(2020年6月29日掲載)
目次
ソフトバンクのエキスパートSE 溝口です。
法人のお客さま向けに、ソフトバンクが提供するクラウドサービスをご提案させていただいております。
さて、前回、「クラウドって難しいと思っていませんか?いえ、かんたんです!」ということで、考え方の部分で、ホワイトクラウド ASPIRE(以下、ASPIRE)のわかりやすさをご案内させていただきました。
その中でもお話しさせていただきましたが、パブリッククラウドを活用するためには、それぞれのクラウド特有の専門知識の修得が必要になり、修得コストや人的リソースにお悩みのお客様も多いと聞きます。
今回は、「ASPIREのはじめかた」と銘打って、より具体的に、ASPIREでサーバを作ってみる方法をご説明させていただきながら、「ASPIREって、やっぱりかんたんだね」と感じていただき、クラウド利用のハードルを少しでも低くできればと思います。
構築する環境
閉域ネットワーク(WAN)を利用して、クローズドな環境上にWindowsサーバを構築してみます。
多くのパブリッククラウドがインターネット接続での利用をベースとした環境であるのと比べ、ASPIREは、閉域ネットワーク(WAN)を利用したクローズドな環境で利用されるケースが多いです。
ソフトバンクはネットワークキャリアでもあるので、このようなWAN環境も含めたかたちでクラウド環境をお客さまへ提供させていただいております。
すでにソフトバンクの閉域ネットワーク(SmartVPN)をご利用中のお客さまは、拠点を追加するイメージでASPIREを追加することが可能です。
また、ソフトバンクの閉域ネットワークをご利用中でないお客さまも、本社/拠点側も含めて、ASPIREまでのネットワークをソフトバンクでご用意させていただきます。
このあたりを、一元的に導入から運用までご提供できるのは、ネットワークキャリアであるソフトバンクならではと言えると思います。
お客さまで事前に準備すること
前述の通り、ネットワーク環境はソフトバンクでご用意いたしますので、お客さまでの準備は不要です。
今回は、192.168.1.0/24でASPIRE内のサーバセグメントを作成していますが、お客さまの環境に合わせてアドレス設計、ご提供することが可能です。
お客さまに準備いただくことは、構築したいWindowsサーバに関するパラメータを決めていただくだけです。
下記のように、サーバのスペックやIPアドレス等をあらかじめまとめておいてください。
内容的にはオンプレミスのサーバをご準備いただく際とあまり変わりありませんね。
その点からも、ASPIREは非常にわかりやすい(特別な知識が必要ない)サービスになっています。
さあ、はじめてみましょう
APSIREをお申込みいただき、ネットワーク含めてASPIREが開通すると、「開通通知書」と「初心者向けの導入ガイド(以下、導入ガイド)」をお送りさせていただきます。
Windowsサーバを作るだけであれば、この導入ガイドを見ていただくだけでも大丈夫です。
今回の内容も、そちらに記載されています。
また、詳細なご利用ガイドも、Web上で公開しています。
「ホワイトクラウドASPIRE ご利用ガイド」
はじめてご利用いただく際は、実際にはポータルサイトのパスワード設定を実施していただきます。
実は、このパスワード設定が一番難しい?かもしれません。
セキュリティ強化のため、2段階認証を採用しており、なかなかうまくいかないお客さまもいらっしゃるため、導入ガイドでは設定方法を細かくご説明しています。
今回は、その部分は割愛して、ポータルサイトにログオンした状態から進めます。
ログオンしてみると
ダッシュボード画面が表示され、契約リソースの一覧が下記のように、視覚的に見ることが可能です。
リソースはご契約いただく際に、仮想マシンを構築するために必要な分だけお申込みいただきますが、後から項目ごとに追加することも可能です。
追加した分のリソースは、新しく仮想マシンを作成いただくことも可能ですし、既存の仮想マシンに追加で割り当てることも可能です。
次に、以下のような流れで仮想マシンを作成していきます。
少し分かりづらい概念として、仮想マシングループというのがあります。
かんたん言うと、複数の仮想マシンをひとまとめにできる機能です。ASPIREでは、まず、仮想マシングループを作成し、その中へ仮想マシンを作成していきます。
1つの仮想マシングループには、1台の仮想マシンを作成してもよいですし、複数作成することも可能です。
そのあたりの説明も、導入ガイドに記載されています。
仮想マシンを作ってみよう
今回は、仮想マシングループに1台の仮想マシン(Windowsサーバ)を作成することにします。
仮想マシングループタブから、仮想マシングループの新規作成ボタンを押してウィザードを開始し、パラメータで決めた仮想マシングループの名前を入力します。
「次へ」をクリックし、ウィザードに沿って操作を進めていきます。
作成した仮想マシングループの中に、仮想マシンを追加していきます。
ここでは、予め提供されているカタログから、希望のOSを選択します。
Microsoft Windows Server 2012/2012R2/2016/2019 などのテンプレートが予め用意されています。
イメージとしては、OSがプレインストールされているサーバマシンを選択する感覚です。
テンプレートを選択したら、パラメータで決めた仮想マシン名とコンピュータ名を入力します。
次に、仮想マシンがデプロイに使用するストレージ区分を選択します。
ASPIREでは、複数の種類のストレージをご用意していますが、あらかじめご要件に合わせてご契約いただき、その中から利用するストレージを選択いただきます。
※今回はSSDのバックアップなしストレージを利用します
その後、その仮想マシンに接続するネットワークを選択します。
今回は、WAN環境で利用するケースを想定しますので、すでにネットワークが作られた状態でお客さまへASPIREの環境が提供されます。
プルダウンから接続するネットワークを選択して、パラメータで決めたIPアドレスを入力してください。
ウィザードの最後で構成を再確認して、完了ボタンをクリックすると、数分で仮想マシンが作成(デプロイ)されます。
出来上がった仮想マシンは、仮想マシンタブに表示され、仮想マシンの右クリックメニューでパワーオンが可能です。
また、「コンソールを開く」ボタンで、ブラウザ上でOSにログオンが可能です。
WindowsOS側での設定(ファイアウォールやリモート接続の設定等)を行えば、すでにネットワークにも接続されているので、閉域ネットワーク(WAN)経由で拠点からもアクセスすることが可能です。
どうです、かんたんですよね?
仮想マシンのスペック変更
ASPIREの大きな特徴として、お客さまで自由にスペック変更ができる点があげられます。
仮想マシンの右クリックメニューからプロパティを選択して、視覚的にもわかりやすく実施することができます。
上記のように、お客さまでかんたんにCPUの数やメモリ容量、ハードディスクのサイズ等を変更やハードディスクを追加することもできます。
こちらも、イメージしやすくてかんたんですよね?
まとめ
今回は、ASPIREのはじめかた」と銘打って、仮想マシンを作成して利用できるようになるまでの流れを実際の画面を利用してご説明させていただきました。
基本的に、オンプレミスのサーバを管理・運用されている方であれば、既存の知識、技術のみで構築が可能なのがおわかりいただけたのではないでしょうか?
パブリッククラウドで分かりにくいとされているネットワーク部分も、ソフトバンクで閉域ネットワーク(WAN)も合わせてご提供させていただくので、その点もご心配は無用です。
安心、安全に、しかも「かんたんに」ご利用いただけるホワイトクラウドASPIRE、ぜひご活用いただければと思います。