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Azure VMware Solutionが2020年9月に正式リリースされました。本稿では特にプライベートクラウドのネットワーク構成を知ることを目的にチュートリアルにトライしました。今回はその前編です。
Azure VMware Solution (以下、「AVS」と表記) のドキュメントに「チュートリアル」が準備されています。チュートリアルとは「コンピュータなどのハードやソフトの使い方の教材」とweblio辞書に解説があります。 図や設定画面のスクリーンショットもあり、初めての方にもわかりやすい内容です。 チュートリアルを参考に検証した結果を共有します。AzureポータルまたはCLIの基本操作はご存じであることを前提に進めます。
チュートリアルを始める前に、「デプロイ前のプロセス」を確認します。ここではプライベートクラウド作成前の注意点を挙げます。 プライベートクラウド作成前に、次の2点を確認しておきます。
サポートチケットの詳細は、「Azure VMware Solution リソースを有効にする方法」を参照ください。 先の「リソースを有効にする方法」ドキュメント内にもありますが、サポートリクエストのフォームに次の内容を追記しておくことをおススメします。
a. Subscription ID
b. リージョン
c. ノードの数
d. オンプレミス環境とAVSとの接続でExpress Routeの使用可否
ノードの割り当て前に、プライベートクラウドの作成画面でサブスクリプションを指定すると、図1のメッセージが表示されます。ノードの割り当て後も注意喚起として同様のメッセージが表示されますが、ノードが割り当て済みなら先に進めます。
AVSのチュートリアルは、次の8項目で構成されています。このブログでは1から5までの実施内容を共有します。6から8までのオンプレミスとプライベートクラウド間の接続やVMware HCXのデプロイおよび構成などは含みません。
チュートリアルでは、次の4つのネットワークにフォーカスしています。このブログでは1と2を中心に進めます。
加えて、プライベートクラウド環境では、DHCPとDNSサービスが必要です。 「ネットワーク計画のチェックリスト」では、WAN経由でDHCPのブロードキャストトラフィックをオンプレミスにルーティングするのではなく、NSXのDHCPサービスを使用するか、またはプライベートクラウド上にDHCPサーバを準備することを推奨しています。
図3はこのブログの構成図です。このブログでは、AVS内のExpress Route接続まで行っていますが、jump boxからプライベートクラウドへのアクセスが目的なら、Azure仮想ネットワーク (図3の赤色点線枠内) の作成のみで完了です。
AVSを利用するために、リソースプロバイターにサブスクリプションを登録します。 ここではCloud Shellを使用し、「az provider register -n Microsoft.AVS --subscription 」コマンドを実行しています。実行後、「Registering is still on going」と登録が進行中であるとメッセージが表示されます。メッセージ内で提示される、「az provider show -n Microsoft.AVS」コマンドで登録の結果を確認できます。
Azure内にvSphereクラスタを作成します。クラスタ内のESXiホストの最小構成数は3台で、最大16台まで追加できます。プライベートクラウド作成中に、vSphereクラスタで使用する次の用途のVMkernelアダプタが自動で構成されます。
ここからは、Azureポータルを利用します。
※今回の作成には3時間半ほどかかりました。オンプレミスでこの構成を手動で行ったら1日以上かかります。IPアドレスも自動設定されますから便利ですね。
6.「デプロイが完了しました」の表示を確認し、「リソースに移動」をクリックします。
7. 状態が「Succeeded」であることを確認します。
<参考:パスワード要件>
AVSはオンプレミスのvCenter Serverを使用して管理することができません。プライベートクラウドのvCenter ServerおよびNSX Managerへ接続するjump box (Windows 10仮想マシン) を配置するAzure仮想ネットワークを準備します。 このブログではオンプレミス環境と統合しませんが、「仮想ネットワーク ゲートウェイの作成」と「AVSのExpressRouteとの接続」の手順も共有します。
オンプレミス環境と統合するには、オンプレミス環境と接続するための追加手順と、次からの仮想ネットワーク ゲートウェイの作成とExpressRouteへの接続設定が必要です。
4. 次は作成した「仮想ネットワーク ゲートウェイ」を選択し、「設定」メニューの「接続」を選択後、「追加」をクリックします。
5.「接続の追加」ページで、設定値の入力後、「OK」をクリックします。
「前編」では、プライベートクラウドの作成から、プライベートクラウドへ接続するためのネットワーク構成までを終えました。 オンプレミスのvSphere環境は10年以上関わっていますが、クラウド上のvSphereクラスタは初めて構築するため、ドキドキ&わくわくで進めました。何度ドキュメントを読んだことやら。特にネットワーク部分を明確にしたいと思っていました。私と同じ思いを持たれている方の参考になれば嬉しい限りです。
今回はチュートリアル通りに、管理ツールへ接続する仮想マシンはパブリックIPアドレスを利用しましたが、セキュリティを考慮した構成もあります。最適な環境のために、オンプレのVMwareとパブリッククラウドのAzureを熟知するソフトバンクのエキスパートエンジニアにぜひご相談ください。
後編では、jump box用のWindows 10仮想マシンを作成し、プライベートクラウド内のvCenter ServerおよびNSX Managerへ接続します。仮想マシン用のNSX-Tセグメントも作成します。後編もぜひご覧ください。
Microsoft Azureは、Microsoftが提供するパブリッククラウドプラットフォームです。コンピューティングからデータ保存、アプリケーションなどのリソースを、必要な時に必要な量だけ従量課金で利用することができます。
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