日本と中国をつなぐAlibaba Cloud 〜日本と中国をつなぐ6つのソリューション後編〜

"日本と中国をつなぐAlibaba Cloud 〜日本と中国をつなぐ6つのソリューション後編〜"

(2020年1月8日掲載)

ソフトバンク株式会社の鈴木 岳彦です。
Alibaba Cloud は中国のアリババグループ(NYSE:BABA)の事業部門としてグローバルのお客様のオンラインビジネスとアリババグループのEコマースのエコシステムに対応するクラウドコンピューティングサービスを提供しています。

一言で言うと中国に強いAlibaba Cloud、誤解を恐れずに言えば中国に関しては他社クラウドにない圧倒的な強みを持つAlibaba Cloud について、“日本と中国をつなぐ”をテーマに計6つのソリューションを紹介します。
後編では”2.日本と中国をネットワークで接続する”についてまとめました。

目次

2. 日本と中国をネットワークで接続する

前章の「コンテンツの配信」の視点からうってかわり、日本と中国のシステムをネットワーク接続するソリューションを2つ紹介します。

2.1. Express Connect によるリージョン間接続

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Alibaba Cloud Express Connect はAlibaba Cloud のリージョン間をAlibaba Cloud 内部のネットワークで接続するサービスです。帯域は2Mbpsから提供されており最大2Gbps のプランを利用することも可能です。

Alibaba Cloud の東京リージョンから中国本土の以下のリージョンに接続することが可能です。

  • 北京リージョン
  • 張家口リージョン
  • 青島リージョン
  • 杭州リージョン
  • フフホトリージョン
  • 上海リージョン
  • 深センリージョン
  • 成都リージョン(Coming Soon)

また、香港リージョンへExpress Connect で接続することももちろん可能です。その他、世界11リージョン(シンガポール、米国東、米国西、英国、ドイツ、ドバイ、マレーシア、インド、インドネシア、オーストラリア)と接続することも可能となっています

Express Connect は前述のAlibaba Cloud のリージョン間の接続だけではなく、オンプレミスと接続もすることが可能なプロダクトとなっています。

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リージョン間を接続するExpress Connect は”VPC コネクション”、オンプレミスとの接続は”ダイレクト・アクセス”になります。このダイレクト・アクセスを利用することでインターネットを介さない閉域接続を利用可能です。
なお、日本でこのダイレクト・アクセスを利用したい場合は是非ソフトバンクまでご相談ください。10Mbps~1Gbpまで7つのラインナップの帯域を提供しており、導入に関するご相談はもちろん実際の導入作業から運用支援までワンストップでご対応させていただくことが可能です。

ダイレクトアクセス for Alibaba Cloud
ダイレクトアクセスに関するお問い合わせ

オンプレミスへの接続ですがインターネットVPN を利用することも可能です。

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Alibaba Cloud ではIPsec (IKEv1/v2)に対応するフルマネージド型のVPN Gateway を提供しており、IPsec に対応するルータ機器やクラウドサービスと接続することが可能です。

Alibaba Cloud の公式ドキュメントには以下のルータ機器の設定サンプルも公開されています。

  • Cisco 891F
  • Cisco ASA
  • Fortigate
  • Yamaha RTX
  • IIJ SEIL
  • USG シリーズ次世代ファイアーウォール
  • H3C ファイアーウォール

ルータ機器ではありませんがstrongswan の設定例も公開されています。

Google Cloud Platform (GCP) のCloud VPNの公開ドキュメントではAlibaba Cloud VPN Gateway との接続に関する設定サンプルが公開されています。
VPN 相互運用ガイド

その他AWS やAzure とAlibaba Cloud との接続についてはSBクラウドさんのブログ などで公開されています。

2.2. Cloud Enterprise Network によるリージョン間接続

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Express Connect とは別にCloud Enterprise Network を利用したリージョン間接続を構成することも可能です。
コンテンツ配信で紹介した2つのソリューション、CDNとDCDN のようにどう使い分けるべきか迷ってしまうところがあるかもしれません。使い分けについて簡単に整理します。

