパートナーの皆さまと一緒に行っています。引き続き、お客さまのDXに貢献したいと考えております。

アプローチという点では、カルチャーの変革をすすめたいと思います。もともと「意識の改革」というのはMicrosoftが注力してきた分野の1つです。かつてMicrosoftはソフトウェアライセンスの販売という事業モデルをとっていましたが、クラウドへと大きく舵をきり、パートナー企業さまとともにお客さまのDXを支援するビジネスモデルへと変革しました。この変革を進める中で、Microsoft内のカルチャーを変えていくことが非常に重要でした。組織の壁を越えるため、他のメンバーの成功への貢献を評価指標に加えるなどリーダーシップの変革も必要不可欠でした。お客さまにもクラウド上で協業し共同で作業していくという、新しい考え方に切り替えていただくことが重要であり、そのご支援をできればと思います。

石積氏:クラウドサービスの魅力は「いつでもどこでも、必要な人が、必要な情報をストレスなく入手できる」という点に尽きます。特に「ストレスなく」の部分は非常に大事です。バーチャルな空間でシームレスに、セキュアに仕事をしていただく。そのような価値をクラウドで提供したいです。

当社ではグループウェアとしてGoogle Workspace(旧称 G Suite )を提供しております。これまでのPC業務には、セーブする、フォルダに入れる、シェアする、パスワードをかける、など、常に「ファイル」という存在を意識する必要がありましたが、Google Workspaceはファイルとして存在していたものがデータとなり、そのデータを最適な形で見るためのスプレッドシートやプレゼンテーションといったツールが提供されます。

私自身も今年9月Googleにジョインしましたが、初めてGoogle Workspaceを使ったときは「これこそデジタライゼーションだ」と驚きました。机上の空論でしかなかったそうした世界が、クラウドの技術で実現される。そのような視点で企業の皆さまのコラボレーション、そしてディスカッションを後押ししたいと考えています。

伊藤氏:「クラウド」はあくまでツールに過ぎません。企業や社会全体が今までできなかったことを実現するための道具であるべき、と認識をしています。最近では、金融業界向けのデジタルサービス・プラットフォーム(DSP)を発表しましたが、こうした業界単位でのお付き合いをさせていただいているのもIBMの特徴です。業界ごとの期待や規制にも対応した変革をご支援していきたいと思っています。

お客さまのデジタライゼーションに向けた意識変革についてですが、2割ほどのお客さまはすでに意識が変わっていると思います。残り8割ほどは「How(方法)が分からない」というケースが多く、当社は「まず既存システムをそのままクラウドに持ってきましょう」というアプローチをとっており、具体的にはベアメタルサーバ(IBM Cloud Bare Metal Servers)というサービスを提供しています。

その上で当社としては「アプリケーション・モダナイゼーション」、特にアプリーションのコンテナ化が特に重要だと考えます。本日のベンダ3社はいずれもコンテナ対応したサービスを提供されていますから、皆さんと協調することで実現できる世界はますます拡がっていくでしょう。日本の、特に多くのIT部門の方々の意識を変えながら、具体的な方策もご提供し、一緒になって変わっていきたいと考えています。

Cloud Future Conference クラウドが変革する日本のビジネス、ワークスタイル|SoftBank World 2020 ダイジェスト

——他方、クラウドの中でビジネスをされているAdobeさまは、ビジネスにおけるクラウドの力・価値とはどのようなことだとお考えですか?

浮田氏:もともと売り切りのソフトウェアのモデルから、サブスクリプションモデルに変更していったAdobe自体、クラウドの力を借りることによってビジネス変革を遂行してきた企業です。我々がクラウドサービスの中で重要視しているポイントが、堅ろう性と俊敏性、簡単に言ってしまうと「より早く、より安全に」です。我々Adobeで言うと、クラウドのおかげで最先端の技術を早いタイミングでお客さまにお届けできるようになったと思っております。

ソフトバンクとのパートナーシップ

Cloud Future Conference ソフトバンクとのパートナーシップ|SoftBank World 2020 ダイジェスト

——最後に、ソフトバンクとのパートナーシップ強化について、ご意見をいただけますでしょうか。

檜山氏:今はある意味、危機的な状況、逆境に直面していますが、日本の歴史を振り返っていくと、そういうときのほうが新しい価値が生まれてきているものです。このようなときにこそ、我々、特にデジタル領域の産業界が協力しあいながら、新しい事業価値を生んでいきたい。ソフトバンクさんと日本発の新しい事業価値を一緒に作っていけるのではないかと考えております。

石積氏:これからの世の中はコミュニケーションとコラボレーションがキーになってくると思います。ソフトバンクさんとはGoogle Workspaceを一緒に提供しているので、ご利用される企業にはGoogle Workspaceでデジタライゼーションを感じて、クリエイティブな仕事を行っていただきたい。そしてこの新しいサービスを世界にも発信していきたい。そのモデルを作っていきたいと思っています。

伊藤氏:ソフトバンクさんはIBM Watsonの日本国内立ち上げのときからお世話になっています。これまでの経験からソフトバンクさんが有するエコシステムに大きな信頼を寄せており、クラウドサービスにおいても一緒に協業していきたいと考えております。私どものクラウドは少しエンタープライズ寄りなところもあるかもしれませんが、5Gやエッジなども見据えて一緒に市場を開拓していきたいと思います。

浮田氏:Adobeのエクスペリエンスビジネス(顧客体験中心のビジネス)は、日本古来の「おもてなしの精神」の考え方に近いと思っています。この日本らしさを今後どのように日本国内に展開し、さらにはそれを世界に広めていくか。ソフトバンクさんと共にユースケースを生み出していきたいです。

後記

日本マイクロソフト、グーグル・クラウド・ジャパン、日本アイ・ビー・エム、アドビという豪華な顔ぶれが揃ったパネルディスカッション。各者はクラウドビジネスで到来する新たな世界について熱弁した。もはやリモートワーク環境の構築にはクラウドが必須であり、我々は今まさしくその恩恵を受けている。しかしクラウドサービスが実現するワークスタイル変革は、まだまだ可能性を秘めている。4社が提供する新たなサービスに期待したい。

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