項目 Express Connect CEN
リージョン間接続 購入帯域ごとに
・1対1
購入帯域ごとに
・1対1
・1対多
・多対多
帯域のバリエーション ・2/5/10/20/50/100/200/30
0/400/500/800/1,000/1,500/
2,000 Mbps
・2Mbpsから1Mbps刻みで最大10,000Mbpsまで購入可能
コスト ・CENより高価 ・Express Connectより安価
オンプレミスとの接続 ・可能 ・CENには該当機能なし
・CENとExpress Connect ダイレクト・アクセスの組合せは条件あり

わかりやすさを目指して表にしていますが、上記だけではまだまだわかり辛いですよね。 1つ1つ補足していきます。
リージョン間接続についてExpress Connectは1対1に対して、CENは1対1に加えて1対多、多対多となっています。
まずはExpress Connect からいくつかのケースを説明します。次の図では東京リージョンと上海リージョンを最小単位の2Mbps のExpress Connect で接続しています。
この時、Express Connect VPC コネクション 2Mbps (月額 \59,120 ※1)を1つ購入する必要があります。 

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次の図では、東京リージョンを北京リージョンおよび上海リージョンを同様に最小の2Mbps の帯域で接続します。
この時、Express Connect VPC コネクション 2Mbps (月額 \59,120 ※1)を2つ購入する必要があります。つまり、Express Connect は接続するリージョンの対ごとに帯域の購入が必要となります。

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続いてCEN についてです。
CENではまず最初に帯域幅パッケージを購入します。こちら最小は2Mbpsです。以下の例では2Mbpsのパッケージ(月額 \30,360 ※1)を1つ購入します。 購入後、パッケージの2Mbps から東京リージョンと上海リージョンの接続に帯域を1Mbps 単位で割りあてます。

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次の例では東京リージョンを北京リージョンと上海リージョンに接続します。 CENでは2Mbps の帯域幅パッケージから1Mbps単位で割り当てることが可能です。 

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4Mbps の帯域幅パッケージを購入することで北京リージョンと上海リージョンに2Mbps 割り当てることも可能です。

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CEN ならではの機能となるのですが、オンラインで帯域の割当を変更可能です。1つ前の例では北京と上海に2Mbpsの割当だったものを下図のように北京に3Mpbs、上海に1Mbps といつでも変更することが可能です。業務の状況や繁忙期などに合わせて柔軟に帯域を変更する運用を実現可能です。

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これまでのCENの構成例は1対1と多(上海・北京)対1(東京)でした。多対多の例も紹介します。
次の図では多(上海・北京)と多(東京・香港)の4つのリージョンを接続しています。前の例同様、購入した帯域幅パッケージの範囲で割り当てはいつでもオンラインから変更可能です。

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なお、CEN の帯域幅パッケージとその割当ではエリアの概念を認識しておく必要があります。以下のエリアを1つのグループとして、エリアとエリアを接続する帯域幅パッケージを購入することになります。

エリア リージョン
中国本土 青島 (中国北部 1) 、 北京 (中国北部 2) 、 張家口 (中国北部 3) 、
深セン (中国南部 1) 、 杭州 (中国東部 1) 、 上海 (中国東部 2) 、
フフホト (中国北部 5)
北米 シリコンバレー (米国西部 1) 、 バージニア (米国東部 1)
アジア太平洋地域 香港 、 シンガポール 、 クアラルンプール (マレーシア) 、 東京
(日本) 、ムンバイ (インド)
ヨーロッパ フランクフルト (ドイツ)
豪州 シドニー

先ほどの例では以下の通り、中国本土エリアとアジア太平洋地域エリアをCEN で接続しています。

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※1 接続するリージョンにより価格は変動します。価格情報は公式サイトで確認をお願いします。

3. まとめ

Alibaba Cloud は中国にサーバを立ち上げるだけのクラウドサービスではありません。中国と日本の相互接続を実現する様々なソリューションを提供しています。Alibaba Cloud が登場するまでは、中国でCDNを利用することやライブ配信、日本にあるWebサイトやゲームの中国公開、などを実現しようとすると中国法人の準備からリソースの確保まで相応の時間と手間を必要としました。それが今ではクラウドサービスとしてオンラインからオンデマンドでそして日本法人が日本円で利用できるようになりました。もちろん提案から導入、運用に関するサポートも日本語で提供されています。

これまでシステム的な観点でビジネスの中国展開の課題があった方も一度Alibaba Cloud をご検討してみてはどうでしょうか。我々も全力でサポートさせて頂きます。

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